マツダ・アテンザ スポーツワゴン 23S/20F(4AT/4AT)【試乗記】
売れスジは2.3だけど 2002.07.10 試乗記 マツダ・アテンザ スポーツワゴン 23S/20F(4AT/4AT) ……289.3万円/226.7万円 2002年6月24日、マツダの世界戦略車「アテンザ」に「スポーツワゴン」が追加された。月販目標2500台のうち、60%を占めると見込まれる主要モデルに、webCG記者が試乗した。アテンザ、売れてます
マツダの世界戦略車「アテンザ」、売れているらしい。2002年5月20日の国内販売開始から約1ヶ月後の7月1日までに、月販目標2500台の3倍以上、7500台を超える受注があったという。ボディ形状別に売り上げを見ると、7500台のうち約4000台が5ドアハッチバックの「SPORT」、約2000台が「セダン」。日本で5ドアハッチの販売は振るわないと聞くが、アテンザは売れてます。エクステリア担当のエンジニア氏は「ハッチバック然としたカタチでなく、セダンに近くてかつスタイリッシュだから人気があるのでは」と分析する。
排気量別では、2.3リッターが8割という圧倒的多数! スポーツを謳うアテンザの魅力を存分に発揮するモデルに、人気が集まったということか。デビュー時は好調な売れ行きを示す、いわゆる“新車効果”が大きいのかもしれないが、なにはともあれ、おめでとうございます。あまり無理をなさらぬように……。
さて、計算が得意な読者の方はお気づきでしょうが、7500台のうち残る1500台が、2002年6月24日にリリースされたばかりの「スポーツワゴン」である。グレードは、2リッター直4DOHC(144ps/6000rpm、18.6kgm/4500rpm)を積むベーシックモデル「20F」と、2.3リッターDOHC(178ps/6500rpm、21.9kgm/4000rpm)を搭載する「23C」、パワープラントは同じながら、ヘッドランプがキセノンからプロジェクター式になり、エアロバンパーやサイドスカートなどを装着する、スポーティな「23S」の3種類。アテンザスポーツこと5ドアハッチと同じ構成だ。価格も5ドアと同じ(!!)で、下から200.0万円、210.0万円、230.0万円となる。
ファミリーの一員
「スポーツワゴン」と銘打つアテンザワゴンのボディは、ルーフ後部が若干下げられ、角度がつけられたDピラーへと続く。横からみると微妙にお尻がすぼまり、流れるようなラインだ。けっこうカッコイイ。ボディサイズは、全長×全幅×全高=4690×1780×1440mm。セダンより5mm高いが、SPORTより5mm低い。ホイールベースは2675mmでファミリー共通だ。
開口部が大きく、リアのバルクヘッド(キャビンと荷室の仕切り)をもたないワゴンは、セダンよりもボディ剛性が低くなりがち。アテンザワゴンは、各部に強化が施された。ルーフとDピラーがつながる曲面内部に、熱が加わると発泡して硬化する樹脂を充填。塗装時の熱によって、ボディ内部に樹脂が行き渡って固まる。ほかにも、リアサスペンションのホイールハウスとボディ部にブラケットが、荷室下部にクロスメンバーが配され、セダンと同等の剛性を確保したという。
インテリアは、基本的に他のモデルと変わらない。例えば最初に乗った「23S」の、ブラックとシルバーのスポーツシートやオレンジ色の発光メーターは、ハッチバックの「23S」と同意匠。アテンザファミリーの自慢、荷室のレバーを引っぱるだけで座面が沈むと同時にリアシートが前に倒れ、荷室を拡大する「KARAKURIフォールド」は、もちろん標準装備。ホイールハウスの張り出しが少なくて荷室が広く、フラットなラゲッジルームは使い勝手が良さそうだ。
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今後が楽しみ
アテンザワゴンのスポーティ版「23S」は、215/45R17とアグレッシブなサイズのタイヤを履くので、乗り心地が悪いかと心配したが、まったく問題なかった。セダンやハッチバックと同じ、フラットな乗り心地。178psと21.9kgmを発生する2.3リッターツインカムは、振動をうち消すバランサーシャフトが組み込まれ、スムーズ至極。そのうえ、「S-VT」と呼ばれる可変バルブタイミングを備え、ハッチバックより30kg、セダンより80kg車重は重いが、パワー不足を感じることはなかった。
続いて乗った「20F」は、「グレースグリーンマイカ」と呼ばれる濃いグリーン。「ちょっと地味かな」と思って乗り込む。205/55R16と、マイルドなタイヤを履くせいだろう、正直にまろやかなドライブフィールだ。ウェイトが2.3リッターモデルより大人1人分軽く、かつ前軸重量が2.3リッターより30kg軽い500kgだから、ステアリングの応答が2.3リッターよりちょっと軽やか。締まった「23S」と比較すると、これまた正直に乗り心地が良いので、個人的には「20F」のほうがスキ。エンジニアの方も「突き上げの多い道では、2リッターのほうが乗り心地はいいでしょう」(エンジニア氏)とおっしゃる。
試乗直後、セダンに乗ってみたところ、ワゴンは「ドラミングノイズ」が若干発生することがわかった。ワゴンは、荒れた道でドコドコという低音が、少々耳につく。セダンには、それがない。もっとも、エンジニアの方々は、「リリースしたクルマを出しっぱなしにするのではなく、年々改良を重ねて熟成させていきたい」と口を揃えておっしゃるので、マイナーチェンジなどで解消されていくのではないか。
アテンザワゴンには、5段ATと、電磁石で湿式多板クラッチを制御して前後輪のトルク配分を行う4WDモデルが、2002年8月1日に追加される予定だ。2.3リッターに5段MTも導入されるという。「もったいぶらずに、早く出せぇ」という感もあるが、“熟成”というコトバも聞かれたことだし、今後の発展も楽しみだと思った。
(文=webCGオオサワ/写真=難波ケンジ/2002年7月)

大澤 俊博
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