BMW 335iクーペ (FR/6AT) 【ブリーフテスト(中編)】
BMW 335iクーペ (FR/6AT) (中編) 2006.12.15 試乗記 759万3000円 総合評価……★★★ 7年ぶりにフルモデルチェンジを果たした「BMW3シリーズ・クーペ」。車内に乗って、クーペならではの装備を試す。使い勝手はどうなのか。【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★★★
全体の造形は3シリーズ・セダン/ツーリングを踏襲しているが、ステアリングのスポーク部分や空調調整ノブにクロームの装飾が入れられるなど、ちょっとだけ格上の雰囲気も感じさせる。現行3シリーズのオーナーであれば、ウィンドスクリーンの天地の狭さにクーペを実感するだろう。
クーペに特徴的な装備としては、電動シートベルトハンドオーバーが挙げられる。クルマに乗り込みドアを閉めると、後方からアームが伸びてシートベルトを肩口まで押し出し装着を助けてくれる。しかし、特に若いオーナーにとっては、おせっかいとも感じられるかもしれない。
一方、残念なのは、ヨーロッパ仕様、あるいはセダン/ツーリングの「335i Mスポーツ」には装備されるATのステアリングシフトパドルが未設定なこと。これはクーペだからこそ欲しい装備ではないだろうか。
BMW自慢の「iDrive」は標準装備。横型ワイド8インチのモニターは、通常のワイドな地図画面に加えてさらにドライブコンピューターなどのデータを一緒に表示できるため、非常に見やすい。iDriveに関しては、まだ一部に使い勝手について云々する向きもあるようだが、とっつきの良さは今ひとつでも毎日あるいは毎週末乗るオーナーならすぐに慣れられるだけのロジカルな使い勝手を実現しているということは強調しておきたい。肝心なのは初見でスイッチを直接見ながらたどたどしく操作して使いやすいかではなく、慣れた後の普段使いでブラインドタッチして本当に使いやすいかである。
(前席)……★★★★★
標準装備のスポーツシートは、BMWらしく上々のサポート性を誇る。と言っても着座感はレーシングバケットシートのようなものとは異なる。そのサポート性は、柔らかなクッションの周囲の要所要所を硬めにして身体を包み込むように支えることで実現しているもの。路面からの衝撃をしなやかに受け止める一方、横Gに対しては身体をブレさせずにしっかり固定してくれる。よってサーキット走行でも不満は出ないし、長距離ドライブでも快適。素晴らしい出来映えである。
ただし、身長177cmの筆者は不満はないのだが、前後に長い座面長は小柄なドライバーには着座姿勢の決めにくさに繋がっているようだ。調整シロはあるのだが、できればもう少し、というところか。
(後席)……★★★★
センターコンソールを装備することで、後席は左右分割の2名乗車とされている。クーペとはいえ、ホイールベースが2670mmもあるだけに足元は余裕。頭上スペースにも不満はなく、着座位置こそ低めではあるものの、大人2名がそれなりに快適に過ごすことができそうだ。しかし、そのぶんサイドビューはいかにも間延びした感じになってまっている。そうまでして、クーペでここまでの後席の広さを確保しなければいけないのだろうか。乗員の横移動を不可能にするセンターコンソールの採用も疑問。2名が降りる際には、左右のドアを大きく開けなければいけないのは、ちょっと不便では?
(荷室)……★★★★
430リッターというラゲッジスペース容量は余裕たっぷり。それこそ大人4名での旅行にも十分応えてくれることだろう。また、後席バックレストは6:4の分割可倒式とされているため、大きな荷物を積むのも容易。さらにバックレスト中央部分にはスキーバッグも装着できる。どうせセンターコンソールがあって後席中央部分は人が座らないのだから、これは標準装備でもいいかもしれない。(後編へつづく)
(文=島下泰久/写真=荒川正幸)
・BMW 335iクーペ (FR/6AT) (前編)
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000018924.html
・BMW 335iクーペ (FR/6AT) (後編)
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000018925.html

島下 泰久
モータージャーナリスト。乗って、書いて、最近ではしゃべる機会も激増中。『間違いだらけのクルマ選び』(草思社)、『クルマの未来で日本はどう戦うのか?』(星海社)など著書多数。YouTubeチャンネル『RIDE NOW』主宰。所有(する不動)車は「ホンダ・ビート」「スバル・サンバー」など。
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