「NISMO FESTIVAL at FUJI SPEEDWAY 2015」(後編:サーキットバトル編)
2015.12.01 画像・写真2015年11月29日、雪を頂いた富士山が見下ろす絶好のイベント日和に恵まれた静岡県小山町の富士スピードウェイで、「NISMO FESTIVAL at FUJI SPEEDWAY 2015」が開かれた。これは今回で18回目を迎えた、恒例の日産/NISMOのモータースポーツファン感謝イベントである。
同様のファン感謝イベントは他社も実施しているが、NISMO FESTIVALの特徴は、ヘリテイジを非常に大切にしていることだ。それゆえ毎回、日産/NISMOの栄光の歴史を築いてきた数々のマシンを展示するだけでなく、実際に走らせる。今回も「NISSAN MOTORSPORTS HERITAGE RUN」と題されたプログラムには、1969年日本グランプリの優勝車である「R382」から、2011年FIA GT1選手権のチャンピオンマシン「GT-R GT1」までの9台が登場。実際にそれらのマシンを操っていた、日産ワークス黄金時代のレジェンドドライバーである北野 元氏や長谷見昌弘氏、星野一義氏らがステアリングを握った。その一方で、昨季と今季のSUPER GTのGT500を連覇した松田次生/ロニー・クインタレッリ組の「オーテック・モチュールGT-R」をはじめ、最新の現役マシンが模擬レース「CRAFT SPORTS presents NISMO GP 2015」で火花を散らした。ここでは、メインコースで実施された、そうしたプログラムにおけるマシンの雄姿、バトルシーンを中心に紹介しよう。(文=沼田 亨/写真=沼田 亨、webCG)
→「NISMO FESTIVAL at FUJI SPEEDWAY 2015」(前編:イベント広場/ピット編)はこちら

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JCCA(日本クラシックカー協会)主催のクラシックカーレースに参戦している車両を中心とした「NISSANヒストリックカーエキシビションレース」のスタートシーン。プロドライバーである影山正彦選手の駆る「レイトンハウス・トリイサニー」(前列右端)が予選1位、実弟の正美選手の「ヒロタ東名サニー」(前列右から2代目)が2位と、影山兄弟がグリッド最前列を独占した。
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懐かしのレイトンブルーに塗られた「レイトンハウス・トリイサニー」は、影山正彦選手が新人時代に駆ったマシンの、忠実なレプリカ。ベースは型式名B310こと4代目「サニー・クーペ」である。
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影山正美選手が駆った丸善テクニカ・カラーの「ヒロタ東名サニー」は、東名自動車(現・東名パワード)の創設者である故・鈴木誠一氏のマシンのレプリカ。ベースは型式名B110こと2代目「サニー・クーペ」だ。
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「ファインパーツ・シライシGT-R」は、現役SUPER GT(GT300)ドライバーである加藤寛規選手がドライブ。ベースはスカイライン伝説を確立した型式名KPGC10こと「スカイライン・ハードトップ2000GT-R」である。
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「ブルーバード1600SSSクーペ」(KP510)を当時のワークスマシン風に仕立てた「剣自動車+OEブルーバード」(手前)と、「スカイライン・ハードトップ2000GT-R」(KPGC10)がベースの「PNISレーシングスカイライン」のバトル。
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1969年日本グランプリ優勝車の「R382」から2011年FIA GT1選手権のチャンピオンマシンである「GT-R GT1」まで、9台のマシンがピットロードに整列。日産/NISMOの栄光の歴史をたどる「NISSAN MOTORSPORTS HERITAGE RUN」の参加車両である。
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1969年日本グランプリで黒澤元治氏が優勝、北野 元氏が2位に入り1-2フィニッシュをキメた「R382」。600psを発生するといわれた、6リッターV12 DOHC 48バルブエンジンをミドシップする。今回は北野 元氏がステアリングを握った。
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1982年、スーパーシルエットシリーズに長谷見昌弘氏のドライブで参戦し2勝を挙げた「トミカスカイラインターボ」。2.1リッター直4 DOHC 24バルブターボエンジンの最高出力は570ps以上。ドライバーはもちろん長谷見監督本人。
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グループAで争われていた全日本ツーリングカー選手権(JTC)で、デビューした1990年に6戦中5勝を挙げてシリーズチャンピオンを獲得した星野一義/鈴木利男組の「カルソニック・スカイライン」。ベースはもちろん「スカイラインGT-R」(BNR32)である。ドライバーは星野監督。
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1992年のデイトナ24時間で、長谷見昌弘/星野一義/鈴木利男組が日本車として、また日本人のドライブで初の総合優勝に輝いた「R91CP」。3.5リッターV8 DOHC 32バルブツインターボエンジンは、800psを発生したという。ドライバーは鈴木利男氏。
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1995年のルマン24時間に福山英朗/粕谷俊二/近藤真彦組のドライブで参戦、総合10位となった「NISMO GT-R LM」。「スカイラインGT-R」(BNR33)をベースに、RB26DETTエンジンを450psまでパワーアップし、駆動方式を2WD(FR)に変更している。この日のドライバーは近藤真彦監督。
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1998年のルマンで、星野一義/鈴木亜久里/影山正彦の日本人トリオのドライブにより、日産のルマン挑戦で最上位となる総合3位を獲得した「R390 GT1」。650ps以上を発生する3.5リッターV8 DOHC 32バルブエンジンをミドシップする。星野監督が「カルソニック・スカイライン」から乗り換えてドライブ。
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アメリカンなカラーリングをまとった「ペンズオイルNISMO GT-R」。1998年の全日本GT選手権(JGTC)で、エリック・コマス/影山正美組がGT500クラスの王座を獲得したマシン。ベースは「スカイラインGT-R」(BNR33)だが、RB26DETTエンジンを2.7リッターに拡大して500ps以上にまでチューン、駆動方式を2WD(FR)に変更している。影山正美選手がドライブした。
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デビューイヤーとなった2008年のSUPER GTで開幕2連勝を飾り、シリーズチャンピオンにも輝いた本山 哲/ブノワ・トレルイエ組の「ザナヴィNISMO GT-R」。シルエットは「GT-R」(R35)だが、エンジンは自然吸気の4.5リッターV8 DOHC 32バルブで、駆動方式は2WD(FR)である。本山 哲選手がステアリングを握った。
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2011年のFIA GT1世界選手権で、ミハエル・クルム/ルーカス・ルアー組がドライバーズタイトルを獲得した「GT-R GT1」。インフィニティのSUVなどに搭載されている5.5リッターV8 DOHC 32バルブをチューンしたエンジンが発するサウンドは、迫力満点。ミハエル・クルム選手がドライブした。
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今季のSUPER GTとスーパー耐久を戦った、合わせて20台の「GT-R」と「フェアレディZ」による模擬レース「CRAFT SPORTS presents NISMO GP 2015」のスタートシーン。
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松田次生/ロニー・クインタレッリ組によって、2014年、2015年とSUPER GTのGT500クラスの2連覇を果たした「オーテック・モチュールGT-R」。GT500マシンには、実戦同様タイヤ交換とドライバー交代が義務づけられた。
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安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組の「カルソニックIMPUL GT-R」。場内アナウンスに解説者として登場した星野一義監督いわく、「今年は(IMPUL は)1勝もできなかったんだから、せめてここでは勝たせてよ!」。
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右側は2015年度GT300クラスのチャンピオンマシンである「GAINER TANAX GT-R」、左側はヨーロッパを舞台とするブランパン耐久シリーズの、今季の王座に輝いた「GT-R NISMO GT3」。
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今季のスーパー耐久 ST3クラス(2001~3500ccの2WD)で、シリーズ1位、3位、5位に入った岡部自動車の「フェアレディZ」(Z34)3兄弟。