第322回:緊急直撃“オロチを買った男”!(購入編)
フェラーリより全然いいですっ!?
2007.05.21
小沢コージの勢いまかせ!
第322回:緊急直撃“オロチを買った男”!(購入編)フェラーリより全然いいですっ!?
ファーストオロチは36歳男性の手に
ってなわけで一部知ってる人もいるとは思うけど、2007年4月23日、ミツオカ初のスーパーカー、っていうか日本初の“超個人的スーパーカー”である「ミツオカ・オロチ」の納車式がありましたっ! 創造主であるカリスマクルマバカ、光岡進会長を知る俺としてはただただ感動であります。いんやー、本当に発売されちゃうとは。しんじらんねー。
ただね。昨年詳細が発表された時、400台限定でお値段1050万円!!(消費税込み)と聞いて「ホンマに売れるんかいな〜」と思ったのも事実。オリジナルシャシーとはいえ、エンジンは「トヨタ・ハリアー」用の3.3リッターV6で233ps。正直、スーパーハイスペックとはいいがたい。
しかしすごい人はいるもんですでに受注50台で、先日、冒頭の1回目納車式が行われたわけだけど、果たしてどういう人がナニを考えて買っているのか? 不肖小沢! みなさまに代わり直撃してまいりましたっ。
訪ねたのは36歳という若さの最年少ファーストオロチ購入者、鈴木康成さん。正確にいやぁ3号車なんだけど、最初の4台はみんな1号車みたいなもんよ! いったいどんなにスケールのデカい男なんでしょーか。ちなみに取材会場はうちの近所の目黒のファミレスです(笑)。
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モーターショーで見て、1ヵ月後に「買います」
小沢: 買って1ヵ月。どうですか、オロチ?
鈴木: 目立ちますねぇ(笑)。「フェラーリF430」も考えてたんですけど、やっぱりオロチにしてよかったなぁって思ってます。
小沢: なんでオロチなんですか?
鈴木: 妖しいものが好きなんですよ、元々(笑)。それから基本的にはスポーツカーが好きで、最初はZ31型「フェアレディZ」のTバールーフを持ってました。その後も中古をいくつか。
小沢: でも、Zですよね。オロチ買う時って悩みませんでした?
鈴木: 全然。僕ってそういうことを気にしない性格なんですよ。欲しいものは即決。キャンピングカー系も好きで、「ステップワゴン」にリーゼントの頭みたいな部屋が付いたキャンピングカーも持ってるんですけど、これもRVショーで実車を見ないで、値段も決まってないのに買いました。オロチも最初に2005年のモーターショーで見て、1ヵ月もたたずに光岡の東京本社に「買いたいんですけど」って名刺渡してきたくらい。値段も発売時期もわからないし、クルマもショー会場で遠くから見ただけだったんですけどね(笑)。
小沢: すげぇ決断力。あと金に余裕ありますね。
鈴木: お金の問題というより、新しくなった時が欲しいんです。ようするに1号車(笑)。実はオロチが出る前、フェラーリF430が出るって聞いたとき時、コーンズの知り合いに聞いたんですけど「1年以上待つよ」って言われてあきらめたくらいで。
小沢: ホントにフェラーリと比べて買ったんですね。
鈴木: そうです。ただ、フェラーリに関していえば、イタリア製ってところで考えました。イタリアンのジレラのバイクを持ってるんですが、コイツが新車で買ったのにすぐゴムがダメになっちゃうし、真夏にオーバーホールでコンピュータがイカれちゃったりとトラブル続きで。イタリア物はやめたほうがいいかなぁとも思ってましたけど。
小沢: その点は大丈夫だと思いますよ、たぶん……。
性能も侮れない!
小沢: しかし“妖しい”っていえばフェラーリよりランボルギーニじゃないかなぁ。ガヤルドとかムルシエラゴとか。
鈴木: ランボルギーニ、確かに妖しいですよね(笑)。でも、フェラーリのほうが安そうだし、せいぜい持ってて10年ぐらいだろうし、売る時を考えたらフェラーリだろうなって思ったんです。
小沢: そんなこといったら……オロチなんてこの先はわかんないですよ。隣に光岡の片岡さん(オロチ販売主任)がいるから大きな声では言えませんけど(笑)。
片岡: (苦笑)。
鈴木: オロチはいいんですよ、好きで買ったから。値段も関係ないし、性能も関係ない。値落ちも全く気になりません。今となっては乗れる限りは持ってようかなと。
小沢: なんだそうか。やっぱりフェラーリとは全く違う認識なんですね。っていうか、オロチに並ぶスーパーカーなんて世界でもほとんどないですから。あの“志”を買うようなクルマですからね。「買えるだけで丸儲け」みたいな……。
鈴木: 10年たってもまだ目立てそうじゃないですか。
小沢: いえてる。ところで買ってみて、予想外だった部分ってあります?
鈴木: 速い! 思ってたより相当速いですね。233psの3.3リッターV6なんで期待してなかったし、速さには元々興味のないほうですけど、オロチちゃんは意外と速い。感覚としては100km/hを超えてもグイグイいっちゃいそうです。サイドシルが高くて乗り降りしにくいのは、悪いほうで予想外でしたね。
小沢: 乗り降りはともかく、軽いんじゃないですか。基本的に国産車の性能って今は凄いですからね。
鈴木: そうなんですよね。ツインターボの中古のZ32に乗ってた時もフェラーリ360モデナに負けませんでしたから。
小沢: あとは?
鈴木: メチャクチャいっぱい写真撮られますよ。「やったー!」って感じ(笑)。六本木ヒルズとか行ったら凄いです。たまに恥ずかしくなりますけどね。
小沢: フェラーリより凄いでしょう。
鈴木: とあるスポーツカーの集まりに行ったら、ポルシェとかフェラーリとかNSXもあったんですけど、オロチの前に人だかりができてましたね。
小沢: やっぱり(笑)。
(続く)
(文と写真=小沢コージ)
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小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
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