第239回:薄くてデカいがニュースタンダード?
ブリヂストンが提案する次世代の低燃費タイヤを探る
2014.05.14
エディターから一言
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BMWにとって初の量産電気自動車(EV)である「BMW i3」には、ブリヂストンの新しい低燃費タイヤ「エコピアEP500オロジック」が新車装着されている。薄くて大きい、このユニークなタイヤが誕生した経緯を取材した。
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まずはそのカタチにびっくり
エコピアEP500オロジックは、これまでの常識に照らし合わせると、実にけったいなカタチ(失礼!)をしたタイヤだ。サイズは「Bセグメント車への装着を想定したもの」で155/55R19、BMW i3(レンジ・エクステンダー非装着車)の標準サイズは155/70R19である。ちなみに同社のカタログを拝見したところ、Bセグメント車に装着される標準的なタイヤのサイズは175/65R15あたり。ほかの低燃費タイヤのサイズ表を見てみると、幅155mmといえば径の主流は13~14インチだ。逆にリム径が19インチとなると、幅は225~245mm程度となる。いかにエコピアEP500オロジックが、既存のタイヤサイズからかけ離れた製品であるかが分かるだろう。
このようにユニークな形となったのは、もちろん燃費性能を追求した結果だ。ブリヂストンでは2006~2007年ごろから、既成概念にとらわれない次世代の超低燃費タイヤの研究をスタート。「ologic(オロジック)」と総称するさまざまな新技術を投入して完成したのが、今回のエコピアEP500オロジックというわけだ。ちなみに開発には、F1やMotoGPへのタイヤ供給で培われた技術を投入。「タイヤ接地面のエネルギー効率を追求するという意味では、環境性能の向上と限界グリップの向上は同じこと」とは、開発に携わったタイヤ研究本部の松本浩幸さんの談である。
ブリヂストンによると、燃費に影響を与える主要因は「タイヤ転がり抵抗」「車両空気抵抗」「車両質量(加速抵抗)」の3つ。これらの要因のうち、既存の低燃費タイヤは転がり抵抗の低減に主眼を置いた開発がなされていた。それに対し、オロジックでは空気抵抗の改善にも注目。同時に、これまでとは異なるアプローチを通して、転がり抵抗のさらなる低減も目標に掲げられた。そこで採られた方法が、超高内圧のタイヤ空気圧設定と、それとの相乗効果を期待できる狭幅(せまはば)大径サイズの採用だった。
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