BMW5シリーズ「M54」ユニット搭載モデル【試乗記】
BMW5シリーズ「M54」型ユニット搭載モデル 2000.11.22 試乗記 「ちょい乗り」試乗報告 3シリーズに続いて、アッパーミドルサルーン「5シリーズ」にも、新開発オールアルミ直6「M54」型ユニットが搭載された。排気量は、2.5と3リッター。 2000年10月30日に発表され、11月11日から販売開始された新ユニット搭載モデルは、525i、530iのセダンと、同ツーリングである。 セダンは、トリムレベルによって、「ベーシック」「Hi-Line」「M-Sport」の3種類、ワゴンボディは、「ベーシック」と「Hi-Line」の2種類が用意される。 拡大 |
拡大 |
穏やかな非力感525i Hi-Line(5AT)……643.0万円
マイナーチェンジを受けた5シリーズ共通の特徴は、ヘッドライトを囲ってリング状に光るスモールライト。目元キリリとカッコいい。流行るかも。
525iは、「M52」型より22psアップした「M54」型ユニットを搭載。25.0kgm/3500rpmの最大トルクは変わらないものの、ピークパワー発生回転数を500rpm引き上げ、192ps/6000rpmの最高出力を発生する。
とはいえ、1560kgのボディには少々非力な感じが否めない。「少ない排気量で活発に走らせる」のがビーエムの真骨頂とはいえ、ちょっと……。
100km/hでは、2200rpm付近で、粛々と回るストレート6。スロットルペダルを踏み込んでも、存在を主張することがない。
525iは、おっとりとしたアッパーミドルサルーン。Hi-Line仕様なら、ナビゲーションシステムもハンズフリーテレフォンシステムも標準装備。モンタナレザーシートに座って、奥様と談笑しながらクルージング。可もなく不可もない乗り心地。
拡大 |
拡大 |
適切530i Hi-Line(5AT)……726.0万円
旧2.8リッター比38psと2.1kgmアウトプットを増した3リッター直6ユニット。231ps/5900rpmの最高出力と、30.6kgm/3500rpmの最大トルクを発生する。
スロットルペダルの最初のひと踏みから、力強さは歴然。1590kgのウェイトが、525iより30kg重いとは、もちろん、感じず。車重と出力のバランスがよい。
「フライバイワイヤの改善」が、なるほどと納得できる、スロットルレスポンスのよさ。2.5リッターモデルより「よさ」が顕著なのは、500ccの余力ゆえか。
可変バルブタイミング機構が、シングルバノスからダブルバノスにグレードアップされ、しかし「フラットトルクの平板さ」とは無縁の熱血ユニット。4000rpm付近から、快音を発して嬉々として回る。ドライバー、喜ぶ。
乗り心地は、これまた可もなく不可もなく。高速道路の継ぎ目では、それなりに突き上げを許し、山道でのカーブの切り返しでは、「ユラリ」とロールが残る。
エンジンが突出した旦那グルマだ。
拡大 |
拡大 |
評価持ち越し525iツーリング……674.0万円530i Hi-Lineツーリング……767.0万円
528iツーリング(647.0から692.0万円)が廃され、上下に530iツーリング(661.0から722.0万円)と525iツーリング(578.0から639.0万円)にわかれた5シリーズのワゴンモデル。
エンジン排気量以外の両者の違いは、アロイホイールの意匠と、ヘッドライトが2.5はハロゲン、3リッターモデルがキセノンであること。また、リアサスが、520はコイルバネなのに対し、530はエアスプリングとなり、レベルコントロール機能が装備される。
ごく短時間、530i Hi-Lineツーリングに乗ったところ、たしかにフリーウェイ走行中、段差をこえた際など、突き上げが柔らかいような、ときにリアがグニャつくような感じを受けた。が、それは「エアサス仕様」という先入観ゆえかもわからない。空荷の状態では、コイルとエア、それだけ差がないとも言えますが……。
ロードノイズが、3ボックスモデルより室内に籠もりがちなのは確か。
詳細は、後日報告させてください。
なお、今回の試乗会では、ワゴンモデルにはサマータイヤが、セダンにはオールシーズンタイヤが装備されていた。ただし、セダンも輸入初期ロット以外は、サマータイヤに変更されるという。
(web CG アオキ/写真=阿部ちひろ)

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
-
日産エクストレイルNISMOアドバンストパッケージe-4ORCE(4WD)【試乗記】 2025.12.3 「日産エクストレイル」に追加設定された「NISMO」は、専用のアイテムでコーディネートしたスポーティーな内外装と、レース由来の技術を用いて磨きをかけたホットな走りがセリングポイント。モータースポーツ直系ブランドが手がけた走りの印象を報告する。
-
アウディA6アバントe-tronパフォーマンス(RWD)【試乗記】 2025.12.2 「アウディA6アバントe-tron」は最新の電気自動車専用プラットフォームに大容量の駆動用バッテリーを搭載し、700km超の航続可能距離をうたう新時代のステーションワゴンだ。300km余りをドライブし、最新の充電設備を利用した印象をリポートする。
-
ドゥカティXディアベルV4(6MT)【レビュー】 2025.12.1 ドゥカティから新型クルーザー「XディアベルV4」が登場。スーパースポーツ由来のV4エンジンを得たボローニャの“悪魔(DIAVEL)”は、いかなるマシンに仕上がっているのか? スポーティーで優雅でフレンドリーな、多面的な魅力をリポートする。
-
ランボルギーニ・テメラリオ(4WD/8AT)【試乗記】 2025.11.29 「ランボルギーニ・テメラリオ」に試乗。建て付けとしては「ウラカン」の後継ということになるが、アクセルを踏み込んでみれば、そういう枠組みを大きく超えた存在であることが即座に分かる。ランボルギーニが切り開いた未来は、これまで誰も見たことのない世界だ。
-
アルピーヌA110アニバーサリー/A110 GTS/A110 R70【試乗記】 2025.11.27 ライトウェイトスポーツカーの金字塔である「アルピーヌA110」の生産終了が発表された。残された時間が短ければ、台数(生産枠)も少ない。記事を読み終えた方は、金策に走るなり、奥方を説き伏せるなりと、速やかに行動していただければ幸いである。
-
NEW
レクサスLFAコンセプト
2025.12.5画像・写真トヨタ自動車が、BEVスポーツカーの新たなコンセプトモデル「レクサスLFAコンセプト」を世界初公開。2025年12月5日に開催された発表会での、展示車両の姿を写真で紹介する。 -
NEW
トヨタGR GT/GR GT3
2025.12.5画像・写真2025年12月5日、TOYOTA GAZOO Racingが開発を進める新型スーパースポーツモデル「GR GT」と、同モデルをベースとする競技用マシン「GR GT3」が世界初公開された。発表会場における展示車両の外装・内装を写真で紹介する。 -
NEW
バランスドエンジンってなにがスゴいの? ―誤解されがちな手組み&バランスどりの本当のメリット―
2025.12.5デイリーコラムハイパフォーマンスカーやスポーティーな限定車などの資料で時折目にする、「バランスどりされたエンジン」「手組みのエンジン」という文句。しかしアナタは、その利点を理解していますか? 誤解されがちなバランスドエンジンの、本当のメリットを解説する。 -
「Modulo 無限 THANKS DAY 2025」の会場から
2025.12.4画像・写真ホンダ車用のカスタムパーツ「Modulo(モデューロ)」を手がけるホンダアクセスと、「無限」を展開するM-TECが、ホンダファン向けのイベント「Modulo 無限 THANKS DAY 2025」を開催。熱気に包まれた会場の様子を写真で紹介する。 -
「くるままていらいふ カーオーナーミーティングin芝公園」の会場より
2025.12.4画像・写真ソフト99コーポレーションが、完全招待制のオーナーミーティング「くるままていらいふ カーオーナーミーティングin芝公園」を初開催。会場には新旧50台の名車とクルマ愛にあふれたオーナーが集った。イベントの様子を写真で紹介する。 -
ホンダCR-V e:HEV RSブラックエディション/CR-V e:HEV RSブラックエディション ホンダアクセス用品装着車
2025.12.4画像・写真まもなく日本でも発売される新型「ホンダCR-V」を、早くもホンダアクセスがコーディネート。彼らの手になる「Tough Premium(タフプレミアム)」のアクセサリー装着車を、ベースとなった上級グレード「RSブラックエディション」とともに写真で紹介する。




































