フォルクスワーゲン・ゴルフトゥーランTSIハイライン(FF/7AT)/ゴルフトゥーランTSIコンフォートライン(FF/7AT)
ツッコミどころが見当たらない 2016.02.06 試乗記 フォルクスワーゲンのコンパクトミニバン「ゴルフトゥーラン」が、「MQB」プラットフォームを採用した2代目にフルモデルチェンジ。従来モデルからの進化のほどを確かめた。これまでよりも立派に見える
今回の取材は、神奈川県の横浜で開かれたプレス試乗会だった。会場に向かう途中に、別の取材部隊が乗る新型ゴルフトゥーラン(以下トゥーラン)とすれちがった。
だから、新型トゥーランとの初対面は真正面からだったのだが、最初はてっきり「シャラン」かと思った。しかし、すれちがう瞬間にサイドビューが目に入って「あっスライドドアじゃない。しかも短い!」と、新型トゥーランであることに気がついた。
ためしに全高を全幅で割った“前面縦横比”を計算してみると、従来型トゥーラン(全幅1795×全高1670mm)は1.07で、シャラン(同じく1910×1750mm)は1.09。で、新型トゥーランのそれ(同じく1830×1660mm)は“1.10”である。たしかにシャランに近づいた……というか、ワイド&ロー度ではシャランを抜いたわけだ(いずれもTSIコンフォートラインの数字)。
とまあ、得意げに計算してみたものの、「新旧トゥーランも含めて、フォルクスワーゲンのミニバンはどれも前面縦横比が似通っている」という事実を知らされただけの気もするが……。とにもかくにも、新型トゥーランは従来型より、明らかに大きく、立派に、そして安定して見える。
ただ、新型トゥーランの全幅は、実際には従来型より35mmワイドになっただけで、全高も0~30mm低くなったのみ。こういう微妙な数値だけで見た目の印象がガラッと変わるのは自動車デザインの妙味だが、視覚的なワイド感には最新の横長ワーゲンフェイスが果たしている役割も大きい。
もっとも、新型トゥーランの従来型と比較してのサイズアップは、全幅より全長のほうがメイン。全長は130mm長くなり、うち110mmはホイールベースの延長にあてられている。