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1/251957年「トヨペット・コロナ」。「早くダットサンへの対抗モデルを」という販売サイドの要望から、上級の「クラウン」や「マスター」(タクシー専用車)のコンポーネンツを多く流用して急造された。トヨタ車としては初めてモノコックを採用したボディーに最高出力33PSの1リッター直4サイドバルブエンジンを搭載。2年後に同45PSを発生するOHVエンジンに換装された。
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2/251957年「ダットサン1000」。ライセンス生産していた「オースチンA50」用の1.5リッター直4 OHVエンジンのストロークを縮めて1リッターとしたエンジンを搭載。その性能と耐久性は翌1958年に参戦した豪州一周ラリーのクラス優勝で実証された。
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3/251959年「ダットサン・ブルーバード」。日産オリジナル車両としては初めて前輪独立懸架を持つ乗用車専用シャシーを採用したベストセラー。写真は「1200デラックス」で、1000はもっぱらタクシー用の「スタンダード」のみとなった。
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4/251960年「トヨペット・コロナ」。いわば急造品だった先代に対し、スマートなボディーを持つ2代目。当初は先代から受け継いだ1リッター直4 OHVエンジンを積んでいたが、1961年に1500を追加。セールスではブルーバードの後塵(こうじん)を拝した。
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5/251963年「三菱コルト1000」。スクエアなデザインの、三菱初となる4ドアのモノコックボディーに最高出力51PSを発生する1リッター直4 OHVエンジンを積んだ実直なセダン。これをベースに「コルト1500」や「同1100」などが生まれた。
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6/251966年「ダットサン・サニー1000」。当初は2ドアセダンのみがデビュー、遅れて4ドアセダンや2ドアクーペなどが追加された。写真の「2ドアデラックス」で車重645kgという軽量な車体に1リッター直4 OHVエンジンを搭載。
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7/251966年「スバル1000」。水平対向4気筒OHVエンジンによるFF、トーションバーによる4輪独立懸架などのメカニズムを採用、世界レベルでみても独創的かつ合理的な設計を誇る小型車。当初は4ドアセダンのみで、後に2ドアセダンが加えられた。
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8/251967年「マツダ・ファミリア1000」。初代は「800」で始まって後に1000を追加したが、この2代目は1000が基本で「1200」やロータリーなどが加えられていった。ボディーは2ドア/4ドアセダンと2ドアクーペがあり、大衆車市場では「カローラ」「サニー」に次ぐセールスを誇った。
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9/251969年「トヨタ・パブリカ1000」。当初は初代から受け継いだ800cc空冷フラットツイン搭載車も残されたが、メインは1リッター直4 OHVエンジン搭載車。ボディーは2ドアセダンのみで、後に派生モデルの「パブリカ スターレット」(2ドアクーペ、4ドアセダン)が加えられた。
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10/25「超えてるクルマ」というキャッチフレーズを掲げて1970年にデビューした「日産チェリー」。日産で初めてFF(エンジン横置きのイシゴニス式)を採用した、欧州車的な設計のコンパクトカー。当初のボディーは2ドア/4ドアセダンで、後にテールゲート付きクーペが加えられた。
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11/251973年「マツダ・ファミリア プレスト1000クーペ」。1967年以来のボディーを拡幅して延命。2ドア/4ドアセダンまたはこの2ドアクーペボディーにSOHC化された1リッター/1.3リッター直4エンジンを搭載。1976年の排ガス対策化に際して1000は生産終了となった。
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12/251977年「ダイハツ・シャレード」。路面投影面積が軽自動車規格の4.48㎡よりわずかに大きい5.2㎡というコンパクトサイズながら、大人5人のための居住空間、満足すべき動力性能と経済性を実現し、「5㎡(平米=へいべい)カー」とうたっていた。
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13/25同じく「シャレード」のリアビュー。直3エンジンをはじめ理詰めの合理的なパッケージングを誇りながら、親しみやすい雰囲気のコンパクトカーだった。
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14/251982年「日産マーチ」。当初は3ドアのみで、翌年に5ドアを追加。9年のモデルサイクルのうちに「ターボ」、ターボとスーパーチャージャーの2段過給の「スーパーターボ」などの高性能版も加え、また「Be-1」などいわゆるパイクカー3部作のベースともなった。
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15/251983年「スズキ・カルタス」。これも当初は3ドアのみで、1年後に5ドアを追加。1リッターSOHCエンジンは「シャレード」と同様に直3を採用。提携していたGMを通じて米国、カナダ、豪州などでも販売された。
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16/251983年に登場した「スバル・ジャスティ」は当初から3ドア/5ドア、それぞれのパートタイム4WD仕様をそろえており、エンジンはやはり1リッター直3 SOHC。写真は1987年に追加された世界初のECVT(電子制御電磁クラッチ式無段変速機)仕様。
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17/251983年に世代交代した2代目「ダイハツ・シャレード」には、先代からの5ドアに加えて写真の3ドアも用意された(ただし先代の途中から加わった3ドアクーペは消滅)。1リッター直3 SOHCエンジンにはディーゼル版も用意され、遅れてガソリンターボやディーゼルターボも加えられた。
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18/251992年に世代交代した2代目「日産マーチ」。先代と同じく3ドア/5ドアハッチバックに積まれるエンジンはDOHC 16バルブ化され、1300も加わった。「カブリオレ」(1300のみ)やショートワゴンの「BOX」などを加えながら、先代よりさらに長い10年の寿命を保った。
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19/251998年に登場した「ダイハツ・ストーリア」。3代目「シャレード」より外寸はわずかに短く、狭いが背が高い5ドアハッチバックボディーに1リッター直3 DOHC 12バルブエンジンを積む。OEM供給されるトヨタ版は「デュエット」と名乗った。
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20/25それまでの「スターレット」「ターセル/コルサ/カローラII」に代わり、トヨタのボトムラインを支えると同時に海外生産も前提とした世界戦略車として1999年にデビューした初代「ヴィッツ」。効率的なパッケージングによりライバルを上回る居住空間と荷室を実現した3ドア/5ドアボディーに、1リッター直4 DOHC 16バルブエンジンを搭載する。
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21/252004年に登場した、トヨタとダイハツが共同開発した5ドアハッチバックで、「ストーリア/デュエット」の後継モデル。写真のダイハツ版が「ブーン」、トヨタ版が「パッソ」と名乗る。エンジンは1.3リッター直4も用意されるが、中心は1リッター直3。ベーシックモデルの90万円(税別)という価格は軽ハイトワゴンの廉価モデルなみだった。
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22/252012年「三菱ミラージュ」。「低燃費」「低価格」「コンパクト」をキーワードにタイ工場で生産されるグローバルコンパクトカーで、5ドアハッチバックボディーに1リッター直3 DOHC 12バルブエンジンを搭載。2015年に前年に加えられた1.2リッター仕様に絞られ、現在も継続販売されている。
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23/25「トヨタ・ヤリス」。2020年に「ヴィッツ」が3度目の世代交代を迎えるにあたり、名称が輸出名のヤリスに統一された。5ドアハッチバックボディーに、1リッター仕様は先代から受け継いだ直3 DOHC 12バルブユニットを搭載。初代に続いて欧州カー・オブ・ザ・イヤーを獲得しており、シリーズでは登録車のベストセラーとなっている。
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24/252016年にフルモデルチェンジされた3代目「ダイハツ・ブーン」。トヨタ版の「パッソ」ともどもエンジンは先代までの1.3リッター直4は落とされ、自然吸気の1リッター直3 DOHC 12バルブのみという、正真正銘の(?)リッターカーである。
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25/252016年に登場した「ダイハツ・トール」。「パッソ/ブーン」と同じ1リッター直3エンジンまたは同ターボ版を積んだ5人乗りのトールワゴン。「トヨタ・ルーミー」および「スバル・ジャスティ」はOEM供給モデル。やはりOEMモデルだった「トヨタ・タンク」は2020年に販売終了となった。

沼田 亨
1958年、東京生まれ。大学卒業後勤め人になるも10年ほどで辞め、食いっぱぐれていたときに知人の紹介で自動車専門誌に寄稿するようになり、以後ライターを名乗って業界の片隅に寄生。ただし新車関係の仕事はほとんどなく、もっぱら旧車イベントのリポートなどを担当。
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