「MT車を駐車するときギアはいれる?」

2001.03.21 クルマ生活Q&A 松本 英雄 トランスミッション
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「MT車を駐車するときギアはいれる?」

ある雑誌に「MT車の駐車時にはローかバックに入れておくのは常識。誤操作による事故があるが、エンジンをかける時にクラッチを踏まないのは非常識としかいえない」と書いてありました。そうなんですか? 私は当り前のようにニュートラルに入れてましたが。(OHさん)

お答えします。駐車時はマニュアル車の場合1速かリバースに入れておいたほうが良いでしょう。万が一サイドブレーキの効きが不十分だった場合でも、1速かリバースならばギヤ比が低いので、クルマが動きにくいのです。

サイドブレーキは通常の後輪のブレーキをワイヤで引っ張るという機械的な構造になっています。ブレーキレバーがしっかりしていてもブレーキの「当たり」が悪い場合もあるし、ワイヤが延びている場合もあります。そうなるとクルマは動いてしまいます。

乗りくたびれたクルマの場合、ギアボックスも疲弊してギアが抜けやすくなります。その場合は、逆にサイドブレーキが保険になります。つまりつねにふたつのブレーキを併用することがのぞましいのです。

誤操作については、エンジンを切ったら1速かリバースに入れるくせをつけ、乗るときにはギヤポジションをニュートラルにしてから、クラッチを踏んでエンジンをかけるようにすると防げます。

エンジンをかけるときにクラッチをきったほうがいいか、きらないほうがいいかについては、そのクルマ固有の構造ともかかわってくるので、一概にはいえません。ただし急発進のような誤操作を防ぐ、という観点にたてば、クラッチペダルは切ったほうがいいでしょう。

松本 英雄

松本 英雄

自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。