トヨタ・マークX 250G“Sパッケージ”【ブリーフテスト】
トヨタ・マークX 250G“Sパッケージ” 2005.01.13 試乗記 ……313万7400円 総合評価……★★★ “スポーティ”を標榜する「トヨタ・マークX」。2.5リッターの上級Gグレードに、18インチタイヤや可変ダンパー「AVS」を装着したスポーティグレード「250G“Sパッケージ”」に、自動車ジャーナリストの笹目二朗が乗った。果敢な攻めで、保守派を狙う
「マークII」は「チェイサー」「クレスタ」とともに、三兄弟としてトヨタの最大派閥を形成した時期もあったが、今やこのクラスのFRセダン系は「カムリ」など、FF中型車に地位を譲りつつある。少し上には「クラウン」があり、マークIIのコンセプトは「プログレ」が受け継いだ。「マークX」と名前を変えても、以前ほどの販売を望むのは困難な状況になりつつある。
それでも多くの車種を抱えるトヨタは弱点を逆手にとり、果敢な攻めを展開している。クラウンとのコンポーネント共通化もそのひとつだし、4WD仕様を加えて北国へも対応した。そうして守備を固めるかたわら、FRによる個性的なハンドリングなど少数派や保守派の好みそうな特性を前面に打ち出し、販売力に物を言わせて実績を形成しつつあるのも事実だ。
しかしクルマの仕上がりを見た場合、ここまでアシを固めないとFF並みの安定性を確保できないのか? という疑問が残る。ここでお勧めできることとしては、性能や効率の絶対値ではなく、スタイリングの好みや趣味性に基づいたチョイス、ということになるだろうか。
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【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
デビューは1968年、「コロナ・マークII」として誕生した。その後「コロナ」がとれて「マークII」となり、10代目となった今回のフルモデルチェンジで「マークX」と名を改めた。9代目は「プログレ」をベースにしていたが、「マークX」はクラウンと同じアーキテクチャーを採用する。2850mmのホイールベースやエンジン縦置き/後輪駆動、前ダブルウィッシュボーン/後マルチリンクという構成は同じ。それでいて、全長×全幅=4730×1775mmというディメンションは、それぞれ110mmと5mmちいさい。エンジンはV6 2.5/3リッターの4GR-FSE/3GR-FSE型と、チューンまで含めてこれもまったく同一。バリエーションはシンプルで、「250G」「同Four」(4WD)「300G」「同プレミアム」の4種。あとはそれぞれに“Fパッケージ”“Lパッケージ”“Sパッケージ”が適宜組み合わされる。
(グレード概要)
「250G“Sパッケージ”」は、2.5リッターモデルの最上級グレード。Sパッケージは、225/45R18インチのタイヤとアルミホイール、前後16インチのスポーツブレーキ、可変ダンパー「AVS」などで足まわりを強化。VSCなどの電子デバイスも備わる。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★★
まさにトヨタが目指すアメリカ中流家庭を象徴するような良い仕上がり。けして豪華過ぎず華美に走らず、もちろん安物感もなく、高品質できっちりきめの細かい丁寧な仕上げがなされている。メーター類の数字も読みやすく必要な情報を得やすい。ATインジケーター、外気温度、トリップ/オドメーター、水温など、それぞれに関連はないけれども欲しい情報を中央に配備したのは見識だ。
(前席)……★★★
助手席も8ウェイの電動調整機構を奢ったシートは、ほぼ好みのポジションを造りだすことができ、座り心地はまずまず快適。ランバーサポート調整はなく、それでも一応不満はないものの、価格を考えるとやはり必要だろう。足元のペダル配置は適切でフットレストの備えも良好だ。
(後席)……★★★
シートバックを折り畳めるシートにしては、背面のクッションストロークもあり座り心地は良好。前席シートバックまでの前後長や足元の空間も十分だ。クラウンとあまり変わらないサイズながら、ピラーの影に阻まれず明るい感じがする。中央席はFRゆえデフの存在が大きく、足の置場だけでなく座り心地も劣る。天井は高めでヘッドクリアランスは問題なし。
(荷室)……★★★
リアシートバックを倒してトランクスルーになるのはヨーロッパ車に一時流行った手法だが、利用価値をもつ人にとっては便利。フロアは低からず面積奥行きともに十分、広々としている。パネル下にも有効な小物入れがある。リッドにはガスダンパーのアシストが付き、開閉時の操作力も軽い。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★
アイドリングは停止しているかのようで、振動・音ともにすくなく静粛性は高い。従来の直噴エンジンのように硬質な振動も音も感じない。吹け上がりは滑らかでレスポンスが良好、低ギアで高回転までまわすと快音も味わえる。6ATはシフトが上手で、6段階あっても煩雑さはない。マニュアルシフトではエンジンブレーキを必要に応じて使うことができるが、2〜5速はステップ比が同じ間隔で使いやすい。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
“Sパッケージ”は可変ダンパー「AVS」を備えるが、ノーマルポジションでスポーツ並みに硬めの設定。普段の実用速度域でフロアに感じる振動はやや不快で、高速道路などで速度を上げてもあまり改善されない。切り替え式であるならばなおさら、ノーマルはもっとフラットな領域が欲しい。電動パワーステアリングはフリクション感すくなく、おおむね自然な感触。微少舵角の復元性が気になる程度だった。旋回感覚はタイヤのグリップに頼る感じで、荒れた路面での接地感が今ひとつ。
(写真=峰昌宏)
【テストデータ】
報告者:笹目二朗
テスト日:2004年12月8日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2004年型
テスト車の走行距離:3209km
タイヤ:(前)225/45R18 91W/(後)同じ(いずれもダンロップVEURO)
オプション装備:スマートエントリー&スタートシステム+盗難防止システム=9万4500円/フロントバンパースポイラー&リアリップスポイラー=▲4万4100円(レスオプション)
テスト形態:ロードインプレッション
走行形態:市街地(4):高速道路(5):山岳路(1)
テスト距離:171.1km
使用燃料:18.2リッター
参考燃費:9.4km/リッター

笹目 二朗
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