スバル・インプレッサSTiシリーズ【試乗記】
スバル・インプレッサSTi「ちょい乗り」試乗報告 2000.10.25 試乗記 ノーマルでもじゅうぶん速いスバル・インプレッサの、(さらなる)スポーティバージョン「STi」シリーズが、2000年10月24日、280psニットと6段MTをひっさげてデビューした。翌25日、web CG 記者が、さっそく同シリーズに試乗! 小雨ふるハコネから報告します。シェキナベイビー……、オシリがイタイ
WRX STi type RA(6MT)……315.3万円
青が目に鮮やかな「エクセーヌ」ことバックスキン調専用バケットシートにスッポリ体をはめ込んで、「しかしクッションが薄いナ」と思いながらやや重いクラッチペダルを踏んで発進すると、ア、ワ、ワ、ワ……って、なんて硬いアシなんだ。フロントスクリーンごしに、小山のような大型エアインテイクが上下に揺れている。ノーマルSTiモデルより10%バネレートをアップしたタイプRA。いわずと知れた、競技車両ベースなり。
3500rpmからモリモリとパワーが湧いてきて、ノーマルターボモデル比マイナス40kgボディの、あまりの加速にアルミペダルを踏む力もゆるみ勝ち。
驚いたのは、「もう、ご主人様がステアリングを切るのを待っていられない!」とばかりのスンバラシイ回頭性。15:1から13:1に速められたステアリングギアと、細められたフロントアンチロールバーの恩恵であろう。
コマネズミのようなRA。可能なかぎり競技場で使おう。街乗りでは、オシリがイタイ。
[テスト車は、RAの17インチモデル。RAには、機械式フロントLSDを装備、ABSなどを廃した純然たる競技ベースたる16インチモデルも用意される(296.8万円)]
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じゅうぶんスペシャルWRX STi(6MT)……332.3万円
T字型のSTi専用キーを捻ると、2リッターフラット4が「ドコドコドコ!」と歌いだす。
鍛造ピストン&コンロッドを組み込んだシングルターボユニットは、先代より100rpm低い6400rpmで280psの最高出力、4000rpmで同2kgm増しの最大トルク38.0kgmを発生する。AVCSと呼ばれる吸気側可変バルブタイミング機構を搭載、「滑らかなトルクカーブ」を謳うが、それでも3000rpm以下ではまるで意気地がない。
しかし、タコメーターの針をトルクバンドから外さないために、ニューSTiの目玉、6段MTはある。ストロークは短く、カチッと節度あるフィールが好ましい。前に乗ったRAでは「ずいぶんシブい」と感じたが、各車1000kmに至らない、短い走行距離ゆえの個体差か。
250psモデルより2割方サスペンションをハードにセッティングしたというSTiだが、RAと較べると、グッと文化的。ヨンゴータイヤが細かいゴツゴツを拾うけれど、足まわりは路面のうねりによく追従して、「しなやか」とさえ感じる。もちろん、絶対的には硬い。
「ホントは、もっといろいろやりたかったんですけどねぇ。ボディは、防音・防振材を抜いて軽量化したくらい。衝突安全性を犠牲にするわけにもいきませんし……」とエンジニアの方が言う。大丈夫。じゅうぶんスペシャルですから。ブツけないように気を付けます。
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洒落者の走り屋にスポーツワゴンSTi(6MT)……308.3万円
「日常の使い勝手を重視」した5ナンバー、ワゴンボディのSTi。しかし、エンジンフードを開ければ、WRX同様「STi」と大書されたインタークーラーが、赤チヂミ塗装をしたインテイクマニフォルドの上にデンと鎮座する。先代より50%コア容量が増やされたのがジマンだ。ウォータースプレイも備わる。
ちなみに、フロントストラットタワーバーは、富士重工航空宇宙部門のノウハウを活かしたという。パイプはチタン、両端の取り付け部はアルミダイキャスト。
スポーツワゴンSTi、フロントLSDは装備しないが、走らせればこれまた速い。タイヤサイズは、セダンより狭いトレッドに合わせ、215/45ZR17とちょっぴり細め。
「センターデフ+ビスカスLSD」を備えた4WDシステムで、雨の日でもガンガン……、トバし過ぎると危険です。
ワゴンというより実質5ドアハッチの荷室だが、車体寸法と合わせ、日常使うには便利だろう。「洒落者の走り屋」向け。
(web CG アオキ/写真=阿部ちひろ/テスト日=2000.10.25)

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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