アウディRS 4アバント(4WD/8AT)
令和的ハイパフォーマンスカーのすすめ 2021.03.12 試乗記 最高出力450PSの2.9リッターV6ターボエンジンと、伝統のフルタイム4WDシステムを組み合わせた「アウディRS 4アバント」。ハイテクで身を固めたアウディ自慢の高性能スポーツワゴンは、いかなる走りを見せるのか? 改良を受けたポイントとともに紹介する。タダモノではない存在感
最新のRS 4アバント(以下、RS 4)は“フルモデルチェンジなみのビッグマイナーチェンジ”をうたって上陸した改良版「A4」と、ほぼ同時の昨2020年10月に国内発表されたモデルである。ベースモデルであるA4の改良版が、ビジュアルから中身まで大幅な進化を豪語するいっぽうで、そもそもの登場がA4の2年3カ月(国内では2年9カ月)遅れだったRS 4については、アウディ ジャパンも“一部改良”と称するレベルの変更にとどまる。
改良版A4がフルモデルチェンジなみを自認する根拠のひとつが、車体外板の大半を刷新していることにある。新しいA4は前後ホイールアーチ周辺を横にふくらましたブリスターフェンダーが大きな特徴で、それに連なる前後ドアパネルもフェンダーに合わせて手が入れられている。しかし、RS 4はもともと専用オーバーフェンダーを備えており、その形状は今回は変わっていない。よって、それに連なるドアパネルもRS 4だけは従来型のままなのだ。
前後の灯火類やフロントのセンター&バンパーグリルの形状もA4に準じた変更が実施されてはいる。ただ、RS 4の場合はそうした細かい形状の変化より、RS用グリルのブラックメッシュが先に目に入るので、結果的にA4ほど変わった実感がわきにくい。
外観で従来型RS 4とハッキリと区別できるのは、フロントグリルとボンネットフードの間に設けられたスリットだ。これはもちろん往年の「スポーツクワトロ」へのオマージュだが、同じA4系列の「S4」のほか、最新世代のアウディが広く採用しているディテールでもある。
しかし、実際に見るRS 4のオーラは相変わらずタダモノではない。全幅はA4や「S4」の20mm増というが、見た目には「もっと幅広いのでは?」と思うくらいの迫力だ。こちらはベース車と同寸であるにもかかわらず、車高もベッタベタに低く見える。
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