アウディRS4アバント(4WD/6MT)【ブリーフテスト(前編)】
アウディRS4アバント(4WD/6MT)(前編) 2006.12.05 試乗記 ……1030.0万円 総合評価……★★★★★ 2006年ジュネーブショーに出展されたアウディ「RS4」。「A4」ベースに420psを発生する4.2リッターV8エンジンを搭載するスポーツモデルだ。ワゴンモデルに試乗する。“技術による前進”の極み
アウディの100%出資子会社であるクワトロGmbHの手で生産される「RS4」、特に今回の試乗車であるアバントは、まさにA4シリーズの頂点にふさわしい充実した内容を誇る1台である。あるいは、それはアウディのひとつの極みとすら言っても過言ではないかもしれない。
そう感じさせるのは、まずは投入された数多くの先進テクノロジーである。コンパクトに仕立てられたV型8気筒4.2リッターエンジンは、直噴ガソリンのFSIを採用し、さらに8250rpmまで回る高回転設計によって、リッター当たりちょうど100psの420psというパワーを発生する。それを路面に伝える駆動システムは、前後トルク配分を40:60とした最新世代のフルタイム4WD「クワトロ」。
さらにサスペンションには4輪のダンパーをX字型に連関させて姿勢変化を抑えるDRCが搭載されるといった具合で、そのすべてを書き記すのは、このスペースではとても不可能なほどだ。これぞ“技術による前進”を標榜するブランドの頂点にふさわしい。
これらが生み出す走りの世界も、まさにアウディの究極。回転域を問わず力の漲るエンジンと安定感の高いシャシーという基本を押さえつつ、官能的という言葉がふさわしい吹け上がりや、思いのままに向きを変える一体感抜群のハンドリングといった情感に訴える部分がより一層強調されている。正直、従来はいくら謳われようと、“エモーショナル”という言葉とアウディの走りには、今ひとつ結びつかない感があった。しかしRS4ならば、てらいなくその言葉を使うことができる。
しかも、それをアバントというアウディを象徴するスタイルで具現しているところが、また心憎い。それだけで単なる走り屋御用達ではなく、高い実用性とファッション性をも兼ね備えたライフスタイルカーとしてのキャラクターが、グッと引き立っているのだから。
この内容なら、1008万円也という価格も納得。むしろリーズナブルだとすら言える。それでも敢えて難癖をつけるならば、予定の100台があっという間に売り切れて、次また買える機会がいつ訪れるかわからないところが問題だ、とでもしておこう。
【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
アウディの中核的存在であるミディアムセダン/ワゴンのA4シリーズは、2001年に現行モデルが登場し、2005年にビッグマイナーチェンジを受けて“第7世代”となった。A4にはセダン、アバントともに「2.0アトラクション」「1.8T」「2.0TFSIクワトロ」「3.2FSIクワトロ」の4種があり、それぞれ2リッター、1.8リッターターボ、2リッター直噴ターボ、3.2リッター直噴の4種のエンジンを搭載する。ハイパフォーマンスモデルのS4は344ps、41,8kgmの4.2リッターV8エンジンをノーズに押し込み、クワトロシステムを組み合わせる。最高峰に君臨するRS4はこのV8エンジンを直噴化し、1リッターあたり100psのハイチューンを実現している。
(グレード概要)
420psを誇る高回転型V8エンジンを搭載する超高性能モデル。前後トルク配分40:60のクワトロシステムで4輪を駆動する。0-100km/hは4.9秒、200km/hまで16.9秒で加速する。「RS6」でも用いられた可変式ダンパー「DRC(ダイナミック・ライド・コントロール)」を装着し、ノーズダイブやロールを抑えている。組み合わされるトランスミッションは6段マニュアルのみ。前モデルではアバントのみだったが、今回はセダンボディも用意されている。(後編へつづく)
(文=島下泰久/写真=郡大二郎/2006年11月)
・アウディRS4アバント(4WD/6MT)(後編)
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000018837.html

島下 泰久
モータージャーナリスト。乗って、書いて、最近ではしゃべる機会も激増中。『間違いだらけのクルマ選び』(草思社)、『クルマの未来で日本はどう戦うのか?』(星海社)など著書多数。YouTubeチャンネル『RIDE NOW』主宰。所有(する不動)車は「ホンダ・ビート」「スバル・サンバー」など。
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