トヨタ・カムリ 2.4Gリミテッドエディション 2WD(4AT)【ブリーフテスト】
トヨタ・カムリ 2.4Gリミテッドエディション 2WD(4AT) 2001.11.01 試乗記 ……255.0万円 総合評価……★★★★ニアリー・ベストバイセダン
プロナード、ウィンダムに続いてついに本命登場! ……というわりに地味な実用セダンですが、アメリカのパセンジャーカー市場で1997年から4年連続ベストセラーカーに輝く実力派なんです。トヨタ・カムリ。屋台骨。庶民派モデル。兄弟のレクサス「ES300」こと邦名ウィンダムのドライブトレイン「3リッター+5段AT」に対し、トヨタブランドのカムリは「2.4リッター+4段AT」とグッと控え目。
グローバルカーらしい伸びやかなボディを、先代より50mm延長したホイールベースに載せる。日本の街なかでは「オッ!?」と思わせる大きさ。室内も真正直に広くて、室内幅に比して細いフロアコンソールとセンタートンネルが、いかにもFFモデル。前後席とも、文句ないスペース。
大きなドンガラを4気筒で走らせるところも好ましい。動力性能はまったく妥当で、コンベンショナルな4スピードオートマチックはスムーズ至極。4輪ストラットをもつアシがちょっと硬いか? ……と思ったら、ダンパーを「SPORT」モードにしてました。硬軟4段階中「2番目にソフトなの」が個人的に好み。
フロントアンダーボディを覆ったCD値=0.28の空力特性もジマン。ハイウェイクルージングが得意。550kmほど走ったテスト期間中、乗れば乗るほど、真っ当なつくりに好感が増した。ちょっと大きめだけど、間違いなく日本で買えるベストバイセダン。ただし、電子立国民向けの付加価値装備「H ∞ TEMS」ことセミアクティブ装置はいらんかも。
【概要】 どんなクルマ?
(シリーズ概要)
2001年9月27日に日本での販売が始まったトヨタの世界戦略車。特に北米では、先代が1997年から4年連続でベストセラーカー(乗用車)に輝いた。5代目となった今回は、「新世紀、World Major」を開発テーマに、広い室内をさらに拡大すべく、ホイールベースを50mm伸ばし、ボディも全長で15mm、全幅は10mm、そして全高が70mm大きくなった。空力特性のよさもジマンで、CD値はわずか0.28。エンジンは、2.4リッター直4一本。コンベンショナルな4輪ストラットの足まわりをもつ。
(グレード概要)
国内版カムリは、「2.4G」と「ツーリング」に大別される。後者は、ノーマルより1インチアップの16インチホイールを履き、リアスポイラーを装着してスポーティに装ったもの。2.4Gは、スチールホイール、ウレタンステアリングホイールなどを装備する標準モデルと、アルミホイール、セミアクティブサスたる「H∞-TEMS」、本革巻きステアリングホイール、クルーズコントロールなどを備えた「リミテッドエディション」、さらにナビゲーションシステムを搭載する「リミテッドエディション・ナビパッケージ」がカタログに載る。2.4Gには、FFのほか、4WD車も用意される。
【車内&荷室空間】 乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★★
太いセンタートンネルが必要ないエンジン横置きFF車の特徴を積極的に活かした、実用最優先のインパネまわり。横一線、テーブル型のダッシュボードと、ギアボックスがキャビンに侵入しないため広くとれたATシフター前の小物置きが印象的。オーディオとエアコン関係にわかれ、用途が明快なボタン類が好ましい。大きなメーター類も見やすい。ユーザーフレンドリーだ。
(前席)……★★★
運転席側のみパワーシートとなり、背もたれ横にダイヤル式のランバーサポートが備わる。欧米人の大柄な体格に合わせたとカタログには謳われるが、小柄な日本人が乗っても違和感ない大きさ。座り心地は、見た目同様平凡なもの。ドア、同乗者側、左右両方面ともじゅうぶんなスペースがとられる。フロアコンソールの、物入れにもなる2本分カップホルダー、薄い小銭入れと20cmもの深さを誇る物入れ「2段式大型コンソールボックス」は非常に便利。
(後席)……★★★★
文句なく広い。左右のドア間は約150cmもあり、膝前、頭上ともスペースは十分。サイドウィンドウがわずかに内側に倒れ込むが、むしろ大きな窓による開放感の方が強い。シートサイズがたっぷりしているのもいい。ただ、クッションに腰がないのが気になるところ。フロアコンソール後端に、後席用エアコン吹き出し口あり。ISOFIX対応チャイルドシート用固定バーほか、シートベルトが首にあたらないよう高さを調整する「チャイルドコンフォートガイド」が備わる。リミテッドエディションには、リアサンシェードが標準で装備される。
(荷室)……★★★★★
「広大」という決まり文句が自然に口をつく。床面最大幅157cm、奥行き119?、ラゲッジルームの天地は55cm。「ラージセダンをも凌ぐ約587リッター(VDA法)の大容量」とカタログには謳われる。ゴルフバッグに換算するまでもない? ちなみに、先行発売された兄弟車「プロナード」より広い。
【ドライブフィール】 運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★
レクサスブランドのES300(邦名ウィンダム)がV6を持つのに対し、庶民派カムリは、2.4リッター直4のみ。とはいえ、VVT-i(可変バルブタイミング機構)を採用した「2AZ-FE」は159psと22.4kgmというアウトプットを発生、1420kgのボディには、まったく十分だ。常用域では静かな一方、回すと、インライン4らしいビートとともにエンジン音が高まる、なかなか快活な心臓。トランスミッションはコンベンショナルな4段だが、「Super ECT」ことトヨタ自慢の「スーパーインテリジェント」4ATは、スムーズでショック少なく、シフトタイミングもいい。熟成しつくされた感がある。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★
「トヨタの大衆車なのに、やけにヨーロピアンな(?)硬い足だな」と思っていたら、セミアクティブサスたる「H∞-TEMS」が最もハードになっていました。電子的にショックアブソーバーの減衰力をコントロールするこのシステムは、硬軟4段階のモードをもつ。最も「SPORT」にするとややツッぱる感があり、逆に「COMFORT」にダイヤルを回し切ると、前後にあおるピッチングが気になる……ヒトがいるかもしれない。とはいえ、おとなしいクルマの性格通り走るなら、最もソフトなこの“安楽”モードで十分だ。ハンドリングはまったく素直で、従順そのもの。
(写真=清水健太)
【テストデータ】
報告者:webCG青木禎之
テスト日:2001年10月11日から12日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2001年型
テスト車の走行距離:1105km
タイヤ:(前)205/65R15 94H/(後)同じ(いずれもヨコハマ Radial390)
オプション装備:−−
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(2):高速道路(7):山岳路(1)
テスト距離:555.2km
使用燃料:66.8リッター
参考燃費:8.3km/リッター

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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