第142回:知られざるインディドライバーの本音 アレはメチャクチャ痛いッス!

2004.06.21 小沢コージの勢いまかせ! 小沢 コージ
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第142回:知られざるインディドライバーの本音 アレはメチャクチャ痛いッス!

■カラダ、丈夫だなぁ

知らなかったっス、そんなこととは。考えてみれば当たり前なんですけど……。
前回お伝えした「インディ500マイルレース」。ご存知、アメリカのインディアナ州で行われる世界最大のオーバルレースなんだけど、そこでインディ初出場の松浦孝亮選手と初めて会ったのね「スーパーアグリフェルナンデス」の。
2004年は11位と、彼自身、順位的には満足してないんだろうけど、練習日からトップタイムの連続で、ルーキー賞ももらってなかなかの活躍。で、ラッキーにもレース後のホンダのパーティでちょっとお話することができたのだ。

インディーカーに参戦中の松浦孝亮選手。チームは鈴木亜久里率いる「スーパーアグリフェルナンデス」。
インディーカーに参戦中の松浦孝亮選手。チームは鈴木亜久里率いる「スーパーアグリフェルナンデス」。 拡大
 
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まずは単純な感想。インディは平均時速300km/h以上のスピードで、距離にして500マイル、つまり約800kmをほぼぶっ続けで走る。時間にして約3時間。今回は雨で短縮されちゃったけど、いわば「東京から広島までずーっと300km/hで走るようなもん」らしい。そりゃ疲れるだろうなぁ、と思ってたわけ。
でも「全然大丈夫ですよ」。実際目の前で普通にメシ食ってたし、そんなもんなのかぁ、カラダ、丈夫だなぁと思ったわけ。

■クラッシュは痛い……

そしたらね、「それより、開幕前のフェニックスでのテストでクラッシュしたのが物凄く痛かった」って。考えてみれば当たりなんだけど、イタイなんてハナシ聞いたことなかったのよ。なんとなく最近は、レーシングカーの丈夫さばっかりイメージにあったんだろうなぁ。もしくは、オーバルでマトモに壁に当たった日本人って、意外とすくないんだろうか? 初めて“イタイ”ハナシを聞きました。ま、とにかく「2度と味わいたくない」とのこと。「特に真後ろから当たるのがツライ」らしい。
全身殴られたぐらいですか? との質問には、
「それの何十倍です(笑)」
うーん……よく生きて帰ってきたと思うが、考えてみれば当たり前だよね。時には何100Gって衝撃がかかるんだから。つくづくインディカーって「走るプロレス」だと思いました。

ついでに俺も無理やり想像してみたのね。小学生のとき、自転車で止まってるトラックにぶつかったことがあったのよ、夜中、よそ向いて走ってて、暗がりでトラックの荷台に頭をバン! 細かい状況は覚えてないけどマジ、目の前に星が飛んで「もう絶対ヤだ〜」って思ったのを憶えてる。(アレ以来バカになったのかも!?)
松浦クンは大人になってから、その何10倍、ン100倍って痛い体験をしてるわけか。

ハタ目にはカッコいいけどさ、レーサーって職業もつくづく考えモンだなぁって思っちゃいました。特にオーバルレース、ありゃ結構、ツラいですよ!

(文と写真=小沢コージ/2004年6月)