日産ティーダ18G(CVT)【試乗速報】
実利と精神 2005.01.12 試乗記 日産ティーダ18G(CVT) ……235万950円 日産のニューコンパクト「ティーダ」と「ティーダラティオ」に、1.8リッターモデル「18G」が追加された。300ccの余裕を得たニューモデルはどうなのか? 『webCG』記者が試乗した。“高級感”に磨き
2005年1月11日、日産のコンパクトハッチ「ティーダ」と、セダン「ティーダラティオ」に、デビュー当初からアナウンスされていた1.8リッターモデルが追加された。より大きなエンジンを搭載し、上級装備を奢った、シリーズのトップグレードである。
エンジンは、1.5リッターのHR型ではなく、「MR18DE」型の1.8リッター直列4気筒。アウトプットは1.5リッターに較べて19psと2.8kgm高く、最高出力128ps/5200rpm、最大トルク17.9kgm/4800rpmを発生する。トランスミッションはCVT、駆動方式はFFのみが設定される。
装備面のポイントは、1.8リッターモデルの全車が標準装備する運転席パワーシート。手動式と同様左側に配された操作スイッチで、リクライニングと前後スライド、リフターを調節でき、“高級感”がウリのインテリアに磨きをかけた。ステアリングホイールの舵角に合わせて照射角を変える「アクティブAFS」付きプロジェクターキセノンヘッドランプも標準装備(ティーダラティオにはオプション)する。
たしかに余裕
ボディサイズは変わらず、パワートレインをのぞいて機関面は同じ。ダンパーやコイルなどは共通でファインチューニングだけ、というティーダ18Gだが、乗ってみると、1.5リッターとは別モノに思えた。一言でいうと、なにもかもシッカリしている。ロールを許す柔らかな乗り心地はそのままでも、段差を越えたときの振動や、ステアリングホイールを切った際の感触に、“キューブキュービックの親戚”っぽい頼りなさは感じなかった。
1.5リッターでも十分よく走るクルマだから、300cc大きいエンジンに余裕があるのはたしか。CVTも手伝って、全域でエンジン回転数を抑えて走れるため、静かで快適だ。タウンスピードなら、アクセルペダルの踏み込みは5mm程度ですむ。
というより、5mm以上踏み込める場面は限られるほど、1.8リッターの動力性能は高い。ゆったりした速度域では、アクセルペダルの動きに対してクルマが想像以上に加速するため、アクセルワークに気を遣うし、リポーターは過剰だと思う。いわゆる高級車ならさておき、ティーダはコンパクトカーだし。
追加モデルに釈然としなかったが、日産スタッフにお話をうかがって、なるほどと思った。ティーダのユーザーは“ダウンサイザー”、つまり、大きなクルマから乗り換えた人がすくなくない。その多くは高齢で、大排気量が高級車における重要なファクターなのだという。ティーダの1.8リッターモデルは実利面のみならず、古典的な高級車の精神を満足させるというワケだ。
(文=webCGオオサワ/写真=高橋信宏/2005年1月)

大澤 俊博
-
日産エクストレイルNISMOアドバンストパッケージe-4ORCE(4WD)【試乗記】 2025.12.3 「日産エクストレイル」に追加設定された「NISMO」は、専用のアイテムでコーディネートしたスポーティーな内外装と、レース由来の技術を用いて磨きをかけたホットな走りがセリングポイント。モータースポーツ直系ブランドが手がけた走りの印象を報告する。
-
アウディA6アバントe-tronパフォーマンス(RWD)【試乗記】 2025.12.2 「アウディA6アバントe-tron」は最新の電気自動車専用プラットフォームに大容量の駆動用バッテリーを搭載し、700km超の航続可能距離をうたう新時代のステーションワゴンだ。300km余りをドライブし、最新の充電設備を利用した印象をリポートする。
-
ドゥカティXディアベルV4(6MT)【レビュー】 2025.12.1 ドゥカティから新型クルーザー「XディアベルV4」が登場。スーパースポーツ由来のV4エンジンを得たボローニャの“悪魔(DIAVEL)”は、いかなるマシンに仕上がっているのか? スポーティーで優雅でフレンドリーな、多面的な魅力をリポートする。
-
ランボルギーニ・テメラリオ(4WD/8AT)【試乗記】 2025.11.29 「ランボルギーニ・テメラリオ」に試乗。建て付けとしては「ウラカン」の後継ということになるが、アクセルを踏み込んでみれば、そういう枠組みを大きく超えた存在であることが即座に分かる。ランボルギーニが切り開いた未来は、これまで誰も見たことのない世界だ。
-
アルピーヌA110アニバーサリー/A110 GTS/A110 R70【試乗記】 2025.11.27 ライトウェイトスポーツカーの金字塔である「アルピーヌA110」の生産終了が発表された。残された時間が短ければ、台数(生産枠)も少ない。記事を読み終えた方は、金策に走るなり、奥方を説き伏せるなりと、速やかに行動していただければ幸いである。
-
NEW
「Modulo 無限 THANKS DAY 2025」の会場から
2025.12.4画像・写真ホンダ車用のカスタムパーツ「Modulo(モデューロ)」を手がけるホンダアクセスと、「無限」を展開するM-TECが、ホンダファン向けのイベント「Modulo 無限 THANKS DAY 2025」を開催。熱気に包まれた会場の様子を写真で紹介する。 -
NEW
「くるままていらいふ カーオーナーミーティングin芝公園」の会場より
2025.12.4画像・写真ソフト99コーポレーションが、完全招待制のオーナーミーティング「くるままていらいふ カーオーナーミーティングin芝公園」を初開催。会場には新旧50台の名車とクルマ愛にあふれたオーナーが集った。イベントの様子を写真で紹介する。 -
NEW
ホンダCR-V e:HEV RSブラックエディション/CR-V e:HEV RSブラックエディション ホンダアクセス用品装着車
2025.12.4画像・写真まもなく日本でも発売される新型「ホンダCR-V」を、早くもホンダアクセスがコーディネート。彼らの手になる「Tough Premium(タフプレミアム)」のアクセサリー装着車を、ベースとなった上級グレード「RSブラックエディション」とともに写真で紹介する。 -
NEW
ホンダCR-V e:HEV RS
2025.12.4画像・写真およそ3年ぶりに、日本でも通常販売されることとなった「ホンダCR-V」。6代目となる新型は、より上質かつ堂々としたアッパーミドルクラスのSUVに進化を遂げていた。世界累計販売1500万台を誇る超人気モデルの姿を、写真で紹介する。 -
NEW
アウディがF1マシンのカラーリングを初披露 F1参戦の狙いと戦略を探る
2025.12.4デイリーコラム「2030年のタイトル争い」を目標とするアウディが、2026年シーズンを戦うF1マシンのカラーリングを公開した。これまでに発表されたチーム体制やドライバーからその戦力を分析しつつ、あらためてアウディがF1参戦を決めた理由や背景を考えてみた。 -
NEW
第939回:さりげなさすぎる「フィアット124」は偉大だった
2025.12.4マッキナ あらモーダ!1966年から2012年までの長きにわたって生産された「フィアット124」。地味で四角いこのクルマは、いかにして世界中で親しまれる存在となったのか? イタリア在住の大矢アキオが、隠れた名車に宿る“エンジニアの良心”を語る。


































