第930回:日本未上陸ブランドも見逃すな! 追報「IAAモビリティー2025」
2025.10.02 マッキナ あらモーダ!米国から中東に方向転換&本命はお預けよ
既報のとおり、ドイツ・ミュンヘンでは2025年9月8日から14日まで、自動車ショー「IAAモビリティー2025」が開催された。メッセおよび市内では、新型の「メルセデス・ベンツGLC」や「BMW iX3」、そして「アウディ・コンセプトC」など、日本でもなじみ深いブランドが華やかなニューモデルやコンセプトカーを公開した。いっぽうで、日本市場未導入のブランドも、世界初公開もしくは欧州プレミアのモデルを数々発表した。今回は、そうした彼らの活躍を紹介したい。なお一部のモデルは、いずれも9月18日公開の本連載第928回やフォトギャラリーと重複することをお許しいただきたい。
まずはヨーロッパ大手グループから。フォルクスワーゲン(VW)系のクプラは、コンセプトカー「ティンダヤ」を市内会場で公開した。クプラについておさらいしておくと、グループのスペイン法人セアトが、まず2018年にブランド・イン・ブランドとして立ち上げたものを、のちにアウディ、ポルシェなどと同列に格上げしたものである(参照)。
ティンダヤのエキセントリックないでたちとは対照的に、暫定CEOのマルクス・ハウプト氏の解説は意外と真面目だ。「多くの人々がドライバーでなくなりつつあります。そうしたなか、私たちは最も重要なこと、すなわちステアリングを通じたつながりを増幅させます」。つまり、ドライブする喜びを想起させるようなクルマということである。
ハウプトCEOは彼らのマーケットについても言及。目下の主要市場は欧州だが、次なるマーケットとして中東を目指すことを明らかにした。実はクプラ、以前から大手販売会社ペンスキー・オートモーティブ・グループを介して米国進出を計画していたが、ショーと同じ2025年9月に、その延期を発表した。関税問題という言葉こそ用いていないものの、昨今の事情を反映したものであることは間違いない。
いっぽう同じVWグループで、チェコを本拠とするシュコダは「エピックコンセプト」を発表した。こちらは2026年中盤からスペインで生産するBセグメント電気自動車(BEV)の予告である。全長4.1m、ホイールベース2.6mで、どのような出力のモーターが搭載されるかは明らかにされていないが、当然VWのMEBプラットフォームを用いたものであろう。
次はスマートである。同ブランドは2019年、メルセデス・ベンツAGと中国の浙江吉利ホールディンググループによる合弁会社として再出発。同時に、中国生産のBEV専門ブランドへと変身を宣言した。現行ラインナップは、「#(ハッシュタグ)1」「#3」そして「#5」の3車種である。ただし、かつて擁していたスモールカーとは異なり、2022年に発売されたベースモデルの#1でも5人乗りの5ドアハッチバックで、全長×全幅は4270×1822mmもある。なお、3モデルとも同じ吉利傘下の「ボルボEX30」と同一のプラットフォーム「SEA」を使用している。
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