フォード・マスタング コンバーチブルG「イエローマスタング」【ブリーフテスト】
フォード・マスタング コンバーチブルG「イエローマスタング」 2001.06.06 試乗記 ……390.0万円 総合評価……★★★★黄色いバスタブ
1995年の4509台をピークに、販売逓減止まらないポニーカー。99年のビッグマイナーチェンジでパネル一新、フロントフェイスをはじめシャープにモダナイズされたが、伸び悩む。
テスト車の「イエローマスタング」は、2001年6月5日から限定50台で販売された特別仕様車。3.8リッターV6モデルをベースに、本革シート、6連奏CDチェンジャーなどを装備して、10.0万円高の390.0万円に価格を抑えた。機関面での変更はない。
たっぷりしたクッションのドライバーズシートに座ると、ペダルの遠さに彼我の体格の差を知るアメリカンスペシャルティ。足が短いリポーターは、やや仰向け気味にポジションを取ってガスペダルを踏む。193ps、30.4kgmというスペックのわりに、思うほど前に進まない。滑りが多めのオートマのせいもある。4本リンクで位置を決めるリジッドのリアサスペンションゆえ、上屋はユラユラ揺れて、コーナリング時の腰高感も拭えない。
でも、いいんだな、マスタング。
10数秒で電動のホロを開けて、梅雨入り前の、夏を思わせる日差しを浴びながら、街をながす。V6のハミングが聞こえる。2+2のオープンは、マスタングの世界に浸るバスタブ。各論イマイチ、総論バンザイ!? 黄色いボディペイントが正直に派手だ。
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【概要】 どんなクルマ?
(シリーズ概要)
1964年4月17日に、ニューヨーク・ワールドフェアでデビュー。一躍、人気モデルになり、(もちろんホットモデルも用意されたが)「値段、性能はほどほどに、カッコはいい」というスペシャルティカー市場を形成した。現行マスタングは、1993年に登場した5代目。99年にビッグマイナーチェンジを受け、アウターパネルを一新、全体にシャープなイメージとなった。クーペとコンバーチブルが用意され、それぞれ3.8リッターV6OHV(193ps)を積む「G」と、4.6リッターV8SOHC(264ps)の「GT」がラインナップされる。トランスミッションはすべて4段AT。
(グレード概要)
Gクーペ(295.0万円)、GTクーペ(355.0万円)、Gコンバーチブル(380.0万円)、GTコンバーチブル(440.0万円)と、ボディ形状が重視された価格設定。いずれも左ハンドルのみ。V6モデルには、V8に標準で装備されるフォグランプ、オートクルーズ、本革シート、そしてLSD(リミテッドスリップデフ)が設定されない。タイヤも、「245/45R17」に対して「225/55R16」だ。
【車内&荷室空間】 乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★
欧州フォードが積極的に採り入れた「ニューエッヂデザイン」(曲面パネルを直線的につなげる)とは対照的な、おおらかなインパネまわり。メーター、スイッチ類は純然たる実用車のそれだが、左右対称をモチーフにした伝統の「デュアルコクピット」を採用。コストとスペシャルティの折り合いを上手につけた。なお、イエローマスタングには、6連奏CDチェンジャーが装備される。
(前席)……★★★
リクライニングこそ手動だが、前後スライド、座面上下、「前端」「後端」それぞれを支点にした座面角度調整が電動で行える「6WAYドライバーズパワーシート」。とはいえ、遠いペダル類、相対的に近くにくるステアリングホイールと、足が短いドライバーには構造的にツラいものがある。「スポーツバケット」と銘うたれるが、アンコがたっぷり入った安楽なものだ。
(後席)……★★
電動ソフトトップ機構に左右のスペースを取られるため横幅は狭い。大人2人で肩寄せ合う感じ。マスタングはスペシャルティカーだから、隣に座るヒトによってはそれもウレシイか。幌を閉めていると頭が軽く天井につくので、なんとなく顔を近づける結果に。それもまたヨシ。
(荷室)……★★
ソフトトップ収納のため、ラゲッジルームの奥行きは70cmに削られる。床面最大幅は135cm。高さは35cmと、容積はいまひとつ。下ろしたホロを覆うトノカバーが立体裁断のため、折り畳んでもひどくカサばる。
【ドライブフィール】 運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★
アメリカンな(?)、多少ザラついたフィールのV6OHVユニット。2本のインテイクマニフォルドを使った可変吸気システムを備える。発進加速時には、マッチングいまひとつの4段AT。しかし、いったん走り出せば、豊かなトルクが太っ腹な気持ちにさせる。最高トルク発生回転数は2750rpm。100km/hでは1800rpm前後でユルユル回る余裕のエンジン。
(乗り心地+ハンドリング)……★★
車軸式のリアサスをもつため、路面によってはボディ後部が揺すられる。とはいえ、全体にソフトな足まわりのため、不快というより、「味」な乗り心地。腰高感が強いうえ、テスト車はグリップの低いオールシーズンタイヤを履いていたため、あまりコーナリングを楽しもうという気は起きなかった。“走りたい”ヒトは、ダブルウィッシュボーンの後脚をもつ、99年のV8限定モデル「コブラ」を探すべし。
(写真=小河原 認)
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【テストデータ】
報告者:webCG青木禎之
テスト日:2001年5月31日から6月2日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2001年型
テスト車の走行距離:1264km
タイヤ:(前)225/55R16 94T/(後)同じ(いずれもGoodYear Eagle LS M+S)
イエローマスタング特別装備:ブラック本革シート+6連奏CDチェンジャー+リアスポイラー(新意匠)+16インチアルミホイール(新意匠)
オプション装備:--
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(4):高速道路(6)
テスト距離:177.9km
使用燃料:33.3リッター
参考燃費:5.3km/リッター

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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