トヨタ86 G(FR/6MT)/86 GT“リミテッド”(FR/6AT)/86 GT“リミテッド”(FR/6MT)【試乗記】
思いやりのスポーツカー 2012.04.08 試乗記 トヨタ86 G(FR/6MT)/86 GT“リミテッド”(FR/6AT)/86 GT“リミテッド”(FR/6MT)……253万5580円/319万6580円/311万6580円
鳴り物入りでデビューした、トヨタのFRスポーツカー「86(ハチロク)」。 実際に乗ってみたらどうだった? 『webCG』コンドーと関のリポート。
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見ても乗ってもわかりやすい
コンドー(以下「コ」):やっと「トヨタ86」で公道を走れるんか。長かったなぁ。最初にコンセプトカーが出た2009年の東京モーターショーから2年半か。
関(以下「せ」):チラ見せの機会だけは多かったから、一層長く感じられますね。でも、水平対向4気筒を積むFRスポーツ、本当にできました。コンセプトモデルよりは、ちょっと丸くなったかな?
コ:デザインの好みはヒトそれぞれやけど、「トヨタ2000GT」を傍らに置いて型を削り出したという割には、全然似てへん。2000GTのリメイクみたいな形でも良かったと思うけどなぁ。いっその事、車名も2000GTとか……
せ:デザインを担当したのはトヨタですが、これ、富士重工との共同開発車ですから。向こうの兄弟車(スバルBRZ)が“2000GTっぽい”ってわけにもいかないでしょう!
コ:それ以外の車両開発全般は、スバルが担当したって話やね。どっちも、形は同じなん?
せ:ヘッドランプやフロントバンパーが違いますね。あとフロントフェンダーの装飾パネルも……「トヨタ86」にだけ、水平対向エンジンのピストンをかたどったエンブレムが付いてます。
コ:「ヨタハチ」以来の伝統ってか? そんなアピール、出どころのスバルには要らんわな。見たところ、ひと昔前のFRスポーツに比べて、長さの割りに幅が広い感じ。この低さは、誰が見てもスポーツカーらしい。
せ:ルーフまでの地上高は「ポルシェ・ケイマンR」と同じだそうで。フロントにエンジンのないそちらはさておき、水平対向エンジンのおかげで実現したボンネットの低さもポイントです。
コ:インテリアは、スポーツカーっぽいというか、なんというか……水平基調でキッチリとした左右対称なデザインが、いまどき新鮮に感じられる。海外向けに左ハンドルもあるからか?
せ:それはどうだか。「コーナリング中の姿勢変化が視覚的にわかりやすいように」というのが理由だそうですよ。
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コ:それもどうかわからんけど、視界そのものはかなりいい。フロントはスカっと開けてるし、いまどきのクルマにしてはサイドウィンドウのラインも低め。ストレスを感じへんな。
せ:左右に盛り上がって見えるフロントフェンダーも、車両の見切りをよくすることを意識してのものだとか。スポーツカーらしい機能美にあふれてるじゃないですか。
コ:自分で選ぶなら、“仕事場”っぽい、真っ黒内装にするな。グレード的には、赤×黒のツートンよりお手頃なんやろ?
せ:これは、標準グレード「G」のMTモデルで、価格は241万円。この下には、カスタマイズを前提とした超シンプルグレード「RC」があって、199万円です。「86」は手の届きやすい価格もウリだけれど、ダッシュボードがしっとりしたラバーで覆われてたり、安っぽい印象はないですね。
コ:もうこの辺で解説はええやろ。さっさと走り出そう!