第348回:日本人初優勝の瞬間に立ち会う
興奮と感動のレッドブル・エアレース観戦記
2016.06.07
エディターから一言
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この週末の興奮と感動を、何から説明すべきか……。まずは、あらましから伝えたい。2016年6月5日の日曜日、筆者は千葉・幕張にて開催された「レッドブル・エアレース 千葉2016」の取材に出掛けた。地を這(は)うモータースポーツの取材は経験があるけれど、空のレースは初めてで、まずはその内容に興奮した。しかも、ただ一人のアジア人として参戦する、わが日本の室屋義秀選手が初優勝。偉業達成の瞬間に立ち会ったのだ。これほどの興奮と感動に彩られた取材はめったにあるものではない。
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最高速度 370km/h、最大加速度10G
まずは、「レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオン・シリーズ」の説明から始めよう。このレースは2003年にスタートした国際航空連盟(FAI)公認のモータースポーツだ。今年は千葉を含む世界8カ所で開催され、シリーズ・チャンピオンを争う。
最高出力約300psのエンジンと3枚翼のプロペラは各チーム共通。機体は3種類あるが、どれも非常に優れた飛行性能と操縦性能を誇り、高速での垂直上昇/下降が可能だ。また、カーボン素材もふんだんに使用されており、最大加速度10G以上に耐える堅牢(けんろう)さもある。
競技では高さ25mのパイロンで作られた約6kmのレーストラックを飛び、そのタイムを競う。ただし、飛行には厳密なルールが用意されている。スタート時の最高速度(374km/h)と飛行中の最大加速度(10G)を超えたときはペナルティー。2ノット(約3.7km/h)以上のオーバーはDNF(DID NOT FINISH)。「ゴールせず」の失格で、10Gを超えてもDNF。また、2つのパイロンで作られたエアゲートを通過するときの高度(パイロンの赤い部分で示された空間)を通り抜けるときは水平でなくてはならない。高度が高すぎれば+2秒、水平でなくても+2秒。パイロンに接触すれば+3秒、コースアウトもDNF。つまり、ギチギチに定められたルールの中で、いかに速く飛ぶかという競技なのだ。パイロンコースでのタイムアタックといえばクルマのジムカーナ競技と同じだが、飛行規定の厳しさはアイススケートのフィギュア競技といったところだろう。
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