「CHEVROLET FAN DAY 2022」の会場から
2022.06.07 画像・写真ゼネラルモーターズ・ジャパンは2022年5月28日、富士スピードウェイでシボレーの公式ファンイベント「CHEVROLET FAN DAY 2022」を開催した。
2018年に初開催された同イベントは、シボレーのファンが集い、ブランドの2大看板である「コルベット」と「カマロ」のスポーツ性能を楽しめるレーシングコースでの走行体験を中心に、シボレーの世界観を楽しむというものだ。年1回のペースで開催される予定だったこのイベントだが、新型コロナウイルス感染症のリスクを考慮し、残念ながら2020年と2021年は中止に……。今回は実に3年ぶりの開催となった。その機会を多くのファンが待ち望んでいたのか、当日は過去最多となる181台の車両と366名のシボレーファンが来場し、大いに盛り上がりをみせた。
会場では、プロドライバーによるドライビングレッスンや同乗走行のサーキットタクシーをはじめとしたさまざまな走行体験に加え、第8世代までの歴代コルベットのヘリテージ展示を行うなど、一日どっぷりとシボレーの魅力に浸れる内容となっていた。
ファンが待ち焦がれていた公式イベントの模様を、写真でお伝えしよう。
(文と写真=大音安弘)
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1/30富士スピードウェイを舞台に開催されるシボレーの公式ファンイベント「CHEVROLET FAN DAY」が、2019年以来となる3年ぶりの復活を果たした。久々の開催ということもあり、参加台数と来場者数は過去最高を記録。メイン会場となるAパドックは、多彩なシボレーの車両で埋め尽くされた。
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2/30友人や恋人、家族と語らうことができるカフェブースの前では、歴代「コルベット」によるヘリテージ展示を実施。原点のC1から最新作のC8まで、オーナー自慢のコルベットが並べられた。また午前中には、来場した全シボレー車からお気に入りの一台を参加者たちが選ぶ「コンクールデレガンス」も実施。トップ3に輝いた車両の発表とお披露目も行われた。
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3/30強烈な個性を放つシボレーをマイカーに選ぶオーナーだけに、愛車にも大なり小なり独自のカスタムが施された車両が見られた。なかでも衝撃だったのが、発売間もない「C8コルベット」の複数がシザードア化していたこと。ミドシップレイアウトとなったコルベットの存在感を、より強烈なものにしていた。
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4/30来場者の投票による「コンクールデレガンス」で1位に輝いたのが、写真のオレンジの「C8コルベット」だ。アルミホイールをはじめとした、オーナーこだわりのカスタムが評価されたもよう。上位3台が表彰されたが、いずれもコルベットだった。
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5/30Aパドックの駐車エリアにて、愛車とともにのんびりとくつろぐオーナーたち。他の参加者の愛車を鑑賞したり、シボレー談義に花を咲かせたりと、それぞれが自由にシボレーファンの集いを楽しんでいた。
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シボレー の中古車
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6/30俺のハートを見てくれ! と言わんばかりの「C4コルベットZR-1」。ノーマル然としたシックな装いだが、ホイールやブレーキなどに走り向けのチューニングがしっかり施されているのが分かる。
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7/30「C4コルベットZR-1」の象徴ともいうべき「LT5」エンジン。ロータスが手がけたスポーツエンジンで、排気量こそ5.7リッターのままだが、オールアルミ製で、しかもヘッドをツインカム化。最高出力375HP/5800rpm(後に405HPに向上)、最大トルク51.3kgf・m/4800rpmを発生し、組み合わされるトランスミッションは6段MTのみという硬派な仕様だった。
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8/30オリジナルの状態を保った素晴らしいコンディションの「C4コルベット」と遭遇。ナンバーも新車当時のものとおぼしき2ケタのものを装着していた。歴代コルベットはグラマラスなデザインのものが多いが、C4のスタイリングは実にシャープ。その美しさをシックなシルバーのボディーカラーが際立たせている。
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9/30参加するシボレーは、「コルベット」や「カマロ」ばかりではない。写真は1991年に発売されたフルサイズSUVの「タホ」。日本では「ブレイザー シルバラード」として3ドアモデルが正規導入されたが、5ドアは未導入で終わっている。ただし、並行モデルは多く存在するようだ。
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10/304代目の「シボレー・カマロZ28」(後期マスク)。ピニンファリーナに在籍中に、フェラーリのデザインを担っていた自動車デザイナーのケン奥山こと奥山清行氏がGM時代に手がけた作品のひとつ。歴代カマロのなかではおとなしいスタイルだが、Z28ではボンネットの下に「LT1」型5.7リッターV8 OHVエンジンを収める。羊の皮をかぶったオオカミ的な存在なのだ。
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11/30この5代目「シボレー・カマロ」は希少なトランスフォーマー仕様車。映画『トランスフォーマー/リベンジ』に登場した、シボレー・カマロから変形するロボット「バンブルビー」の仕様を盛り込んだものだ。フロントフェンダーとホイールセンターキャップには専用の「AUTOBOT」エンブレムが装備されている。限定16台が販売された。
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12/30「カマロ」や「コルベット」と並ぶシボレーの看板車種だった「アストロ」。フロントフェンダーのエンブレムから、当時の正規輸入車であり、米スタークラフト社が手がけたコンバージョンモデル「スタークラフト」だと分かる。そのエアロで迫力を増したスタイルは、日本の“クールなミニバン”のお手本になったと言っても過言ではないだろう。
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13/30アグレッシブな「コルベット」のリアテールに輝く、初々しい初心者マークにビックリ。会場内でも20~30代と見られる若いファンが多く見受けられた。日本ではクルマ好きの間でもニッチな存在といえるアメ車だが、その魅力を知るツウな若者たちがしっかり存在するのは、素晴らしいことだ。
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14/30同イベントの魅力のひとつが、愛車で富士スピードウェイのレーシングコースを走れること。プログラムは気軽なサーキット走行体験となる「エンジョイ走行」と、スポーツ走行を楽しむ「アクティブコース」の2種類で、プロドライバーによる先導車両が複数台導入されるなど、安全に配慮しながらも誰もがスムーズなサーキット走行を楽しめる内容となっていた。
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15/30本格的なドライビングスクール「コルベットドライビングアカデミー」も開催。「コルベット」ユーザーを対象に、午前中はショートコースなどで基礎トレーニングを実施。午後からは仕上げとしてレーシングコースでの走行が行われた。コルベットでドラテクを磨きたいと思うオーナーだけに、レベルの高い鋭い走りを見せる人も多かった。
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16/30イベントの参加車両はオープンモデルが多かったのも印象的。その走りで定評のある「コルベット」と「カマロ」でも、あえてソフトトップのマシンを選ぶところにアメリカ車ライフを満喫するオーナーたちの心意気が感じられる。しかも、それでサーキット走行を楽しんでしまう豪快さもまたアメリカンだ。
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17/30午後にショートサーキットで実施されたのが「カマロドライビングスクール」。レーシングドライバーを中心とした講師陣がほぼマンツーマンで教えてくれる豪華な内容だ。「コルベットドライビングアカデミー」とともに、愛車の魅力をより知りたい、実力を引き出したい、はたまた安全な運転を心がけたいといった、幅広いオーナーにおススメできる魅力的なコンテンツとなっていた。未体験のシボレーオーナーは、ぜひ次回参加ご検討を。
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18/30「カマロドライビングスクール」のひとコマ。テクニカルなショートコースをいかにスムーズかつ安全に走ればいいかを、プロドライバーの先導車を追いかけることで学べる。講師陣による同乗走行もあり、そこではシボレーのスポーティーモデルの実力を知ることもできた。
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19/30ここからは、会場に展示された歴代「コルベット」をご紹介。1953年に誕生した初代シボレー・コルベット(C1型)は、欧州製ロードスターの影響を受け、シボレー初の2シーターオープンスポーツとして誕生した。構想段階では適度なパワーのライトウェイトなスポーツカーを目指していたため、3.9リッターの直6エンジンを搭載していたが、後にV8エンジンの搭載によって大幅なパフォーマンスアップを実現。アメリカンスポーツの代表格となる礎を築いた。
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20/30インテリアは赤で統一されたおしゃれなもの。カーナビを備えるなど各所がアップデートされているが、その処理には上品な雰囲気を壊さぬようにというオーナーの配慮がうかがえる。トランスミッションは3段MTだった。
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21/301963年に登場した2代目「コルベット」(C2型)のオープンモデル。レーシングカーのプロトタイプとして発表された「XP-87スティングレイ レーサー」をモチーフに生まれたスタイリングから、「コルベット スティングレイ」と名づけられる。スティングレイとは英語でアカエイのことを指し、そのサブネームのとおり薄く平べったいボディーと鋭いノーズが特徴だった。リトラクタブルヘッドライトを採用した初のコルベットで、初代と比べるとかなりアグレッシブかつ未来的なデザインに仕上げられている。
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22/30「C2コルベット」のインテリアは、6眼メーターのレイアウトに象徴されるように、スポーツカーらしさが増している。センターレイアウトの時計も見やすく、操作系には機能性向上の工夫が感じられた。同車のトランスミッションは4段MT。これは当時選択できたトランスミッションのなかでも、段数の多いものだった。
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23/301968年に登場した3代目「コルベット」(C3型)は、コークボトルと表されるグラマラスなスタイリングが特徴。量産車初となるTバールーフが用意されたのもトピックだ。歴史的にはオイルショックや排ガス規制などに翻弄(ほんろう)され、スペックダウンを強いられたつらい時期にあたるが、コルベットシリーズとしては最長の15年にもわたって生産され、約54万台が送り出された。その人気を支えたのは、やはり美しいスタイリングだったのだろう。展示車はアイアンバンパーが特徴的な初期のもの。
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24/301983年に登場した4代目「コルベット」(C4型)。欧州製スポーツカーを思わせるシャープなスタイリングが特徴で、3代目からの大幅アップデートを図るべく、エンジンを除いてほとんどすべてを刷新し、本格スポーツカーを目指した。それもあって開発には時間を要し、一時はシボレーのラインナップからコルベットが消える事態に。これにより、一時は“コルベット消滅”のうわさが流れるまでになったという。シャシー性能を高めた「Z51」や、DOHCエンジンのハイパフォーマンスモデル「ZR-1」、レーシングストライプが特徴の「グランスポーツ」など、今なおグレード名などに受け継がれるビッグネームが登場したのもこの世代だ。
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25/301997年に登場した5代目「コルベット」(C5型)。そのスタイリングは4代目のシャープさを受け継ぎつつ、それ以前のコルベットが持つグラマラスさを復活させたものだった。4代目で強まったスポーツ性能はさらに追求されており、ボディー構造の見直しに加え、トランスアクスルの採用など新たなチャレンジも行うことで、基本的な運動性能を向上させた。レースシーンにおけるGMワークスの復活とも相まって、コルベットは再びモータースポーツ色を強めていく。このモデルが、2代目から続いたリトラクタブルヘッドライトを装備する、最後のコルベットとなった。
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26/302005年に登場した6代目「コルベット」(C6型)。ひとことで言えば、C5の課題を洗い出すことで当時“究極のコルベット”を目指したモデルだ。このため、C5と共通するメカニズムは多いものの、その中身は想像以上に刷新されていた。スタイリングもC5のイメージを受け継ぐものだが、よりマッチョでエッジの効いたものに進化。空力特性も改善され、Cd値は0.28となった。7リッターV8 OHV自然吸気エンジンの「Z06」に加え、スーパーチャージャーで武装した最高出力647PSの6.2リッターV8 OHVエンジンを搭載する「ZR1」も登場。いずれもアメ車らしい豪快さを感じさせるハイパフォーマンスモデルだった。
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27/302013年に登場した7代目「コルベット」(C7型)。時代に即して全面刷新を図り、現代的なアメリカンスポーツの理想を追求したモデルだ。それでいて、魅力的なOHVエンジンは先進技術による磨き上げを経てしっかりと継承している。コックピットはデジタル機能の強化に加え、質感の向上も著しい。先代に続いて強力なハイパフォーマンスモデルが設定されており、C6の「ZR1」をしのぐ最高出力650HPの「Z06」が登場。さらにモデル末期には、シリーズ最強となる「ZR1」を用意。こちらは最高出力755HPをたたき出した。
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28/30ヘリテージ展示に協力した歴代「コルベット」のオーナーとともに、記念撮影を行うゼネラルモーターズ・ジャパンの若松 格代表取締役社長。若松社長自身もシボレーを愛するクルマ好きで、この日は自らもステアリングを握ってサーキットを疾走。参加したシボレーファンとの交流を楽しんでいた。
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29/30閉会式を兼ねたパレードランのため、イベントに参加したシボレー車がホームストレートに集結。先頭を飾るのは、ヘリテージ展示に参加した歴代「コルベット」だ。これだけのシボレーが集うのは、やはり公式イベントならでは。
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30/30イベントのフィナーレを飾ったパレードラン。「コルベット」と「カマロ」を中心とした157台がレーシングコースを埋め尽くす姿は、まさに圧巻のひとこと。パレード終了とともに解散となり、参加者たちは帰路へとついた。