フィアット・パンダプラス(2ペダル5MT)【試乗記】
イタ車入門 2005.01.19 試乗記 フィアット・パンダプラス ……169万9950円 コンパクトカー史(?)にその名を残す「フィアット・パンダ」の2代目は、MPV風のシャコ高ボディで登場。大型サンルーフ「スカイドーム」を装備する上級グレード「パンダプラス」に、『webCG』記者が試乗した。イタ車のボトムレンジ
スポーティスペシャル、プレミアムコンパクトにラクシャリークーペ、はてはスーパーカーなど、日本で買えるイタリア車は生活感と無縁だ。もっとも、値引きや下取り、メンテナンス費用を心配して、イタ車に手を出す人は少なかろう。
個性豊かなイタ車ラインナップに珍しい、素の実用車が「フィアット・パンダ」。フィアットのエントリーモデルにして、もっとも手頃なイタ車は、ベーシックグレード「パンダ」が157万3950円。大型サンルーフ「スカイドーム」やルーフレールがついた「パンダプラス」は169万9950円である。
ジウジアーロが手がけた先代に較べれば、ニューパンダは大きくなった。とはいえ、全長はパッソ/ブーンより60mm、幅は75mm狭く、ボディサイズは依然として小さい。「フォルクスワーゲン・ルポ」や「シトロエンC2」はほぼ同サイズだが、パンダはドアが4枚ついているのがメリットだ。
新しいパンダは、もともとMPV「ジンゴ」として開発されていた。全高が1570mm(パンダ・プラス)とやや高いのはそのためである。といっても、絶対値は低いことがジマンの「ホンダ・オデッセイ」と同じ。気になるほど高くないし、二玄社のタワーパーキングにちゃんと収まった。「ホイールベースはパッソ/ブーンより140mm、軽の「ホンダ・ライフ」より120mm短い2300mmだが、エマージェンシー以上の居住性はある。小さくても、ちゃんと実用車しているのだ。
貧乏くさくない
イタ車において、内外装の造形やデザインはアピールポイント。実用車たるパンダにも、それはあてはまる。ディンプル加工を施したシート表皮や、スイッチの造形がオモチャっぽく、センターコンソールやドアハンドルはプラスチック然としているのに、貧乏くささを感じさせない。楽しい空間に仕上がっている。外観はやや素っ気ないが、テスト車が纏うクラシカルなソリッドカラー「グアカモーレグリーン」をはじめ、ボディカラーは全11色も用意される。
マニュアルながらエアコンや、AM/FMチューナー付きCDプレーヤーを装備。パンダ・プラスは、5:5分割可倒式リアシート、ISO-FIXチャイルドシートアンカーに加え、シースルーの電動サンシェードがついたグラスルーフ「スカイドーム」を標準装備し、柔らかい光が室内を明るく照らす。
拡大 |
![]() |
デュアロジックに賛成
1.2リッター直4は中低速トルクに優れ、約1トンのボディには十分。非力なことも手伝って、アクセルペダルをベタ踏みすれば、6000rpm以上へ軽く吹けあがる。60馬力だから加速はしれたモノだけど、ドライバーの精神衛生上、大変好ましい性格といえる。
トランスミッションは、「デュアロジック」と呼ばれる2ペダル5MTのみ。非力なエンジンと、ステップ比が狭い5段ギアのおかげか、巷で指摘されるほどシフトマナーは悪くない。クラッチ直結のダイレクトな加速感は、トルコンATでは得られない魅力だ。
さらに、使い勝手が素晴らしい。オートとマニュアルの切り替えは、レバーを左に倒すだけ。さらに、ティプトロニックSのように、オートでも一時的にマニュアルシフトを受け付けるから、こまめなシフトダウンでキビキビ感を損なわず、ドライバーを盛り上げる。
グラっと深くロールして、粘り腰で曲がっていくコーナリングはいかにもイタリア車。スポーティでもスペシャルでもない、フツーの実用車ながら、走りもしっかりイタリアンのパンダは、イタ車の入門にピッタリなんじゃないかと思った。
(文=webCGオオサワ/写真=岡村昌宏(O)、洞澤佐智子(H)/2005年1月)

大澤 俊博
-
トヨタGRヤリスRZ“ハイパフォーマンス”+エアロパフォーマンスパッケージ【試乗記】 2026.9.1 2020年のデビュー以来、間断なく進化を続けてきたコンパクトスポーツの「トヨタGRヤリス」。一般ユーザーの間ではもちろん、コンペティションの世界でもチューニングのかいわいでも光を放つ一台は、2026年モデルでどう進化したのか? その走りを報告する。
-
アウディQ3スポーツバックTFSIクワトロ150kWアドバンスト(4WD)【試乗記】 2026.8.31 フルモデルチェンジした「アウディQ3スポーツバック」に試乗。プラットフォームやパワートレインこそ従来型の改良版ではあるものの、内外装のデザインやインフォテインメント、効率性のすべてにおいて大幅な進化を遂げたという。その仕上がりやいかに。
-
トヨタbZ4XツーリングZ(4WD)【試乗記】 2026.8.29 「トヨタbZ4X」にワゴンのようなロングボディーを持つ「ツーリング」が登場。ただ長くなっただけではなく、今回試した4WDモデルではパワーもアップ。乗り味にも微妙な影響を及ぼしているから見逃せない。経路充電を試しつつ、370km余りをドライブした。
-
BMW 120オリジナル(FF/7AT)【試乗記】 2026.8.25 BMWの主要モデルに新グレードの「オリジナル」が設定された。位置づけとしては新たなエントリーグレードということになるが、BMWらしさを損なうことなく装備を厳選し、価格を抑えたのがポイントだという。「1シリーズ」の「120オリジナル」の仕上がりをリポートする。
-
トライアンフ・スラクストン400(6MT)【レビュー】 2026.8.25 カフェレーサーの本場である、イギリスのトライアンフがリリースした「スラクストン400」。車名のとおり、カジュアルに楽しめる400ccクラスのマシンではあるのだが、その実物からは、エントリーモデルとは思えない本物の香りが漂っていた。
-
NEW
新型「三菱パジェロ」の外装・内装を写真でチェックする
2026.9.2画像・写真5年間のブランクを経て、三菱のフラッグシップSUV「パジェロ」がついに復活! 「グランドカリスマ -泰然自若-」をコンセプトにデザインされた本格クロスカントリーモデルは、どのような姿をしているのか? 内外装の詳細を、写真で紹介する。 -
NEW
復活の決め手はこっくりさん!? 新生「三菱パジェロ」誕生の経緯とその狙い
2026.9.2デイリーコラム5年間の沈黙を経て、ついに登場した新型「三菱パジェロ」。スリーダイヤモンドが誇る荒野のフラッグシップは、いかにして復活を遂げたのか? 開発の経緯や内外装デザインの詳細、パワートレインに見るクルマの“狙い”をリポートする。 -
NEW
第127回:新型BMW X5(後編) ―迷走するBMW 結局アナタは“ノイエクラッセ”でなにがしたかったの?―
2026.9.2カーデザイン曼荼羅その姿が明らかとなるや、賛否両論を巻き起こしている新型「BMW X5」。このクルマは既存のBMW製SUVとはなにがちがうのか? そもそもBMWは“ノイエクラッセ・デザイン”になにを託していたのか? カーデザインの識者と、迷走するBMWの明日を探った。 -
NEW
BMW X1 sDrive20iオリジナル(FF/7AT)【試乗記】
2026.9.2試乗記BMWのコンパクトSUV「X1」に新グレードの「オリジナル」が登場。走りの楽しさをはじめとしたBMWらしさをキープしつつ、装備の厳選によって価格抑制を図った新たなエントリーグレードだ。都市部におけるドライバビリティーとユーザービリティーをリポートする。 -
スポーツカーに未来はあるか?
2026.9.1あの多田哲哉のクルマQ&A年々、開発環境が厳しくなるといわれるスポーツカーは、この先も存在しうるのか? トヨタのエンジニアとしてさまざまなスポーツカーを開発してきた多田哲哉さんに“未来のスポーツカー像”を聞いた。 -
トヨタGRヤリスRZ“ハイパフォーマンス”+エアロパフォーマンスパッケージ【試乗記】
2026.9.1試乗記2020年のデビュー以来、間断なく進化を続けてきたコンパクトスポーツの「トヨタGRヤリス」。一般ユーザーの間ではもちろん、コンペティションの世界でもチューニングのかいわいでも光を放つ一台は、2026年モデルでどう進化したのか? その走りを報告する。

































