軽油で行こう! いま狙い目の中古ディーゼル車はこれだ!
2026.04.24 デイリーコラム“都合のいいディーゼル車”はある
本稿執筆の時点で、中東地域の戦争から生じた“ホルムズ海峡問題”の出口は見えていない。仮に今日、奇跡的に事態がすべて円満解決したとしても、石油由来製品が従来どおりの量と価格でスムーズに流通するまでには、相当な時間を要するものと思われる。
となれば、相対的にはロープライスな燃料である軽油で走る「ディーゼル車」に今、個人的には大注目している。もちろん電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)でもいいのだが、EVは「自宅に充電設備を設置できない」という理由から瞬殺で却下となり、HEVも「やはり純エンジン車が好きだから……」という素朴な理由で、長考の末却下となった。
そしてせっかく何かしらのクルマを新たに買うのであれば、燃費性能だけでなく「走り」「見た目」「存在感」も大いに良好な一台を選びたいと思う。が、そういった類いのディーゼルターボ車を新車で買うとなると結構な総額となってしまうため、狙いは必然的に「中古車」になる。できれば総額200万円に近い予算で買いたいところだが、果たしてそんな都合のいいディーゼル中古車は存在するのだろうか? 以下、検討してみることにしよう。
まず候補となるのは――
【候補1】
BMW 2シリーズ グランクーペ(先代モデル)
- 想定予算:総額230万円前後
- WLTCモード燃費:17.1km/リッター(2020年式「218dグランクーペMスポーツ」の場合)
2019年10月から2025年2月まで販売された、3代目「1シリーズ」と同じFFプラットフォームをベースにしたコンパクト4ドアクーペ。当然ながらガソリンターボエンジンもラインナップするが、2020年8月に追加された「218d」系は最高出力150PS、最大トルク350N・mの2リッター直4ディーゼルターボエンジンを搭載する。
「できればFRのほうが」「全長4540mmはやや寸詰まりか?」と思わないでもないが、「BMWの看板および走り」「実用回転域での十分な力強さ」「まあまあの燃費」という部分から考えれば“アリな選択”だろう。総額230万円前後で、走行3万kmぐらいの物件がイケる。
狙うはマイナーチェンジ前の人気車種
【候補2】
プジョー508(現行モデルの前期型)
- 想定予算:総額220万円前後
- WLTCモード燃費:16.9km/リッター(2020年式「508 GT BlueHDi」の場合)
2019年3月に発売された、サッシュレスドアにテールゲートを備えた4ドアクーペ風プロポーションを持つ4ドアファストバック。そのなかの「BlueHDi」系は最高出力177PS/最大トルク400N・mの2リッター直4ディーゼルターボエンジンを搭載する。
内外装デザインはさすがにハイセンスであり、決してめちゃめちゃ高額なフランス車ではないのだが、これに乗っている人はなぜか「謎の金持ち」に見える。そして走りも小気味よく、ハッチバック形状ゆえ、荷室へのアクセス性はステーションワゴン以上に良好。これまた十分にアリな選択肢だろう。総額220万円前後にて、走行2万~3万km台の物件が見つかるはずだ。
【候補3】
フォルクスワーゲンTロック(現行モデルの前期型)
- 想定予算:総額220万円前後
- WLTCモード燃費:18.6km/リッター(2021年式「TロックTDIスポーツ」の場合)
2020年7月に上陸したフォルクスワーゲン製CセグSUV。シャシーはフォルクスワーゲングループのモジュラープラットフォーム「MQB」で、全高以外のサイズ感は同門の「ゴルフ」におおむね類似。2021年5月以降は1.5リッター直4ガソリンターボも追加されたが、基本となるパワーユニットは最高出力150PS/最大トルク340N・mの2リッター直4ディーゼルターボだ。
取り立てて趣味性が高いクルマというわけでもないが、走りは十分以上にパワフルかつ軽快で、上質感もまずまず。SUVというボディー形状ゆえ「なにかと便利」なことも間違いない。CセグメントのSUVという「世間のど真ん中感」さえ特に気にならないなら、ナイスな選択肢だ。マイナーチェンジが行われた2022年7月以降の世代は総額260万円以上だが、マイチェン前であれば、走行3万km程度の「TDIスポーツ」が総額220万円前後で狙える。
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どうせなら楽しめる一台を
【候補4】
マツダ2
- 想定予算:総額150万円前後
- WLTCモード燃費:25.2km/リッター(2023年式「マツダ2 XDスポルト+」のFF/6MT車の場合)
ここまでに挙げた3車種はいずれもなかなか良き選択肢だと自負するものの、WLTCモード燃費が10km/リッター台でしかないことに、いささか納得がいかない部分もある。もちろん「そのぐらいで御の字」とも思うわけだが、このご時世であれば20km/リッター台は正直欲しいところで、なおかつ「運転する楽しみ」みたいなものも感じられるクルマであればベストだ。
だがそんなクルマなど存在するだろうか――と長考に入ってみたところ、1車種だけ見つけることができた。「マツダ2」の1.5リッターディーゼルターボエンジン搭載グレードの、6段MTを採用するFF車である。WLTCモード燃費は25.2km/リッターだ。
本稿において燃費性能以外の部分で重視している「見た目」「存在感」という部分では条件を若干満たさないかもしれないが、ゴキゲンな1.5リッター直4ディーゼルターボ(最高出力105PS/最大トルク220N・m)に6段MTという組み合わせには、どうにもカーガイの心をくすぐる部分がある。トルクの豊かなエンジンゆえ6段ATでも問題ないというか、むしろそのほうが適切なのかもしれないが、そんなことはどうでもいいのである。「わざわざ手動で変速させる」というひと手間こそが、今となっては逆に尊いからだ。
マツダ2にはさまざまな「ディーゼルターボ+6MT」というグレードが存在したが、2026年4月中旬現在、その中古車は希少で、全国で10台程度しか流通していない。とはいえ、今どき「MTのコンパクトカーが全国各地で大人気!」みたいな状況はまずないだろうから、おそらくは、特に焦らずとも購入できるはずである。
(文=玉川ニコ/写真=BMWジャパン、ステランティス ジャパン、フォルクスワーゲン ジャパン、マツダ、webCG/編集=関 顕也)

玉川 ニコ
自動車ライター。外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、自動車出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。愛車は「スバル・レヴォーグSTI Sport R EX Black Interior Selection」。
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