第128回:なぜ日本でボルボがウケるのか?デザイナーに聞いた北欧デザインの秘密
2004.05.13 小沢コージの勢いまかせ!第128回:なぜ日本でボルボがウケるのか?デザイナーに聞いた北欧デザインの秘密
■北欧デザインと戦争
いやー、勝手に大発見しちゃいました。知ってる人には当たり前なんだろうけどね。不勉強な俺は全然知らなかった。それは、ボルボデザイン、ひいてはスカンジナビアンデザインに“戦争が絡んでる”という説。といっても、みなさんがイメージするであろう絡み方とはまったく逆だけどね。
とある会社でV50の取材をしてるとき「V50のインテリアが見たい」っていうデザイナーさんがいて、彼がボソっと一言。「北欧デザインってさ、戦争がなかったからだって言われてるんだよね」。
……ん? なんですかソレ。
調べてみると、スウェーデンは1814年以降、戦争をしてない。第1次、第2次大戦も中立国の立場を保っていて、ほぼ2世紀にわたり戦争に関わってない。これってかなり珍しいことなのだ。
加えて、元々穏やかな国民性なのか、他人を寄せ付けない厳しい風土のせいなのか、ドイツ的な軍国主義や、フランス的な貴族文化がはびこった歴史もない。有名なのはバイキングと、17世紀に一時バルト海周辺を支配したグスタフ・アドルフくらいなもの。それにしたって、ローマ帝国やヒットラーに比べたら大したことないよね。
■日本で人気のワケ
要するに「アンチ権威主義」よ。だからこそボルボにせよサーブにせよ、あんなに平和で優しいデザインになったんだとデザイナー氏。ナールヘソ。
それからね、「太陽が出ないから一日中部屋の中にいるでしょ。だから居心地のいいデザインになったんだよね」とも。フムフム。それはたしかに。イスにせよ、オーディオにせよ、ハッキリいってスウェーデン製品は“引きこもり”向け商品ばっかです。
「だから日本でウケるんだよね。日本にも戦争はあったけど、島国だから激しくないでしょ。徳川時代にしろ約300年も統治が続いたくらいだから。実際、日本も優しいデザイン多いよね。箸とか陶器とか京都のお寺とか」。
一瞬にしてナゾが解けたような気がしました。意外と似てたのね、北欧と日本ってつくづく歴史の勉強って大切ですなぁ。
(文と写真=小沢コージ/2004年5月)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
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