マツダ・アテンザセダンXD(FF/6MT)【試乗記】
もうガソリンには戻れない 2013.03.26 試乗記 マツダ・アテンザセダンXD(FF/6MT)……326万2250円
すでに高い人気を博している新型「マツダ・アテンザ」。今回は多彩なラインナップの中でも、ツウをうならせるマニアックなディーゼル×6段MT仕様に試乗。最新鋭のディーゼルエンジンを「手こぎ」で堪能した。
評判はすでにご存じでしょうが
モノ作りを底の底から見直そうと、マツダが精魂を込めたスカイアクティブの木にまた一つ、大きな花が咲いた。「CX-5」に続くフル・スカイアクティブの第2弾は新型「アテンザ」(セダンとワゴン)。じっくり試乗した結果から報告すると、ほとんど全方位、ドライバーとして納得しやすい秀作だ。乗せてもらっても、自分でステアリングを握っているような気がしてうれしい。
その評判はすでに広く報道され、まだ乗ったことのない人たちまで口をきわめて褒めそやすほど。がっちりしたボディーがもたらす重厚感と、ドライバーの気持ちを先取りするような軽快さの巧みな融合が最大の魅力。全長4.8m+α、ホイールベース2.8m+α(ワゴンは荷室床面のフラット部分を稼ぐため、少し短い)のたっぷりサイズを生かしたのびやかなボディーラインにも、素直な走行感覚が薫る。
そんな完成度の高さは、いまさら耳タコだろうから、ここでは特に、話題のディーゼルに焦点を絞ってみよう。16年前にドイツで産声をあげた新世代コモンレール・ターボディーゼルたが、日本では古いイメージを拭いきれず、ずっと日陰の存在に甘んじてきた。そんな閉塞(へいそく)状況を完膚なきまでにたたき破ったのがCX-5、そして新型アテンザなのだから、まさに歴史的記念碑だ。