BMW 523dラグジュアリー(FR/8AT)
際立つ軽快感 2017.03.02 試乗記 全方位的進化を遂げた新型「BMW 5シリーズ」。部分自動運転を可能とし、燃費も大幅に改善するなど話題に事欠かないが、実際に運転してひしひしと伝わってきたのは車体の“軽さ”だった。2リッター直4ディーゼルターボを搭載する「523dラグジュアリー」に試乗した。相似形戦略はもはやトレンド
BMW 5シリーズは、彼らのプレスリリースによれば「世界で最も成功しているビジネスセダン」だそうだ。○△□というブランドの●▲■あたりがこれをうたっていたら「厚かましいわい!」と一喝するところだが、5シリーズなら納得できる。これが「世界で最も成功しているセダン」なら「メルセデス・ベンツEクラス」ということになるのだろうが、ビジネスセダンとなると、確かに最初に思い浮かぶのは5シリーズだ。なんというか、ドライバーが必ずダークスーツを着ているイメージ(ネクタイなし)。Eクラスのドライバーは高確率でセーターを着ているような気がするが、これはドイツで捕まえるタクシードライバーのイメージに引っ張られ過ぎかもしれない。
モデルチェンジして第7世代となった5シリーズ セダンが日本上陸を果たし、このほど横浜市のホテルを拠点に試乗会が開かれた。ひと目見ればわかるように、現行の「3シリーズ」や「7シリーズ」に激しく似ている。遠くから見て、あるいは一瞬だけ見て正確に見分けられる人は少ないだろう。3シリーズ同様、5シリーズもとうとうキドニーグリルとヘッドランプユニットがくっついた。
誤解なきよう言っておくが、似ているのが悪いとは思わない。そりゃ5を買った人は3に見られるのが、7を買った人は5に見られるのがイヤかもしれないが、逆に3なのに5に見られるかもしれないわけで、“行ってこい“というか“トントン”だろう。それにバラエティーに富んでいてカッコよかったり悪かったりするよりは、よく似たルックスで全部カッコいいほうがいい。さらに相似形戦略をとっているのは何もBMWだけじゃない。メルセデス・ベンツだってアウディだってそうじゃないか。トレンドというほかない。