第2回:突撃! ソウルモーターショー2013 後編
カムリのカー・オブ・ザ・イヤー受賞に見る、韓国のお国柄
2013.04.26
小沢コージの勢いまかせ!! リターンズ
なぜ「カムリ」はカー・オブ・ザ・イヤーを取れたのか?
再びのコリアネタですが、みなさん知ってます? しばらく前にひそかに話題になった、「韓国カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)に『トヨタ・カムリ』!」の記事。クルマ好きたるもの、この記事、見逃しちゃいけませんがな。
相手はトコトン日本意識の韓国。ご存じサッカー、野球、スケートはもちろんモノ作りでもライバル心メラメラで、自動車界も家電界に続けと思ってること確実。中でもクルマはご存じヒュンダイグループに牛耳られており、現地報道によれば今回のCOTY授賞式をヒュンダイ首脳陣が怒ってボイコットしたとか。実際過去2回は「ヒュンダイi40」に「キアK5」といずれも韓国車の受賞だからして。
しかし、日本でも地元COTYはメーカー間のプライドをかけた戦いであり、激しいプレゼン合戦が繰り広げられる。つまり今回の出来事は、いわばその一党独裁政権の中で、妙にリベラルな○×党が政権を取ったような現象であり、果たして一体ナニが起こったのか? ソウルショーに行ったついでに関係者を直撃してみました。
まずは肝心の選考委員、チャーリー・チェさん。「グローバル・オートニュース&コンサルティング」という調査会社の社員でもある。
「実は韓国にもカー・オブ・ザ・イヤーは2つあって、一つは4年前にでき、もう一つは去年できました。カムリが取ったのは最初の方のものなんです」
日本もそうだが韓国でもこの手の賞モノは複数あり、一応権威があるのは最初ので、現在選考委員は33人。内訳は新聞関連が20人、雑誌関連が13人だという。
「ただし、メディアの状況はかなり違っていまして、日本はフリーの自動車ジャーナリストが選びますが、韓国にはフリーランスはほとんどいない。代わりに新聞記者がやるんです」
ぶっちゃけ韓国には自動車専門メディアが少ない。日本みたいに専門誌だけで100誌以上もないわけで、となると、おのずと新聞記者が代わりを務める。さらに新聞の自動車担当は2~3年で変わる場合が多く、要するに「趣味人はあまりいない」のが特徴なのだ。
一部いるフリーランスにしてもほとんどが副業で、ユンジンさんも本業は投資銀行のアナリスト。かな~り日本とは状況が違うのだ。
「そもそも他と同じようにはやろうとは思ってなくて、独自路線です。バリュー、ブランド、品質、燃費、競争力、パフォーマンスを冷静に判断したいと考えています」
どうやら韓国COTYはあまり「好き」や「情熱」には揺り動かされない。ある意味、リベラルってことのようなのだ。なんか意外ですなぁ。

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』
-
NEW
トライアンフ・トライデント660
2021.1.25画像・写真トライアンフの新型モーターサイクル「トライデント660」が、東京・渋谷の「代官山 蔦屋書店」に展示された。新開発の水冷3気筒エンジンを搭載した、軽快なミドルクラス・ネイキッドモデルの詳細な姿を、写真で紹介する。 -
NEW
月に1度の特別なメールマガジン『月刊webCG通信』 EVは選べる時代! あなたのチョイスは?
2021.1.25From Our StaffwebCG執筆陣によるコラムや月間アクセスランキング、読者アンケートなど、さまざまなコンテンツを通して自動車業界の1カ月を振り返る『月刊webCG通信』。2月号では、ついに“選べる時代”を迎えた電気自動車について、読者の皆さまのご意見を大募集いたします! -
NEW
コロナ禍が売れるクルマを変えた? 自動車市場の2020年を販売データから振り返る
2021.1.25デイリーコラム日本全国が新型コロナウイルス感染症の猛威にさらされた2020年。この年は、自動車市場にとってどのような一年となったのか? 各団体が発表した統計データから振り返るとともに、コロナ禍がもたらした自動車ユーザーの嗜好の変化を考察した。 -
NEW
スバルXVアドバンス(4WD/CVT)【試乗記】
2021.1.25試乗記フルモデルチェンジから3年を経て、再びの改良を受けた「スバルXV」。国内外の有力モデルがひしめくコンパクトSUV市場において、XVだけが持つライバルにはない魅力とは? わが道を行くスバル製クロスオーバーの、唯一無二の個性に触れた。 -
ロータス・エキシージ スポーツ410(前編)
2021.1.24池沢早人師の恋するニューモデル漫画『サーキットの狼』の作者、池沢早人師が今回ステアリングを握るのは「ロータス・エキシージ スポーツ410」。劇中で主人公・風吹裕矢の愛車として活躍した「ロータス・ヨーロッパ」のDNAを受け継ぐ、軽量ミドシップスポーツの走りとは? -
ホンダe(RWD)【試乗記】
2021.1.23試乗記「ホンダe」が素晴らしいのは運転してワクワクできるところだ。航続可能距離の短さがデメリットのようにいわれているけれど、それこそがホンダeの持つ強みだ……と筆者は主張するのだった。