ボルボV70 2.4 Titanium Edition(FF/5AT)【試乗記】
プラス10万円の“T-5スポーツ・ルック” 2003.08.05 試乗記 ボルボV70 2.4 Titanium Edition(FF/5AT) ……516.0万円 1953年に登場した「PV445“デュエット”」から、2003年で50周年を迎えたボルボのエステートを記念して、世界5000台の限定車「V70 2.4 Titanium Edition」が販売された。日本に500台導入されるスポーティなV70に、自動車ジャーナリストの生方聡が乗った。
拡大
|
拡大
|
拡大
|
エステートの50周年
「(プレミアム)ステーションワゴンならボルボ」といわれるほど、日本でもすっかり定着したボルボのエステート、いわゆるワゴンが、2003年で誕生50周年を迎えた。1953年にデビューしたボルボ最初のエステート「PV445」は、“ビジネスとレジャーのふたつのシーンで活躍するクルマ”ということから「デュエット」の愛称で親しまれた。そのスタイル--切り立ったリアエンドや、広くとられたキャビン--は、現在にも継承されている。
ボルボのエステート50周年記念モデルとして、2003年8月1日から限定販売されたのが「V70 2.4 Titanium Edition」(チタニウム・エディション)である。170psのアウトプットをもつ、NA2.5リッター直5のハイチューン版を搭載する「V70 2.4」をベースに、“スポーティ&モダン・スカンジナビアン・デザイン”をテーマにつくりあげられたこのクルマは、全世界で5000台。うち500台が日本で販売される。
チタニウム・エディションの特徴は、なんといっても精悍なエクステリアだ。ボディカラーは、ボルボのスポーティスペシャル「V70R」「S60R」の専用色である“チタニウムグレーパール”を特別に採用。シルバーのルーフレール、バンパーモール、サイドモールを加えることで、スポーティな印象を高めた。
さらに、V70のトップグレード「T-5Sport」に採用される、7.5×17インチアルミホイール“Thor”(ソア)+225/45R17インチタイヤや、T-5Sportにパッケージオプションとして用意されるセルフレベリング付スポーツサスペンションを標準装着。ルーフスポイラーやフロントフォグランプも、雰囲気づくりに貢献している。
一方、室内は、こちらもT-5Sportに採用されるスポーツレザーシートを装着。ドルビープロロジックシステム付きのプレミアムサウンド・オーディオシステムや、アルミニウムパネルが奢られた。V70 2.4にオプション設定される助手席パワーシートやスライディングルーフ、バイキセノンヘッドライトも標準で装着する。トータル46.0万円分の装備を奢りつつ、ベースモデル(パールペイント)より10.0万円高の516.0万円という価格は、実に魅力的だと思う。
拡大
|
拡大
|
“大人の雰囲気”
試乗会場で対面したチタニウム・エディションは、写真で見るよりもスポーティな印象だった。
ユニークなチタニウムグレーのペイントに、シルバーのパーツがアクセントとなったエクステリア。黒を基調とするインテリアとも、派手さはないが、“大人の雰囲気”を表現するには効果的である。ボルボというと明るい色の内装が真っ先に頭に浮かぶが、チタニウム・エディションのようなまとめ方も、個人的には嫌いではない。
身体にフィットするようデザインされたスポーツレザーシートに身を委ね、さっそくテストドライブを開始する。最初の印象は、乗り心地が硬い! オドメーターに刻まれた距離が600kmそこそこ、慣らしも終わっていない状態ということもあるだろうが、17インチタイアとスポーツサスペンションが路面の凹凸をダイレクトに伝える。高速道路を巡航する場面でも、ボディの上下動そのものは小さいが、落ち着きはいまひとつだった。とはいえ、段差を通過するような場合はうまくショックを遮断するので、突き上げられる感じは少なかった。
拡大
|
拡大
|
V70をスポーティに
スパルタンな面をもつチタニウム・エディションだが、エンジンの扱いやすさは従来どおりだ。2.4リッターの直列5気筒DOHCエンジンは、2000rpm以下でも十分なトルクを発揮する。自然吸気エンジンらしくレスポンスにも優れるから、渋滞した街なかでも運転しやすい。一方、まわせば5気筒特有のサウンドとともにフラットで豊かなトルクを紡ぎ出すので、高速道路の追い越しでも困ることはない。高速の直進安定性が優秀なのは、足まわりのチューンも利いているのだろう。
エステートとしての機能性は、評判どおりである。広い荷室が確保されているのはいうまでもないが、たとえば荷室を広げる場合でも、リアシートのヘッドレストを取り外すことなく簡単に操作できる。エステート50年の長い歴史で培った工夫が、随所に活かされているのがうれしい。
T-5Sportほどのパワー(250psある)はいらないが、V70をスポーティに乗りこなしたい人にとって、このチタニウム・エディション、装備でも値段でも、かなり魅力的なモデルだと思う。
(文=生方聡/写真=清水健太/2003年8月)

生方 聡
モータージャーナリスト。1964年生まれ。大学卒業後、外資系IT企業に就職したが、クルマに携わる仕事に就く夢が諦めきれず、1992年から『CAR GRAPHIC』記者として、あたらしいキャリアをスタート。現在はフリーのライターとして試乗記やレースリポートなどを寄稿。愛車は「フォルクスワーゲンID.4」。
-
BSAゴールドスター650(5MT)【レビュー】 2026.6.2 かつて一世を風靡(ふうび)した英国の名門、BSAが復活! 新生第1号モデルである「ゴールドスター650」は、クラシックで優雅なお散歩バイク……と思いきや、ツインカムの大排気量シングルで、ライディングも前のめりに楽しめるマシンに仕上がっていた。
-
ホンダCR-V e:HEV RSブラックエディション(4WD)【試乗記】 2026.6.1 「ホンダCR-V」がフルモデルチェンジ。新型は適切なボディーサイズと高品質な内外装を持ち、乗れば最新のホンダ車らしい気持ちよさが味わえる。ただし、その月販目標は400台。ちょっと弱気ではあるものの、周辺事情にも考えを巡らせると極めて妥当な数字にも思えてくる。
-
トヨタRAV4 GRスポーツ(4WD/CVT)【試乗記】 2026.5.30 新型「トヨタRAV4」のプラグインハイブリッド車ではEV走行換算距離が約150kmにまで到達。もちろん電池容量の拡大によるところも大きいが、何よりも最新のハイブリッドシステムによる効率向上が効いている。「GRスポーツ」をドライブした印象をリポートする。
-
キャデラック・リリックV(4WD)【試乗記】 2026.5.29 キャデラック初の電気自動車(BEV)「リリック」に、最高出力646PSのハイパフォーマンスモデル「リリックV」が登場。“ブランド史上最速”をうたう豪速SUVだが、実際に乗ってみると、高い動力性能がもたらすゆとりや心地よさにも魅力を感じる一台となっていた。
-
DS N°8エトワールAWD(4WD)【試乗記】 2026.5.28 前衛を身上とするフランスのラグジュアリーブランド、DSオートモビルから、新たなハイエンドモデル「DS N°8(ナンバーエイト)」が登場。当代屈指の性能を誇る電気自動車であり、かの地では大統領専用車にも選ばれる一台の、独創の魅力に触れた。
-
NEW
第290回:商用バンで砂漠を行く親子が向かうのは天国か地獄か 『シラート』
2026.6.4読んでますカー、観てますカー失踪した娘を探して親子はモロッコの砂漠へ。砂漠で開催されていたレイブパーティーが最高潮に達した頃、軍隊がやってきて中止させられる。親子が乗るFFの商用バンは次のパーティー会場にたどり着けるのか……。 -
NEW
ホンダCR-V e:HEV RSブラックエディション(前編)
2026.6.4あの多田哲哉の自動車放談ひさびさに日本市場に戻ってきた、ホンダを代表するSUV「CR-V」。最新世代の仕上がりを、トヨタの車両開発者だった多田哲哉さんはどう評価する? まずは、ワインディングロードを走らせた第一印象から。 -
NEW
第964回:フィアットグッズのコレクターから学ぶ人生訓
2026.6.4マッキナ あらモーダ!イタリア在住の大矢アキオが、トリノで著名なフィアットグッズのコレクターを取材。若き日の苦労を経て大成した人物が語る、人生で大切なものとは? フィアットやイタリアの歴史を物語る、貴重なコレクションの数々とともに紹介する。 -
NEW
気づけばすでに4モデル スバルのBEV戦略と水平対向エンジンの未来を考える
2026.6.4デイリーコラム「ソルテラ」に続き、「トレイルシーカー」「アンチャーテッド」「ゲッタウェイ」と、いつの間にか4モデルが顔をそろえたスバルのBEV。伝統的な水平対向エンジンやシンメトリカルAWDはこの先どうなるのか? スバルの未来戦略を探る。 -
レクサスES350h(FF/CVT)/ES350e(FWD)/ES500e(4WD)【海外試乗記】
2026.6.3試乗記「レクサスES」がフルモデルチェンジ。シャシーがFFベースというのは歴代モデルと同じだが、新型ではボディーサイズがググッと拡大。「LS」の6輪ミニバンコンセプトが登場したこともあり、今後のレクサスセダンの総代を担うことになる。北米で乗った印象をリポートする。 -
ミドシップ化で運動性能はどう変わる? 「GRヤリスMコンセプト」の現時点での完成度を体感
2026.6.3デイリーコラム「GRヤリス」をベースとしたミドシップ4WDとして市販化を目指す「GRヤリスMコンセプト」。現在もスーパー耐久に投入されるなどして鍛えられているが、その開発車両をドライブできた。普通のGRヤリスとの運動性能の違いや、新開発エンジンの印象などをリポートする。































