フォルクスワーゲン・ゴルフE/GTレザーパッケージ【試乗記(前編)】
ゴルフ革命(前編) 2004.06.08 試乗記 フォルクスワーゲン・ゴルフE/GTレザーパッケージ ……265万1250円/364万8750円 ボディはもとより、エンジン、トランスミッション、足まわりと、なにからなにまで新しくなったフォルクスワーゲンの5代目「ゴルフ」。別冊CG編集室の道田宣和が乗って、オドロイタ!民族系メーカー
世は“プレミアム・コンパクト”の花盛り。「アウディA3」しかり、「アルファ147」しかり、「MINI」しかりである。輸入車のなかでは比較的実用車のイメージが強い「フォルクスワーゲン・ゴルフ」だが、それでもドイツ人の“車格”に対する感覚はちょっと違う。ゴルフはトヨタで言うなら「カローラ」でも「プレミオ」でもなく、なんとさらにその上の「マークII」に匹敵するというのだから驚きだ。要はクルマの値段が高く(日本が安すぎる?)、さらにブランドの力、つまりドイツ人には絶大な安心と満足とを与える地元“民族系メーカー”の製品であることが付加価値を高めているのだ。
そのゴルフが昨2003年夏、ドイツで「ダイナミックな走り、プレミアムなクォリティ、エモーショナルなデザイン」を付加して通算5代目へと生まれ変わり、いよいよこの04年6月から日本でも販売されることになった。それに先立ってVGJ(フォルクスワーゲン・グループ・ジャパン)が箱根でプレス向けの試乗会を開いた。
『webCG』が、ひとコマ60分×2回の限られた試乗枠を充てたのは、とりあえず現状でラインナップされている4車種のうちの両極。すなわち1.6リッターの排気量と240万4500円の価格がベーシックな「E」と、2リッターでかつスポーティ、さらには豪華な革シートがエクスクルーシブな328万6500円の「GTレザーパッケージ」だった。2リッターの排気量がEより上位な「GLi」(278万2500円)と、単に雰囲気だけでなく、実際にサスペンションのセッティングやインチアップされたタイヤ/ホイールなどがスポーティな「GT」(299万2500円)が、EとGTレザーパッケージの中間に位置するモデルだ。
ライバルはレガシィ!
試乗に先立って恒例のレクチャーが行われたが、これがいつになく面白かった。VGJマーケットプラニング部の担当者によれば、輸入車市場で10年連続モデル別販売台数ナンバーワンの座をキープしているゴルフにとって、目下最大の競合車はわが「レガシィ」だそうだ。これには大いに驚かされた。
なにしろ、これまでこうした席で日本車の名が具体的に挙げられたのは、筆者の知るかぎり後にも先にも、「キャディラック・セビル」の発表会における「トヨタ・セルシオ」だけだったからだ。
かつてもっとも手強かった「プジョー307」や「メルセデスベンツAクラス」はこのところ元気がなく、代わってレガシィのように“プレミアム性”を獲得した一部の日本車や、秋に送り込まれる予定の「BMW1シリーズ」などに注目しているとか。時代はすこしずつだが、着実に変化しているのだ。
「プレミアムな」中身
すくなくとも中身に関するかぎり、「4世代/30年間に累計約2300万台が生産された」歴代ゴルフのなかでも、「ビートル」の後を継ぐに当たってなにもかもが180度変わった初代を除けば、今回のモデルチェンジがもっとも著しく進化した。
なにしろエンジンは「フォルクスワーゲン」「アウディ」が誇りとする最新のFSI(ガソリン直噴)仕様となり、オートマチックは4段から6段へ、リアサスペンションはマルチリンクの完全独立式へと、構成ユニットのほとんどすべてが一挙に、飛躍的に新しくなったのだ。しかも、シリーズ全車が最初からその恩恵をフルに享受、“ベーシックな”Eでさえ当然のようにFSIであり、6ATであり、マルチリンクなのである。ゴルフのようなヨーロッパの伝統的なモデルレンジにおいて、これはほとんど「革命」にも比すべきできごとだ。(つづく)
(文=道田宣和(別冊CG編集室)/写真=峰昌宏/2004年6月)

道田 宣和
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