マークIIブリット2.5iR-V(4AT)【ブリーフテスト】
マークIIブリット2.5iR-V(4AT) 2002.05.22 試乗記 ……388.8万円 総合評価……★★★セダンは地味すぎた?
FWD(前輪駆動)の「カムリグラシア」ベースだった先代マークIIワゴン「クオリス」から、RWD(後輪駆動)の新型マークIIベースに変わったら、サブネームまで「ブリット」と、弾丸(bullet)や猛攻(blitz)を連想させる勇ましいものになった。
なかでもこのiR-Vは、280psのターボエンジンを積むシリーズ随一のホットモデル。狙うはもちろん日産ステージアのターボモデル。セダンと差別化された専用の4灯式ヘッドライトをもつ顔つきは、GM(ゼネラルモーターズ)のショーカーのよう。テラーっとした深いエアダム一体の前後バンパーは、ショップが仕立てたエアロカスタムのよう。要するにセダンよりもステージアよりもずっと押し出しが強い。マークIIは真っ当なセダンに生まれ変わったはずだが、あれではやっぱり地味過ぎたと反省したということか。それにしても、プレミアムスポーティワゴンという触れこみのマークIIブリットがちっとも上品に見えないのは、リポーターの歳のせいだろうか?
【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
2002年1月25日にデビューしたマークIIのワゴンバージョン。FF(前輪駆動)の「カムリ」をベースとした先代「クオリス」と異なり、マークIIセダンのプラットフォームを使う「ブリット」はFR(後輪駆動)。リアサスペンションに、自動車高調節機能が付いた「セルフレベリングショックアブソーバー」(廉価グレード“Jエディション”には搭載されず)などによる高い走行性能と、ワゴンならではの収納性を兼ね備えたのがウリだ。荷室に設けられた折り畳み式収納ボックスも、目玉の一つ。
エンジンラインナップはセダンと同様。形式はすべて直列6気筒DOHCで、2リッター、2.5リッター直噴(2WDのみ)、2.5リッター(4WDのみ)、2.5リッターターボの4種類。2リッターと2.5リッターには、FRのほかに4WDモデルも用意される。
(グレード概要)
「2.5iR-V」は、2.5リッターツインカムターボを搭載する、ブリットの最上級グレード。280psの最高出力と最大トルク38.5kgmのアウトプットを誇る。「プレミアムスポーティワゴンの頂点」(カタログ)を標榜するだけあって、走りに関わる装備が充実。パワーステアリングは、車速によってステアリングの重さを適切に調節し、自然なフィールを実現したという「新プログレッシブパワーステアリング」。タイヤもスポーティで、フロント215/45ZR17、リア225/45ZR17を履く。トラクションコントロールを標準装備するのは、このグレードだけ。運転席には電動パワーシートが奢られる。
【車内&荷室空間】 乗ってみると
(インパネ+装備)……★★
相変わらずの黒一色である。スポーティグレードになると判で押したようにシートもダッシュボードも黒づくめ、他にアイディアがないのかとがっかりする。インストゥルメントの仕立てはセダンと事実上同一。したがって特に問題はないが、いうこともなし。
(前席)……★★★
電動調整機構付きのドライバーズシートはサイズ大きめ。横方向のスペースも充分にあり、小物入れなども完備。さすがにこのあたりは抜かりない。色調のせいで開放感がないことが残念だ。
(後席)……★★★
セダンと同じパッケージングだから膝まわりのスペースなどには不満なし。ただし、シートの背を倒した時(シングルフォールディング式)に、荷室床面をフラットにするべく、クッションもバックレストも形状が平板。あまり座り心地は良くない。フロントシートより閉所感も強い。
(荷室)……★★★★
ダブルウィッシュボーン式のリアサスペンションハウスが荷室内に張り出すが、容量自体は475リッターとまずまず。テールゲートのオートクロージャーや折り畳み式ユーティリティボックスなどの小技も効いている。リアバンパーは大きく高い位置にあるので、重い荷物の積み下ろしの際には傷が付きそうだ。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★
2.5リッターターボエンジンには電子制御4ATが組み合わされる。言うまでもなくパワフルでどんな場面でも不足はないが、スロットルを踏み込むと野性的というより粗野な一面を露わにする。根元的な問いであるが、直噴2.5リッター6気筒という優れたエンジンがあるのに、280psターボが今も必要なのだろうか。大きなアウトプットにあわせ、アクセル開度と各輪のブレーキをコントロールして車両を安定させる「VSC」(6.0万円)は、オプションではなく標準装備にすべき。
(乗り心地+ハンドリング)……★★
派手なクロームメッキホイールに組んだフロント215/45ZR、リア225/45ZRというサイズのタイアを履きこなせていないようで、乗り心地は硬く突き上げが気になる。これだけのタイアを履けば当てずっぽうに(?)走ってもそれなりに速いが、ステアリングフィールは不自然で繊細なコントロールとは無縁。「ちょっとアンチャン向け過ぎないか?」というのが、正直な感想である。
(写真=郡大二郎)
【テストデータ】
報告者:CG編集委員 高平高輝
テスト日:2002年3月1日から3日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2002年型
テスト車の走行距離:2203km
タイヤ:(前)205/55ZR16(後)同じ(いずれもブリヂストン POTENZA RE040)
オプション装備:クルーズコントロール(2.6万円)/VSC(ビークルスタビリティコントロール)(6.0万円)/盗難防止システム(エンジンイモビライザー)(2.0万円)/SRSサイドエアバッグ&カーテンシールドエアバッグ(8.0万円)/DVDボイスナビゲーションTV付きエレクトロマルチビジョン(27.0万円)/インダッシュCDチェンジャー+MD一体AM/FMマルチ電子チューナー付きラジオ+6スピーカー(4.2万円)
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(2):高速道路(5):山岳路(3)
テスト距離:100.9km
使用燃料:18.6リッター
参考燃費:5.4km/リッター

高平 高輝
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