「ボディのきしみ音について」
2001.07.10 クルマ生活Q&A ボディ「ボディのきしみ音について」
私の使用車は平成8年式ユーノスロードスターSスペシャルType2です。3万5000キロくらいから不整路面を通過したときなどに シートの後方からキュキュキュキュと金属がきしむような音がすることに気づきました。4万2000キロになったいまでは、その音が強くかつひんぱんに聞かれるようになりました。ディーラーでは、オープンボディゆえの剛性低下に伴う音で、ロールバー等の補強が対策になる、といわれました。しかし、ゴムブッシュ類に原因がある可能性や、それを取り替えることで解決する可能性もあるでしょうか。(宮崎市・MKさん)
お答えします。ボディのきしみ音についてはさまざまな理由があると思います。オープンボディ剛性低下に起因するきしみもあるでしょうし、お書きになっているように、ゴムブッシュの硬化も原因となりえます。クルマのきしみ音の原因を断定することは非常にむずかしいのですが、対策をいくつか示唆させていただくことは出来ます。
ボディ剛性の低下についてはどうしようもありません。ロールバーによって剛性を取り戻すことは出来ますが、今度はロールバーからきしみ音が出たりします。「Sスペシャル」は固めの足回りをもっているので、ボディの傷みがノーマルに比べれば早いのでしょう。
ゴムブッシュを換えるとそれなりに効果はあります。たとえばサスペンション・ストラットのアッパーマウントやスプリングの下についている音消しのためのマウントなどが原因として考えられます。しかしこの部分が原因と断定するのはたいへん難しいうえ、交換のための工賃もばかになりません。ボディについているプラスチック類も原因として考えられます。
とりあえずの対策としては、エンジンルームやトランクルームを開けて、サスペンションのアッパーマウントの部分に、潤滑性のあるシリコン油をスプレーするという手も考えられます。これはむかし、私がやっていた方法です。これによってきしみ音が多少低下したことがあります。

松本 英雄
自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。