第238回:奇説!クルマはミソラーメンと同じ!?カーインプレッションはなぜつまらないのか?
2005.11.11 小沢コージの勢いまかせ!第238回:奇説!クルマはミソラーメンと同じ!?カーインプレッションはなぜつまらないのか?
|
■実はクルマは面白すぎる!?
えー、唐突ですが、ここで長年暖めてきた持論(奇説!?)を展開いたしましょう。
ここ数年、いや10数年、自動車専門誌が面白くないという話があります。特にインプレッションだよね。足がカタイだ柔らかいだ、エンジンがよく回るだ回んないだ、曰く「いまさらそんなこと言ってる時代じゃない!」と。「今はそんなんじゃ人はクルマを選ばない」「今のクルマはよくできててどれでもいいから興味がもてない」「クルマはもはや味わいの無い“シロモノ家電化”した」ってのがよくある公式見解。確かにそれは一理あり。言えてます。
でもね。ほかにも理由があると思うんだよね。それは「クルマが面白すぎる」ということ。クルマっていう商品は、実に偉大で本当に面白く、魅力がある。走って楽しく、見て美しく、持って価値あり、多人数で楽しく移動できる。こんな商品なかなかありません。ようするに、それに対して俺たちマスコミ側が甘んじちゃってるって面があるんと思うのよ。
同じような例として“ミソラーメン”ってのがあります。
とあるラーメンマンガで感動した話があるんだけど、それは「ミソが美味すぎる」という話。俺は勝手に納得したのだが、ミソラーメンは醤油や塩に比べ、当たり外れが少なく、平均的に美味い。逆をいえば、とびきり美味いミソラーメンというのは珍しく、理由は“ミソという調味料が本質的に美味すぎるから”というのだ。多少のスープや麺のデキ、不デキを “ミソ”という歴史の長い調味料が包み込んでしまい、平均化してしまう。それはミソという調味料の凄さ、力がゆえだと。なるほど。わかる気がしますな。
|
■花を開かせるためには
でね。クルマも全く同じだと思うのよ。つまり“クルマ=ミソ説”? いや、“インプレ=ミソラーメン説”かな!?クルマという商品が本質的に力があり、魅力的であるがゆえ、どんな原稿でも“それなりに”読ませてしまう。具体的には、クルマに関する素直な描写、詳細な報告、つまりテクニカル原稿で十分だということ。
実際さ。その商品が魅力的であればあるほど、それがどういう特性を持っていて、どういうデザインで、どういう質感、色なのかを語るだけで読者は満足させられちゃうじゃない。
逆に言うとクルマにまつわる原稿で、凝った原稿は求められず、エッセイなども少なく、同時に面白い原稿を書こうという努力もなされないと。そういう悪循環な図式があるんですね。たぶん。で、我輩、小沢コージはそれに挑戦しているのだと!? のはははは……、手前“ミソ”な話ですが。
でもね。マジメな話、クルマを語る原稿は、もっと工夫し、切磋琢磨されなければいけないんだと思うんですよ。そうすればいつか“花開く”、この業界も本当に盛り上がると! あー、早く俺もヒット飛ばして〜!?
(文と写真=小沢コージ/2005年11月)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
-
第454回:ヤマダ電機にIKEAも顔負けのクルマ屋? ノルかソルかの新商法「ガリバーWOW!TOWN」 2012.8.27 中古車買い取りのガリバーが新ビジネス「WOW!TOWN」を開始。これは“クルマ選びのテーマパーク”だ!
-
第453回:今後のメルセデスはますますデザインに走る!? 「CLSシューティングブレーク」発表会&新型「Aクラス」欧州試乗! 2012.7.27 小沢コージが、最新のメルセデス・ベンツである「CLSシューティングブレーク」と新型「Aクラス」をチェック! その見どころは?
-
第452回:これじゃメルセデスには追いつけないぜ! “無意識インプレッション”のススメ 2012.6.22 自動車開発のカギを握る、テストドライブ。それが限られた道路環境で行われている日本の現状に、小沢コージが物申す!?
-
第451回:日本も学べる(?)中国自動車事情 新婚さん、“すてきなカーライフに”いらっしゃ〜い!? 2012.6.11 自動車熱が高まる中国には「新婚夫婦を対象にした自動車メディア」があるのだとか……? 現地で話を聞いてきた、小沢コージのリポート。
-
NEW
ホンダがコンセプトモデル「アキュラ・ネクセラ ビジョン」を発表 次世代デザインを読み解く
2026.9.3デイリーコラム本田技研工業の米国現地法人アメリカン・ホンダモーターが、アキュラブランドの次世代デザインを示すというコンセプトモデル「ネクセラ ビジョン」を初公開した。バタフライドアを採用するこのスポーツカーは、次世代アキュラの何を表現しているのか。 -
NEW
BMW iX3 50 xDrive Mスポーツ(後編)
2026.9.3あの多田哲哉の自動車放談ワインディングロードで新型「BMW iX3」のステアリングを握った多田哲哉さんは、その走りに感心した様子。どんなところが優れているのか、トヨタのエンジニアの視点で語ってもらおう。 -
NEW
新型「三菱パジェロ」の外装・内装を写真でチェックする
2026.9.2画像・写真5年間のブランクを経て、三菱のフラッグシップSUV「パジェロ」がついに復活! 「グランドカリスマ -泰然自若-」をコンセプトにデザインされた本格クロスカントリーモデルは、どのような姿をしているのか? 内外装の詳細を、写真で紹介する。 -
NEW
復活の決め手はこっくりさん!? 新生「三菱パジェロ」誕生の経緯とその狙い
2026.9.2デイリーコラム5年間の沈黙を経て、ついに登場した新型「三菱パジェロ」。スリーダイヤモンドが誇る荒野のフラッグシップは、いかにして復活を遂げたのか? 開発の経緯や内外装デザインの詳細、パワートレインに見るクルマの“狙い”をリポートする。 -
第127回:新型BMW X5(後編) ―迷走するBMW 結局アナタは“ノイエクラッセ”でなにがしたかったの?―
2026.9.2カーデザイン曼荼羅その姿が明らかとなるや、賛否両論を巻き起こしている新型「BMW X5」。このクルマは既存のBMW製SUVとはなにがちがうのか? そもそもBMWは“ノイエクラッセ・デザイン”になにを託していたのか? カーデザインの識者と、迷走するBMWの明日を探った。 -
BMW X1 sDrive20iオリジナル(FF/7AT)【試乗記】
2026.9.2試乗記BMWのコンパクトSUV「X1」に新グレードの「オリジナル」が登場。走りの楽しさをはじめとしたBMWらしさをキープしつつ、装備の厳選によって価格抑制を図った新たなエントリーグレードだ。都市部におけるドライバビリティーとユーザービリティーをリポートする。