第253回:【Movie】ダチアと左官屋さんが運んできた「新しいヨーロッパ」
2012.07.13 マッキナ あらモーダ!第253回:【Movie】ダチアと左官屋さんが運んできた「新しいヨーロッパ」
わが家の上の左官屋さん
11年前、シエナ旧市街のアパルタメントに引っ越したときのことだ。上階にはルーマニア人の左官屋さん兄弟が住んでいた。故郷に家族を残し、イタリア人の親方のもとで出稼ぎとして働いていた。
ルーマニア語は東欧では珍しく、イタリア語と同じロマン諸語である。コミュニケーションが比較的容易なため、多くのルーマニア人がイタリアの建設現場に働き口を求めてやって来るのだ。
あるとき、ボクがイタリアにおける外国人事情ということで彼らを取材しようとしたら、「まだ滞在許可証の申請中だから」と及び腰な返事が返ってきた。ちなみにその頃、彼らはイタリア人から「エクストラコム二ターリ(EU域外人)」と呼ばれていた。彼らの家では、年に数回祭りを開くらしく、エキゾチックな民族音楽が聞こえてきたものだ。しかししばらくして、彼らはわが家の上階から姿を消した。

大矢 アキオ
コラムニスト/イタリア文化コメンテーター。音大でヴァイオリンを専攻、大学院で芸術学を修める。1996年からシエナ在住。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとして語学テキストやデザイン誌等に執筆活動を展開。20年にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストなど、ラジオでも怪気炎をあげている。『Hotするイタリア』、『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、『メトロとトランでパリめぐり】(コスミック出版)など著書・訳書多数。YouTube『大矢アキオのイタリアチャンネル』ではイタリアならではの面白ご当地産品を紹介中。
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