一新の「フォード・モンデオ」、ドイツではこう見る!
2007.07.10 自動車ニュース一新の「フォード・モンデオ」、ドイツではこう見る!
2007年6月16日、ドイツ国内でフォードの新型「Mondeo(モンデオ)」が発売された。
フォードのドイツ進出は、1920年代。「モンデオ」は、ドイツのケルン市を本拠地とするヨーロッパ・フォードが開発し、ベルギーのゲンク工場で生産される。ドイツの消費者にとっては、国産車みたいなものだ。
さて、その最新型。今後の見通しのほどは……?
■立ちはだかる、VWパサートの壁
ドイツにおける主流ミディアムクラスの特徴は、ワゴンとディーゼルエンジンだ。
このクラスでリードしているのは「フォルクスワーゲン・パサート」で、6代目となる現行モデルはワゴンが約7割を占める。派手さはないが、決して地味でもない「パサート」は、幅広い層にアピールできる。
本来「パサート」の競争相手は、かつて日本に導入されていた「オペル・ベクトラ」なのだが、2002年発売の現行型ベクトラは、すっかり時代遅れ。「パサート」に競争できなくなってきた。新車登録台数は「パサート」の2割にまでダウンした。これは、先代の「フォード・モンデオ」と同じレベルだ。
振り返れば、初代モンデオは、1993年にフォードの世界戦略車として発売された(日本では1994年発売)。1台のクルマで全世界にアピールしようという戦略なのだが、その企てとは裏腹に「印象の薄いクルマを生み出し失敗に終わった」と見られる。技術的な問題点は特に指摘されなかったにもかかわらず、初代は、1980年代の前身「シエラ」の成功をヨーロッパ市場で繰り返せなかった。
2000年には、2代目が発売。装備も良く、エンジンの選択肢も幅広く、値段設定が競争車より微妙に低い、文句なしのクルマだった。にもかかわらず、結果は「売れた」とまでは言い難い。
そこに登場した新型「フォード・モンデオ」。はたして、フォルクスワーゲン・パサートに近づけるだろうか。
■3代目は「イケそうな予感」
今回デビューした3代目モンデオは、もはやワールドカーの旗は揚げていない。
欧州向けに限って「パサート」らに対抗しようとしているようだ。ボディ形状は、セダン、ハッチバック、ワゴンが揃っており(「パサート」はセダンとワゴンのみ)、ミニバン「S-MAX」(「C-MAX」よりひとまわり大きい。日本未導入)から続く、“脱無個性”なエクステリアデザインをしている。
エンジンは7種類。ガソリンが1.6リッター直4から、(フォード傘下の)ボルボが供給する2.5リッター直5ターボまで。加えて、ターボディーゼルは1.8リッターと2リッターまで3種類をラインナップする。
ライバルの「パサート」は、V6の高出力エンジンもあるが、それ以外はほぼ同じだ。
ドイツ自動車誌の「モンデオ」に対する評価は概ね良いもので、庶民的な「アウトビルト」誌では「モンデオは僅差ながらパサートを破った!」と評した。
新型「モンデオ」、3度目の正直に期待したいところである。
(文=廣川あゆみ/写真=フォード、フォルクスワーゲン)
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