「エンジンブレーキはクルマに悪い?」

2000.08.25 クルマ生活Q&A 松本 英雄 エンジン
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「エンジンブレーキはクルマに悪い?」

エンジンブレーキについて,お聞きしたいことがあります。たとえば、時速60キロ/2000回転ぐらいで走っているときに、2速に落としてエンジンブレーキを使った場合、エンジン回転数が4000近くにまで上がります。そうするとなんとなく、エンジンに悪いんじゃないかとか、燃費が悪いんじゃないかとか思ってしまいます。実際のところはどうなのでしょうか。(東京都TSさん)

お答えします。エンジンブレーキは使いかたが重要です。シフトダウンしたとき、エンジン回転が高くなっても、下り坂でアクセルペダルをオフにしていれば、必要以上のガソリンがエンジンにいくことはありません。よって燃費が特に悪くなることもありません。ただし、エンジンの回転が上がった状態でスロットルを閉じれば、エンジンの往復運動に抵抗が増してブレーキ(エンジンブレーキ)がかかります。これは燃費の効率からいうとよくありません。

エンジンへの負荷という点では、エンジンブレーキのみのスピード制御では、けっしてよくはありません。車体の速度をエンジンの抵抗によって抑制するわけですから、エンジンには高負荷がかかります。制動力をすべてエンジンブレーキに委ねるのではなく、フットブレーキである程度、速度を落としてからエンジンブレーキを使うほうがエンジンへの負担を軽くすることができます。

松本 英雄

松本 英雄

自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。