「スタビライザーについて」
2001.12.10 クルマ生活Q&A サスペンション「スタビライザーについて」
スタビライザーを強化すると、ロールが少なくなってキビキビした操作フィールを得られると聞きます。魅力を感じますが、コーナリング限界時の挙動等に不安を感じます。どのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。(AWさん)
お答えします。スタビライザーとは、左右のサスペンションを連結するバーのことで、目的はコーナリング時のロールを小さくするところにあります。モータースポーツでは当たり前の装備で、市販車でも装備しているクルマが多くなっています。メリットは、乗り心地をそこなわずに、きびきびとした走りが出来るようになるところにあります。太さによって、クルマの運動性能が変わるため、極端に強くすると路面との追従性が悪くなり、カーブを高速で曲がろうとしたときに段差があると横っ飛びする恐れもあります。また、雨の日はグリップを失うこともあります。これがデメリットです。
ロールを抑えることをロール剛性を上げるともいいます。一般的にフロン トのスタビライザーを強くしてロール剛性を上げるとアンダーステアになり、リアのを強くするとオーバーステア傾向になります。

松本 英雄
自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。