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【スペック】デミオSPORT:全長×全幅×全高=3895×1695×1475mm/ホイールベース=2490mm/車重=1020kg/駆動方式=FF/1.5リッター直4DOHC16バルブ(113ps/6000rpm、14.3kgm/4000rpm)/価格=158万円(テスト車=174万650円/オートライトシステム+レインセンサーワイパー+撥水ガラス+キーレスエントリー+フルオートエアコン+カーテン&フロントサイドエアバッグ+オーディオレス)(テスト車には、そのほかディーラーオプションとして、HDDナビ(30万4500円が付く)
(写真=峰昌宏)

マツダ・デミオ SPORT(FF/CVT)/13C-V(FF/CVT)【試乗速報(前編)】

デミオというよりマツダ2(前編) 2007.07.26 試乗記 青木 禎之 マツダ・デミオ SPORT(FF/CVT)/13C-V(FF/CVT)
……174万650円/148万6400円
“Personal Smart Commuter”をコンセプトに開発された3代目「マツダ・デミオ」。スタイリッシュな5ドアボディをもつベーシックモデルはどうなのか? 2種類のCVTモデルに乗った。

ニューデミオの概要

3代目「マツダ・デミオ」は、これまで以上に“グローバル”を意識して開発された5ドアハッチである。初代では「国内:輸出=8:2」、2代目で「6:4」ほどだった比率を、ニューモデルでは「3:7」に逆転したいとマツダは目論む。輸出名は、従来と同じ「マツダ2」。
輸出先は、まずはヨーロッパがメインとなる。そのため、最新デミオは彼の地で受けいられやすいスタイリングが採られ、燃費に直結する軽量化に注力された。ボディの肥大化は避けられ、2490mmのホイールベースは先代そのままに、55mm低く、40mm短いボディが載せられた。車幅は、15mm広い1695mm。
初代の、実用車然とした四角く背の高い、それがひとつの魅力となっていたスタイルは、最近のマツダ車らしい、フェンダー部を強調した筋肉質な、Zoom-Zoomにスポーティなものとなった。クルマのコンセプトに沿っていえば、“欧州コンパクトのような”カタチになった。

2007年7月5日、国内向けに発売されたデミオは、1.3リッター(5MT/4AT/CVT)、1.5リッター(5MT/CVT)に大別される。FFを基本に、前者には後輪駆動用のモーターを備えた「e-4WD」も用意される。
もっともベーシックな「13C」が120万円、「15C」が136万円、専用チューンドサスペンションを得た「SPORT」が158万円と、「トヨタ・ヴィッツ」「日産マーチ」より微妙に安い。

ボディカラーは、全11種類。「日産マーチ」のような華やかな目新しい色がないのがちょっと寂しいが、イメージカラーのグリーンメタリックは、凝縮感あるニューデミオをよく引き立てる。
インテリアは、「モダンブラック」と白地に黒いパイピングが施された「カームホワイト」、最上級モデルSPORTには専用の「スポーティブラック」が設定された。

カームホワイトの内装
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モダンブラックの内装
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マッチングのいいCVT

プレス試乗会は神奈川県横浜で開かれた。

最初に乗ったのは、最も活発な「SPORT」。6灯のヘッドランプ、フォグランプを埋めたエアロバンパー、サイドスカート、ルーフエンドスポイラー、そして16インチホイールが“SPORT”を演出する。
これまた専用のブラックシートは、意外ややんわりと柔らかい。幸せなオシリ。黒地のメーターもSPORT専用となる。

より実質的な装備としては、革巻きステアリングホイールにシフト用のボタンが設置された。SPORTのCVTだけに、擬似的に7段にギアを切ったマニュアルモードが奢られるから。ただし、シフトゲートはほかのモデルと変わらないストレートタイプだから、ギアチャンジはステアリングホイールのボタンでのみ行うことになる。

1.5リッター直4MZRユニットは、吸気側の可変バルブタイミング機構「S-VT」と吸気可変マニフォルドを搭載、113ps/6000rpmの最高出力と14.3kgm/4000rpmの最大トルクを発生する。普通乗用車としてはマツダ初となるCVTとの組み合わせにも無理がなく、デミオSPORTは、自然に、スムーズに、必要とあらば力強く港街を走る。

停止状態から意地悪くアクセルペダルをベタ踏みすれば、先にエンジン音が高まって後から速度がついてくる“CVTらしさ”が観察されるが、普通にドライブしている限り、オートマチックと選ぶところがない。クリープもすれば、坂道発進でブレーキペダルから足を離したとたんバックし、ドライバーをドキッとさせるようなこともない。

SPORTの専用内装「スポーティブラック」
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(写真=峰昌宏)
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まんま欧州コンパクト

デミオSPORTの乗り心地は、硬い。

SPORTの足まわりのチューンは、ダンパー、スプリングに加え、リアトーションビームのビームそのものの厚さも変えるという本格的なもの。14インチがメインとなるノーマルデミオと比較して、16インチが与えられ、ブレーキローターも大径化される。
……といったスペックの羅列からは、よほどハードな運転感覚を想像されるかもしれないが、さにあらず。「195/45R16」というスポーティなサイズのタイヤを履くこともあって、もちろん“安楽”ではないけれど、−−ニューデミオのスタイリッシュなデザインに惹かれて、たとえば先代「トヨタ・ヴィッツ」や「日産マーチ」のベーシックモデルから乗りかえるとちょっと驚くかもしれないが−−、硬いとはいえ、“締まった乗り心地”といっていいと思う。

再びニューデミオの開発コンセプトに沿っていえば“まんま欧州コンパクトな”フィーリング……。当たり前である。デミオSPORTのサスペンションは欧州輸出仕様と同じだから。つまり日常の使用から逸脱したハードさでは、はなからない。

なお、SPORTには、相対的に強化されたアシに合わせ、フロントの左右ダンパー取り付け部を結んだ補強材が入られる。車重は1020kg。カタログ燃費は19.2km/リッターが謳われる。(後編へつづく)

(文=webCGアオキ/写真=峰昌宏、マツダ)


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(写真=峰昌宏)
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青木 禎之

青木 禎之

15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。

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