ジープ・ラングラー/ラングラー アンリミテッド【試乗記(前編)】
身近になったJeep(前編) 2007.03.16 試乗記 ジープ・ラングラー/ラングラー アンリミテッド「ジープ・ラングラー」が10年ぶりにフルモデルチェンを受け、2007年3月16日発売された。新たに4ドアモデルが追加された新型に試乗。まずはその変更内容から。
ジープといえば……
「チェロキー」「グランドチェロキー」「コマンダー」、そして今年は小型SUV「パトリオット」をラインアップに迎え、クロスカントリーカテゴリーでさらに勢いを増すジープ。しかし、ジープといえば、1941年に登場したオリジナル・ジープの直系である「ジープ・ラングラー」を、誰もが思い浮かべるはずだ。そんなジープを代表するモデルがフルチェンジし、日本上陸を果たした。
“JK”と呼ばれる最新型は、先代の“TJ”から受け継いだパーツが「エンジンフードラッチ」などごくわずかであるにもかかわらず、ひと目でジープ(ラングラー)とわかるスタイルを特徴としている。
たとえば、丸型ヘッドライトと7本の縦型スロットグリルで形づくられるフロントマスクや、台形のホイールハウス、ドアの外側に露出したヒンジ、リアに背負うスペアタイヤ、折り畳み式のフロントウィンドウ、取り外し可能なドアなど、いちいち挙げていたらキリがないほど。
また、4輪独立懸架が常識のいまでも、頑なに前後リジットアクスルを守り抜くのも伝統のひとつだ。
フルモデルチェンジの目玉は
一方、新型を目の前にして気づくのがサイズのアップ。
大きくなったなぁと思ったら、全長は270mm(!)も拡大して4185mmに達し、これにともないホイールベースも50mm延びている。従来型のオーナーから、後席や荷室スペースが狭いとの指摘が多く、その声に応えたということで、あわせて全幅も140mm広い1880mmになり、ボリューム感が増す結果となった。
実際、後席に座ってみると、広々とまではいかないものの、大人が無理なく座れるスペースが確保されていた。とくに、レッグスペースが拡大されており、窮屈だった旧型に比べると大きな進化である。
それでも、決して余裕があるとはいえないため、さらに広いスペースを求める人には、今回のフルモデルチェンジの目玉ともいうべき、4ドアモデルが用意されている。
「ラングラーアンリミテッド」という名のニューフェイスは、オリジナル・ジープ系としては初めての4ドア仕様で、Bピラーまでのデザインは2ドアのラングラーと同じであるが、ホイールベースがさらに520mm延長され、そのぶん全長も拡大。
おかげで、後席のレッグスペースには余裕が生まれ、荷室も2ドア・ラングラーの倍以上の奥行きが確保されるようになり、ファミリーでドライブやキャンプに出かけたいという人にはうれしい選択肢になるはずだ。乗車定員もラングラーの4名に対して、ラングラーアンリミテッドは5人に増えた。
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エンジンは3.8リッターV6に
新型ラングラーおよびラングラーアンリミテッドに用意されるエンジンは1種類。従来の4リッター直列6気筒OHVに替えて、新型では3.8リッターV6OHVを採用している。
排気量はダウンしたものの、最高出力で24ps、最大トルクで2.5kgmアップの199ps/5000rpm、32.1kgm/4000rpmをマーク。これに、4段オートマチックまたは6段マニュアルが組み合わされる。
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日本でのラインアップは、ラングラーが、ベーシックな仕様でソフトトップを備える「スポーツ」、脱着可能な3ピースのハードトップを持つ「サハラ」、オフロード性能を向上させた「ルビコン」の3タイプ。このうち、ルビコンだけが6MTを搭載する。
一方、ラングラーアンリミテッドには「スポーツ」と「サハラ」が用意され、どちらも3ピースのハードトップを備えるが、サハラは装備充実グレードということで、HDDナビなどが標準装着になっている。(後編につづく)
(文=生方聡/写真=ダイムラー・クライスラー日本)

生方 聡
モータージャーナリスト。1964年生まれ。大学卒業後、外資系IT企業に就職したが、クルマに携わる仕事に就く夢が諦めきれず、1992年から『CAR GRAPHIC』記者として、あたらしいキャリアをスタート。現在はフリーのライターとして試乗記やレースリポートなどを寄稿。愛車は「フォルクスワーゲンID.4」。
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