新型SUV「レクサスNX200t/NX300h」発売

2014.07.29 自動車ニュース webCG 編集部
「レクサスNX」(写真はハイブリッドモデルの「NX300h」)
「レクサスNX」(写真はハイブリッドモデルの「NX300h」)
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新型SUV「レクサスNX200t/NX300h」発売

トヨタ自動車は2014年7月29日、レクサスの新型SUV「NX」を発表。同日に販売を開始した。

スポーティーグレード「F SPORT」(写真)には、専用デザインのバンパーやホイールが与えられる。
スポーティーグレード「F SPORT」(写真)には、専用デザインのバンパーやホイールが与えられる。
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「NX200t“F SPORT”」のインテリア。シートの形状や計器類のデザインが専用仕立てとなっている。
「NX200t“F SPORT”」のインテリア。シートの形状や計器類のデザインが専用仕立てとなっている。
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■初の“小さめ”SUV

NXは、レクサス初となる“コンパクトクロスオーバーSUV”。既存の「RX」よりもひとまわり小さなSUVモデルと位置づけられる。
製品としてのコンセプトは「Premium Urban Sports Gear」。高級なスポーツウオッチやオートバイなどと同様、休日のアクティブなライフスタイルを演出しつつも日常生活で使えるクルマを念頭に開発したという。

セリングポイントは、前述のイメージを反映させたアグレッシブなエクステリアや、上質感と機能性を盛り込んだインテリア、エモーショナルな走行性能と環境性能との両立、そして先進の安全機能など。

価格は、新開発のターボエンジンを搭載する「NX200t」が428万円から518万円、ハイブリッドモデルの「NX300h」が492万円から582万円。月間の目標販売台数は、700台となっている。
なお、ライバル車としてはアウディのSUVが想定されており、価格面では「Q3」(428万円~)が、サイズの上では「Q5」(596万円~)が比較対象に挙げられる。

「NX200t”F SPORT”」
「NX200t”F SPORT”」
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サイドビュー。タイヤの存在感を強調する前後のフェンダーや、ドアパネル下方の造形が特徴的。
サイドビュー。タイヤの存在感を強調する前後のフェンダーや、ドアパネル下方の造形が特徴的。
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素材の質感にこだわったというインテリア。ジグザグな曲線を描くセンタークラスターのフレームが目を引く。
素材の質感にこだわったというインテリア。ジグザグな曲線を描くセンタークラスターのフレームが目を引く。
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■強いデザインでアピール

NXでまず目を引くのは、エクステリアデザインだ。昨秋、2013年9月のフランクフルトショーで披露されたコンセプトモデル「LF-NX」の面影が残るボディーは、シャープかつ起伏に富んだ面構成で、躍動感が表現される。
大きく張り出したフェンダーや“スピンドルグリル”で大胆に個性を主張する一方、L時型に光る3連フルLEDヘッドランプや、2分割式でありながら切れ目のない意匠のリアランプ、キーシリンダーを隠したドアハンドルなど、細部の作り込みにもこだわりを見せる。

ボディーサイズは、全長×全幅×全高=4630×1845×1645mmで、ホイールベースは2660mm。兄貴分のRXに比べると、前後に140mm短く、横幅は40mm狭く、背は45mm低くなる。ホイールベースも80mm短い。
とはいえ、車体後方まで水平に伸びるルーフラインを採用することで、優れたデザインと空力性能を両立。さらに、後席の室内高も十分な高さを確保したという。

後席については、足元スペースの広さや電動のリクライニング機構も見どころ。しかも背もたれを倒して荷室を広げる際は、荷室側からだけでなく、運転席からもスイッチひとつでその前屈および引き起こしができる。
車内前方では、立体的かつ金属質なセンタークラスターが存在感を示す。シートの縫製パターンやパネル類の研磨法など、細部の仕上げにも注力したという。機能面では、これまでのノブ式に代えて、指先でのフリックおよびピンチ操作が可能になったタッチパネル式の操作デバイス「リモートタッチ」や、携帯電話ほか電子機器の非接触充電機能「おくだけ充電」が新しい。

センターコンソールのスイッチ類。カーナビやエンターテインメントシステムの操作デバイス「リモートタッチ」はタッチパネル式に。カップホルダー横にある小物入れのふた(写真右端)は取り外し式で、裏面が手鏡になっている。
センターコンソールのスイッチ類。カーナビやエンターテインメントシステムの操作デバイス「リモートタッチ」はタッチパネル式に。カップホルダー横にある小物入れのふた(写真右端)は取り外し式で、裏面が手鏡になっている。
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新開発の2リッター直4ターボエンジン。「最高レベルの低燃費と爽快なパフォーマンスを実現した」とうたわれる。
新開発の2リッター直4ターボエンジン。「最高レベルの低燃費と爽快なパフォーマンスを実現した」とうたわれる。
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■“ターボ付き”と“モーター付き”

そんなNXのプラットフォームは、「レクサスCT200h」のほか、トヨタブランドの「ハリアー」や「プリウス」にも用いられる新MCプラットフォームに手を加えたもの。フロントに横置きされるパワーユニットは、ガソリンエンジンとハイブリッドシステムの2本立てである。

前者、NX200t用のエンジンは、4-2集合エキゾーストを内蔵したシリンダーヘッドとターボチャージャー、筒内噴射とポート噴射を組み合わせた燃料噴射システム「D-4ST」を搭載する新開発の2リッター直噴直4ターボで、238ps/4800-5600rpmと35.7kgm/1650-4000rpmを発生。バルブの制御により低負荷時はアトキンソンサイクルを可能とするメカニズムやストップ&スタートシステムも採用することで、最高12.8km/リッターの燃費(JC08モード)を実現した。
一方、NX300hのハイブリッドシステムは、2.5リッターの直4エンジン(152ps/5700rpm、21.0kgm/4400-4800rpm)をモーター(143ps、27.5kgm)がサポートするタイプ。4WDモデルには、さらに後輪を駆動するためのリアモーター(68ps、14.2kgm)が備わる。こちらの燃費は、最高21.0km/リッターとなっている。

トランスミッションは、NX200tが6段ATで、NX300hは電気制御の無段変速機。駆動方式はともに、FFと4WDから選択できる。

リアシートは60:40の分割可倒式。リクライニング機能も備わる。
リアシートは60:40の分割可倒式。リクライニング機能も備わる。
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左右からの張り出しを極力抑えた荷室。トノカバーは、床下の予備スペースに収納できる。
左右からの張り出しを極力抑えた荷室。トノカバーは、床下の予備スペースに収納できる。
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■先進機能も走りをサポート

“スポーツギア”をうたうNXは、ドライビングダイナミクスにもこだわりを見せる。
フロント:マクファーソンストラット、リア:ダブルウィッシュボーン式の足まわりには、30段階の減衰力調整を行う次世代型AVS(アダプティブ・バリアブル・サスペンション)システムを設定。いかなる走行条件でも、スポーティーかつ安定した走りと快適な乗り心地を提供するという。
特に、各モデルにラインナップされるスポーティーグレード「F SPORT」においては、AVSと車体前後のパフォーマンスダンパーを標準装備とした上で、専用のサスペンションチューニングが施される。

安全機能については、運転中の視線移動を最小限におさえるヘッドアップディスプレイや、車両周辺の様子を俯瞰(ふかん)イメージで確認できるパノラミックビューモニター、ステアリング操作に連動したコーナリングランプなどで、ドライバーの視界を確保。
さらに、渋滞時の自動停止までカバーする全車速対応型のレーダークルーズコントロール、死角に入っている他車の存在を知らせるブラインドスポットモニター、走行レーンへの復帰までアシストする車線逸脱防止機能なども用意される。

(webCG 関)

→「レクサスNX」を写真で紹介(前編)
→「レクサスNX」を写真で紹介(後編)

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