クルマ好きなら毎日みてる webCG 新車情報・新型情報・カーグラフィック
【スペック】LS600h “versionU・I package”:全長×全幅×全高=5030×1875×1475mm/ホイールベース=2970mm/車重=2320kg/駆動方式=4WD/5リッターV8DOHC32バルブ(394ps/6400rpm、53.0kgm/4000rpm)、交流同期電動機(224ps、30.6kgm)/価格=1220万円(テスト車=1392万5150円)

レクサスLS600h(4WD/CVT)/LS600hL(4WD/CVT)【短評(前編)】

トヨタへの期待(前編) 2007.06.16 試乗記 生方 聡 レクサスLS600h“versionU・I package”(4WD/CVT)/LS600hL“後席セパレートシートpackage”(4WD/CVT)
……1392万5150円/1510万円

トヨタが世界に誇るハイブリッドシステムを搭載した、レクサス最上級モデル「LS600h」。満を期して登場したフラッグシップモデルに試乗。その実力とは。
【webCG】クルマを高く手軽に売りたいですか? 車一括査定サービスのおすすめランキングを紹介!

エディターにお願い

「うわっ!」

思わず声が出た。注目のレクサス最上級モデル、LS600h/LS600hLの記念すべき最初の試乗は、『webCG』アオキエディターの運転により、ロングバージョンLS600hL“後席セパレートシートpackage”のオットマン付リヤシートで過ごす30分だった。後席のセンターコンソールとにらめっこしながら、シートポジションを調節していたら、何の前触れもなく、音もなく、クルマがスッと発進したものだから、私はマジで驚いてしまった。次からは一声かけてね、エディター!

それにしても、2.3トン強のロングホイールベースボディを力強く滑らかに発進させるとは、恐るべき心臓の持ち主だ。

LS600h/LS600hLは、いまさら説明する必要などないと思うが、レクサスLSの最上級グレード、すなわちレクサスのフラッグシップモデルとなる重要なクルマ。トヨタが世界に誇るハイブリッドシステムを搭載することから、モデル名には“h”の文字が入っている。数字の“600”が6リッターエンジンなみの動力性能を表しているのも、みなさんきっとご存知だろう。

自動車ジャーナリストの生方聡
自動車ジャーナリストの生方聡 拡大
【テスト車LS600h “versionU・I package”のオプション装備】
プリクラッシュセーフティシステム+後方プリクラッシュセーフティシステム+レーダークルーズコントロール=78万7500円/インテリジェントパーキングアシスト=11万9700円/クリアランスソナー=7万7700円/パワートランクリッド=5万7750円/酸素濃度コンディショナー=5万2500円/“マークレビンソン”リファレンスサラウンドサウンドシステム+リアシートエンターテイメントシステム=54万6000円/セキュリティカメラ(G-Link専用)G-Security(リモートイモビライザー・リモート操作)=8万4000円
【テスト車LS600h “versionU・I package”のオプション装備】
プリクラッシュセーフティシステム+後方プリクラッシュセーフティシステム+レーダークルーズコントロール=78万7500円/インテリジェントパーキングアシスト=11万9700円/クリアランスソナー=7万7700円/パワートランクリッド=5万7750円/酸素濃度コンディショナー=5万2500円/“マークレビンソン”リファレンスサラウンドサウンドシステム+リアシートエンターテイメントシステム=54万6000円/セキュリティカメラ(G-Link専用)G-Security(リモートイモビライザー・リモート操作)=8万4000円 拡大
レクサス LS の中古車webCG中古車検索

燃費も恐るべし

カタログを見ると、5リッターV8とモーターで構成されるLS600h/LS600hLのハイブリッドシステムは、445psの最高出力を持つと記されている。これは偶然にも「BMW760Li」の6リッターV12と同じ数字であり、「アウディA8 6.0クワトロ」のW12にわずか5ps及ばないという実力である。
にもかかわらず、10・15モード燃費はLS600h/LS600hLともに12.2km/リッターで、760Liの5.4km/リッター、A8 6.0クワトロの6.1km/リッターに大きく水をあけるのだから、環境問題に敏感なVIPなら興味を持たずにはいられないはずだ。

そんな期待のモデルが2007年5月17日に日本デビューを果たした。ラインアップはLS600hとそのロングホイールベース版のLS600hLで、パッケージオプション装着車を含めると、970万円から1510万円まで8つの選択肢が用意される。ちなみに、私が最初に乗ったLS600hL“後席セパレートシートpackage”は、後席の定員が通常より一人少ないVIP御用達の最上級モデルである。

このLS600hLに限らず、どのモデルにも、ハイブリッド車であることをアピールする特徴がいくつかあって、車名を表すバッジに加えて、フロントやリヤのレクサスエンブレムやサイドの「HYBRID」の文字、さらにリヤコンビネーションランプや専用デザインのヘッドランプなどには、ブルーがあしらわれている。見る人が見ればわかるという違いだが、オーナーの心をくすぐるにはこれくらいのほうが効果的なのかもしれない。


レクサスLS600h(4WD/CVT)/LS600hL(4WD/CVT)【短評(前編)】の画像 拡大

レクサスLS600h(4WD/CVT)/LS600hL(4WD/CVT)【短評(前編)】の画像 拡大
LS600h “versionS・I package”
LS600h “versionS・I package”
拡大

6リッターなみの実力は本当だった

VIP気取りの後席インプレッションは後ほどまた改めてということにして、まずは“いつもの場所”からのレポートといこう。試乗したのは、標準ホールベースのLS600hのなかで最も豪華な仕様の“versionU・I package”だ。

パワースイッチを押してハイブリッドシステムを起動し、いつもと変わらぬゲート型のシフトパターンをなぞりながらシフトレバーをDのポジションへ。ブレーキからアクセルペダルへ右足を踏み換えると、エンジンの回転計はゼロを示したままだが、クルマはモーターの力で静かに発進する。そしてスピードが上がっていくと、いつのまにか回転計の針がゼロの位置を離れ、エンジンが動き出したことがわかる。しかし、聞こえてくるのはロードノイズとエアコンの風の音くらい。キャビンは静かなままである。

街なかを流すくらいなら、エンジンの回転数は1000rpmを少し上回る程度。ここで、アクセルペダルを軽く踏んでやると、間髪入れずにスッと加速。このとき、エンジンは素早く回転を上げるが、2000rpmを超えることはほとんどない。

もう少しアクセルペダルを踏み込むと、LS600hは勢いよく加速を始める。そのスムーズさと力強さは“6リッターなみ”の謳い文句どおりである。(後編につづく)

(文=生方聡/写真=高橋信宏)


レクサスLS600h(4WD/CVT)/LS600hL(4WD/CVT)【短評(前編)】の画像 拡大
【スペック】LS600h “versionS・I package”:全長×全幅×全高=5030×1875×1475mm/ホイールベース=2970mm/車重=2250kg/駆動方式=4WD/5リッターV8DOHC32バルブ(394ps/6400rpm、53.0kgm/4000rpm)、交流同期電動機(224ps、30.6kgm)/価格=1110万円(テスト車=1267万8150円/プリクラッシュセーフティシステム+後方プリクラッシュセーフティシステム+レーダークルーズコントロール=88万2000円/ムーンルーフ=9万4500円/インテリジェントパーキングアシスト=11万9700円/クリアランスソナー=7万7700円/パワートランクリッド=5万7750円/“マークレビンソン”リファレンスサラウンドサウンドシステム=35万7000円/セキュリティカメラ(G-Link専用)G-Security(リモートイモビライザー・リモート操作)=8万4000円)
【スペック】LS600h “versionS・I package”:全長×全幅×全高=5030×1875×1475mm/ホイールベース=2970mm/車重=2250kg/駆動方式=4WD/5リッターV8DOHC32バルブ(394ps/6400rpm、53.0kgm/4000rpm)、交流同期電動機(224ps、30.6kgm)/価格=1110万円(テスト車=1267万8150円/プリクラッシュセーフティシステム+後方プリクラッシュセーフティシステム+レーダークルーズコントロール=88万2000円/ムーンルーフ=9万4500円/インテリジェントパーキングアシスト=11万9700円/クリアランスソナー=7万7700円/パワートランクリッド=5万7750円/“マークレビンソン”リファレンスサラウンドサウンドシステム=35万7000円/セキュリティカメラ(G-Link専用)G-Security(リモートイモビライザー・リモート操作)=8万4000円) 拡大
生方 聡

生方 聡

モータージャーナリスト。1964年生まれ。大学卒業後、外資系IT企業に就職したが、クルマに携わる仕事に就く夢が諦めきれず、1992年から『CAR GRAPHIC』記者として、あたらしいキャリアをスタート。現在はフリーのライターとして試乗記やレースリポートなどを寄稿。愛車は「フォルクスワーゲンID.4」。

試乗記の新着記事
  • スズキ・エブリイJリミテッド(MR/CVT)【試乗記】 2025.10.18 「スズキ・エブリイ」にアウトドアテイストをグッと高めた特別仕様車「Jリミテッド」が登場。ボディーカラーとデカールで“フツーの軽バン”ではないことは伝わると思うが、果たしてその内部はどうなっているのだろうか。400km余りをドライブした印象をお届けする。
  • ホンダN-ONE e:L(FWD)【試乗記】 2025.10.17 「N-VAN e:」に続き登場したホンダのフル電動軽自動車「N-ONE e:」。ガソリン車の「N-ONE」をベースにしつつも電気自動車ならではのクリーンなイメージを強調した内外装や、ライバルをしのぐ295kmの一充電走行距離が特徴だ。その走りやいかに。
  • スバル・ソルテラET-HS プロトタイプ(4WD)/ソルテラET-SS プロトタイプ(FWD)【試乗記】 2025.10.15 スバルとトヨタの協業によって生まれた電気自動車「ソルテラ」と「bZ4X」が、デビューから3年を機に大幅改良。スバル版であるソルテラに試乗し、パワーにドライバビリティー、快適性……と、全方位的に進化したという走りを確かめた。
  • トヨタ・スープラRZ(FR/6MT)【試乗記】 2025.10.14 2019年の熱狂がつい先日のことのようだが、5代目「トヨタ・スープラ」が間もなく生産終了を迎える。寂しさはあるものの、最後の最後まできっちり改良の手を入れ、“完成形”に仕上げて送り出すのが今のトヨタらしいところだ。「RZ」の6段MTモデルを試す。
  • BMW R1300GS(6MT)/F900GS(6MT)【試乗記】 2025.10.13 BMWが擁するビッグオフローダー「R1300GS」と「F900GS」に、本領であるオフロードコースで試乗。豪快なジャンプを繰り返し、テールスライドで土ぼこりを巻き上げ、大型アドベンチャーバイクのパイオニアである、BMWの本気に感じ入った。
試乗記の記事をもっとみる
レクサス LS の中古車webCG中古車検索
関連キーワード
関連サービス(価格.com)
新着記事
新着記事をもっとみる
車買取・中古車査定 - 価格.com

メルマガでしか読めないコラムや更新情報、次週の予告などを受け取る。

ご登録いただいた情報は、メールマガジン配信のほか、『webCG』のサービス向上やプロモーション活動などに使い、その他の利用は行いません。

ご登録ありがとうございました。

webCGの最新記事の通知を受け取りませんか?

詳しくはこちら

表示されたお知らせの「許可」または「はい」ボタンを押してください。