「ローダウンにしても大丈夫?」

2002.01.15 クルマ生活Q&A 金子 浩久 サスペンション

「ローダウンにしても大丈夫?」

クルマをローダウンにしようと思っています。 そこで質問です。ローダウンにする場合、サスペンションを一度分解しますが、アライメントを取り直したほうのがよいのでしょうか? 私はスプリングのみを交換しようと思っていますが、ダンパーも交換したほうが良いと聞きます。実施のところはどうでしょうか。ローダウン自体、メーカーが何年もの期間をかけて開発した設定を変えてしまうので少々心配ですが、 ローフォルムのスタイルにはひかれます。ぜひ、良いアドバイスをお願いします。(KNさん)

お答えします。結論からいうとローダウンはオススメできません。街中から高速まで通常の走行を前提としているなら、なおさらです。サスペンションというのはほんのすこしイジっただけで、操縦安定性がおおきく変わってしまうからです。

ローダウンのメリットはサスペンションが硬くなると同時に重心が低くなるのでコーナリング性能が上がるところにあります。ただしそれとひきかえに、乗り心地の悪化やタイヤの偏摩耗、さらに車体の傷みなどがもたらされます。

独立懸架のクルマでローダウンした場合、サスペンションアームの動きが限られてしまいます。タイヤもサスペンションとの位置関係により円弧を描くようにフェンダー内部へ入りこむためネガティブキャンバー(ハの字)になり、ホイールアライメント(メーカーが指定しているタイヤの位置ぎめ)はかなり変わってしまいます。

ホイールアライメントが変わると、ステアリングが重くなりタイヤの片減りもすることでしょう。タイヤの方向をかえるステアリング系のロッドが引っぱられるため、トー変化がおこってきます。その結果、操縦性に影響がでます。

見た目はかっこいいかもしれませんが、普段乗るにはしんどいこともあると思いますし、それなりの覚悟が必要です。

金子 浩久

金子 浩久

『10年10万キロストーリー4』
(金子浩久著)
1台のクルマに、10年もしくは10万キロ以上乗ってきたオーナーを、金子浩久が取材。クルマとヒトの生活を、丁寧に紙の上に載せていきます。『NAVI』人気連載の単行本化! →二玄社書店で買うアマゾンで買う