第143回:「クライスラーPTクルーザーカブリオ」郷に入れば郷に従えの心理(!?)
2004.06.30 小沢コージの勢いまかせ!第143回:「クライスラーPTクルーザーカブリオ」郷に入れば郷に従えの心理(!?)
■ほつれたアロハシャツ
「クライスラーPTクルーザーカブリオ」に乗ってきました。正直、あんまり期待してなかったんですけどね。なぜって俺はPTクルーザーがあまり好きじゃないから。
だって、顔だけデカいじゃないですか。身体は寸詰まりで、顔だけ大人。まるでニコちゃん大王(Dr.スランプに出てくる宇宙人キャラ)か、荷台の付いてないトレーラーみたい。
なにより、根本的にアメ車の作りの甘さが、どうにも納得できない。「大らかでいい!」ってのはわからんでもないけど、あきらかに日本車、ドイツ車、フランス車に比べてショボい。俺は「努力が認められる世のなか」が好きなので、惰眠を貪るようなつくり(に感じる)アメ車はキライである。妙に原理主義っぽいリクツではありますが……。
しかし、しかしですね、PTクルーザー・カブリオはイイなと思った。相変わらずクライスラーらしく、インパネとかスイッチ類とかしょぼいし、全体的に漂う”ブランド品感”はうす〜いの。
ところが、あまりにアメリカンなクルマなので、“カリフォルニア”とか“ハワイ”みたいなシチュエーションに入ると許せてしまう。試乗会が逗子マリーナで開かれ、天気がドピーカンってのにヤラれたかな。カッコいい〜と思ってしまいました。
たとえば、ハワイに行って、縫い目がほつれたアロハシャツ買っても「これもよし!」、もしくはメキシコで、中身が揃ってないコロナビール飲んでも「メキシコはいい加減なトコロがイイねぇ〜」なーんて思っちゃうようなもんよ。郷に入れば郷に従えっての? オープン4シーターは多少ボロくっても、それなりに華やかなら許せてしまうという心理。
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■マジメで便利
それからですね、このカブリオ、意外とつくりがよかったのだ。インパネのメタリックパネルとか、シフトのプラスティック素材がほどよく上質感を出してることに加え、リアシートや荷室の広さがイイ。俺は「プジョー206CC」も持ってたし、モーターショーで「MINIコンバーチブル」に座ってみたので、世界のオープン4シーターの後席居住レベルは知ってる。それらと比較しても、ハッキリいって立派です、PTクルーザーカブリオ。それからトランクも、荷物を真上から入れられないのはツライけど、幌を上げようが下げようが容量は210リッターもある。エンジンは、セダンの2リッターから2.4リッターに排気量アップされてて余裕あるし、カブリオとして非常にマジメに、なおかつ便利につくられてる、と思いました。
欲をいえば、走りにもうちょっと剛性感があるといいけど。ブレーキにもちょっと不安が残る。でもまあ、箱根ターンパイクを飛ばしたりしないからね、このクルマは。
お値段も333.9万円と手ごろだし、スタイルさえ気にいればオススメです。
(文と写真=小沢コージ/2004年6月)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
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