アルファ・ロメオ・アルファ159 3.2 JTS Q4 Q-トロニック ディスティンクティブ(4WD/6AT)【ブリーフテスト】
アルファ・ロメオ・アルファ159 3.2 JTS Q4 Q-トロニック ディスティンクティブ(4WD/6AT) 2007.05.29 試乗記 ……605万2900円総合評価……★★★★★
6段オートマチック「Qトロニック」を搭載した右ハンドル仕様の「159」。3.2リッターV6エンジン+6AT、それにフルタイム4WDの相性は?
相性はいいけど
いかにセレスピードが面白かろうが、DSGの効率的な走りであろうが、やはり日本市場では普通のトルコン式オートマチックが代表権をもっているようで、ついにアルファもアイシン製6ATを使うことになった。
3.2リッターV6エンジンとのマッチングは上々で、1770kgのボディをスムーズに加速させる。テスト車のQ4はフルタイム4WDということもあって、スロットルのオン・オフに対してもスム−ズに対応する。こうなってしまうとまるで“俗化”したような気分で、アルファらしさが薄まってしまったようにも思う。
「156」から「159」になって、ブレラ顔はそれなりに綺麗にまとまってはいるものの、正統派過ぎて面白味が半減、個性的だったアルファ特有のアクの強さを懐かしく思う。
【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
アルファのミディアムクラスセダン「156」の後継モデルとして2006年2月11日に発売。まずは直噴2.2リッター直4エンジン(185ps、23.4kgm)+6段MTモデル「2.2 JTS」(左ハンドル)が導入され、6月に3.2リッターV6(260psと32.8kgm)+4WD搭載の上級グレード「3.2 JTS Q4」(6MT/左ハンドル)が発売された。
12月には2.2リッターモデルに、オートマチックモードの付いた2ペダル式MTの「セレスピード」仕様(左右両ハンドル)を追加。
そして、2007年3月、3.2リッターモデルに、新開発の6段オートマチック「Qトロニック」を搭載した「アルファ159 3.2 JTS Q4 Qトロニック ディスティンクティブ」が追加設定された。こちらは右ハンドルのみ。
(グレード概要)
テスト車は3.2リッターV6エンジン+4WD搭載の「3.2 JTS Q4」に6段オートマチック「Qトロニック」搭載した上級モデル。フレッチャ・ロードII仕様とヴィラ・デステII仕様があり、テスト車は後者。メモリー機能付きヒーテッド電動ドアミラー、ホールスタイリング18インチアロイホイールなどが標準装備される。
拡大
|
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★★★
メーターの1つ1つに至るまで緻密な仕上げがしてありながら、全体で見るとスッキリ厭味なくまとめた手腕はさすが。ただの4ドアセダンを装うも、期待に違わぬ仕上がり。強調しなくとも、アルファのもつスポーツ心を自然に滲ませる。このさり気なさこそイタリア人の天性か。ドライビングや振る舞いに、それなりの気を遣わせられる雰囲気が漂う。
(前席)……★★★★★
シートはサイズ、形状、座り心地、ホールド性、調整機構など不満なし。縦方向のステッチはイタリア車伝統のソレだが、横方向のGに対してサポートを助け、革装の表皮にありがちな滑りを防ぎ、通気性も確保する。横方向に余裕がありすぎるようにも見えるが、座るとタイトにホールドしてくれる柔らかさもある。ブレーキペダルはど真ん中にあって左右どちらの足でも踏みやすい。
(後席)……★★★★★
適度な座面後傾角はもちろんのこと前端部の盛り上がりもあって腰が前にずれるのを防ぐ。背面は肩までしっかりホールドしてくれ安心して身を委ねられる。ここでも縦方向ステッチは横Gに対抗してくれる。ヘッドクリアランスも十分。広大なスペース感覚はないもののセンタートンネルもさほど邪魔にはならず狭苦しい感じはしない。
(荷室)……★★★
リアにデフを持つ車にしてはトランク・フロアもさほど高くはなく天地方向にも十分な余裕がある。リアシート背面の中央にはスキーなど長尺物を飲み込むスペースも作りだせる。フロアは平らでその下にはテンパーのスペアタイアが納まる。開口部もバンパー高からでリッドは大きく開く。バンパー・パネルを傷めないように樹脂のトリムも備わる。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★★
ご存じV6ツインカム・エンジンはアルファ自製でJTSとなったが、遮音性を向上させた結果イイ音は室内まで届かなくなってしまった。もちろんスムーズでパワフル。今回アイシン6ATを得て日本の交通事情にも完璧に対応するようになった。加速に対する感動がなくなってしまったようで俗化した気分。重箱の隅をつつけば下3速のギア比はもっとクロースさせた方がアルファらしい。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★★
フルタイム4WD+6ATの走行性は洗練の極み。とてもスムーズで安定しており、もちろん速い。砂利が浮いたような低ミューの舗装路面であっても、ホイール・スピンしたりしない。ラフなスロットルを与えてもスッと発進する。バネ系の反発感よりダンパーの減衰力が支配的なアシの動きはアルファ伝統のもの。前後の外輪が同時にスッと沈んでロールするアルファ流ロールも角度を少なくして健在。
(写真=菊池貴之)
【テストデータ】
報告者:笹目二朗
テスト日:2007年4月23日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2007年型
テスト車の走行距離:2269km
タイヤ:(前)235/45R18(後)同じ(いずれも、ブリヂストン POTENZA RE050A)
オプション装備:メタリックペイント(7万3500円)/フロアマット(2万9400円)
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(0):高速道路(6):山岳路(4)
テスト距離:230.9km
使用燃料:29.84リッター
参考燃費:7.7km/リッター

笹目 二朗
-
トヨタGRヤリスRZ“ハイパフォーマンス”+エアロパフォーマンスパッケージ【試乗記】 2026.3.3 「GRヤリス」の新仕様として設定された「エアロパフォーマンスパッケージ」装着車に試乗。レースフィールドでの知見を交え開発したというエアロパーツの空力・冷却性能は、リアルワールドでも体感可能なのか。高速道路を経由し、郊外のワインディングロードを目指した。
-
ドゥカティ・モンスター(6MT)【海外試乗記】 2026.3.2 ドゥカティのネイキッドスポーツ「モンスター」が5代目にモデルチェンジ。無駄をそぎ、必要なものを突き詰めてきた歴代モデルの哲学は、この新型にも受け継がれているのか? 「パニガーレV2」ゆずりのエンジンで175kgの車体を走らせる、ピュアな一台の魅力に触れた。
-
フォルクスワーゲンID.4プロ(RWD)【試乗記】 2026.2.28 フォルクスワーゲンのミッドサイズ電気自動車(BEV)「ID.4」の一部仕様変更モデルが上陸。初期導入モデルのオーナーでもあるリポーターは、その改良メニューをマイナーチェンジに匹敵するほどの内容と評価する。果たしてアップデートされた走りやいかに。
-
スズキ・キャリイKX(4WD/5MT)【試乗記】 2026.2.27 今日も日本の津々浦々で活躍する軽トラック「スズキ・キャリイ」。私たちにとって、最も身近な“働くクルマ”は、実際にはどれほどの実力を秘めているのか? タフが身上の5段MT+4WD仕様を借り出し、そのパフォーマンスを解き放ってみた。
-
ホンダCR-V e:HEV RSブラックエディション(4WD)【試乗記】 2026.2.26 日本で久々の復活を遂げた「ホンダCR-V」の新型に、北海道のテストコースで試乗。雪上・氷上での“ひとクラス上”の振る舞いに感嘆しつつも、筆者がドン! と太鼓判を押せなかった理由とは? デビューから30年をむかえたCR-Vの、実力と課題を報告する。
-
NEW
BYDシーライオン7 AWD(4WD)
2026.3.5JAIA輸入車試乗会2026堂々たるスタイルにライバルの上をいくパワーと一充電走行距離、そしてざっくり2割はお得なプライスを武器とする電気自動車「BYDシーライオン7」。日本市場への上陸から1年がたち、少しずつ存在感が増してきた電動クーペSUVの走りやいかに。 -
NEW
ついにハードウエアの更新も実現 進化した「スバルアップグレードサービス」の特徴を探る
2026.3.5デイリーコラムスバルが車両の機能や性能の向上を目的とした「スバルアップグレードサービス」の第3弾を開始する。初めてハードウエアの更新も組み込まれた最新サービスの特徴や内容を、スバル車に乗る玉川ニコがオーナー目線で解説する。 -
NEW
第951回:日本が誇る名車を再解釈 「ホンダNSXトリビュートby Italdesign」の開発担当者に聞く
2026.3.5マッキナ あらモーダ!2026年の「東京オートサロン」で来場者の目をくぎ付けにした「ホンダNSXトリビュートby Italdesign」。イタルデザインの手になる「ホンダNSX」の“再解釈”モデルは、いかにして誕生したのか? イタリア在住の大矢アキオが、開発関係者の熱い思いを聞いた。 -
メルセデス・マイバッハSL680モノグラムシリーズ(4WD/9AT)【試乗記】
2026.3.4試乗記メルセデス・マイバッハから「SL680モノグラムシリーズ」が登場。ただでさえ目立つワイド&ローなボディーに、マイバッハならではのあしらいをたっぷりと加えたオープントップモデルだ。身も心もとろける「マイバッハ」モードの乗り味をリポートする。 -
始まりはジウジアーロデザイン、終着点は広島ベンツ? 二転三転した日本版「ルーチェ」の道のり
2026.3.4デイリーコラムフェラーリ初の電気自動車が「ルーチェ」と名乗ることが発表された。それはそれで楽しみな新型車だが、日本のファンにとってルーチェといえばマツダに決まっている。デザインが二転三転した孤高のフラッグシップモデルのストーリーをお届けする。 -
第863回:3モーター式4WDの実力やいかに!? 「ランボルギーニ・テメラリオ」で雪道を目指す
2026.3.3エディターから一言電動化に向けて大きく舵を切ったランボルギーニは、「ウラカン」の後継たる「テメラリオ」をプラグインハイブリッド車としてリリースした。前に2基、リアに1基のモーターを積む4WDシステムの実力を試すべく、北の大地へと向かったのだが……。





























