第105回:トヨタ・ヴェルファイア ハイブリッド エグゼクティブラウンジ(後編)

2015.06.19 水野和敏的視点 水野 和敏
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これも日本のお家芸

それではいざ、ヴェルファイア ハイブリッドの7人乗り豪華仕様・エグゼクティブラウンジで試乗のコースに出てみましょう。このクルマを運転すると、ハイブリッドシステムが単に燃費向上だけを目的として使われているのではないことがわかります。

全長が5mに達しようかという大柄なミニバンが、モーターの太いトルクで静かに走りだし、そしてあるところでガソリンエンジンが始動して、パワーを上乗せしてきます。そこには、ガソリンエンジンだけでは作れない上質さというものが感じられます。ハイブリッドシステムが、クルマのクラス感を変えているんです。

運転していて、まず痛感させられるのは、「こんなにすごいクルマは日本にしかない!」ということです。ユーザーの嗜好(しこう)を見極めて、「豪華ミニバン」というコンセプトに割り切り、そしてスムーズなハイブリッドシステムで走らせる――。ヨーロッパにもアメリカにもこんなクルマはないし、おそらく作れないでしょう。

欧州のミニバンの多くが「実用志向のピープルムーバー」に徹しているのに対し、ヴェルファイアのエグゼクティブラウンジ仕様は、室内空間を見事に「ラグジュアリー」に変えてしまっています。こんなことができるのは、おもてなしという価値観を持つ日本の自動車メーカーだけではないでしょうか。