第3回:「前」と「後ろ」で違った魅力
「ジャガーXF」の乗り心地をチェック
2016.07.20
ジャガーXF長期試乗リポート
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英国生まれの4ドアサルーン「ジャガーXF」の新型は、どんな乗り心地なのか? 初めてステアリングを握ったwebCGスタッフが、その印象を報告する。
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運転せずとも満足できる!?
スタイリッシュなデザインやアルミを多用した軽量ボディーで話題の、新型ジャガーXF。2015年秋に国内デビューして以来、ただ指をくわえて見ていた筆者にも、ようやく試乗する機会が訪れた。
期待に胸を弾ませて……のファーストタッチは、リアシート。編集部からの移動に際して、後ろに乗せてもらったのだ。
座席におさまってみて、その広さに驚いた。筆者は身長163cmと小柄だけれど、それにしたって広い。何せ、足が組めるのだから。ひざの前には、こぶしが縦に3個半。ちなみに前席のポジションは、身長170cm相当である。
新型XFはクーペライクなデザインで、顔が弟分の「XE」に似ているせいか、角度によっては実物よりも小さく、シャープにまとまっているように見える。でも、実際の全長たるや5m近い。2960mmのホイールベースはアメリカ生まれの大型EV「テスラ・モデルS」と同寸で、「レクサスLS」(2970mm)とほぼ同じだ。
ちなみに今春、XEの後席に座った際のメモ書きには「ひざ前、こぶしが縦に2個」とある。なるほど、その差はたしかに実感できる。
座面や背もたれは大きく後傾していて、パッセンジャーはシートにどっしりと体を預けていられる。「これなら、後席限定でも不満はないな」と室内を見回したところで、XFが走りだす。
……静かだ。アイドリングストップの再始動の瞬間が、かえって意識されるほどである。気になるショックや振動もなし。これなら、ショーファードリブンとしてもイケるのではなかろうか? 移動中も、ひざの上にノートを広げて筆記作業を続けられたのだから。
ただソフトなだけじゃない
ところがその後、運転席に座ってXFを走らせてみると、印象は違ってきた。
体に伝わるショックが控えめなのは、前のシートでも変わらない。首都高速の連続する継ぎ目を、XFはコトリ、コトリと小さな音を立てるだけで乗り越えていく。そのまま高速を降りて通い慣れた一般道を流していると、このクルマならではの柔らかな乗り心地や軽やかな身のこなしが、ますます印象的に感じられる。
でも、運転していて一番ハッとさせられたのは、そのうえドライバーに路面の情報がよく伝わってくるということだった。いま乗り越えた段差は、どの程度のものなのか。路面はどのようにうねっているのか。舗装の表面はどんなタッチで、色が変わって見えるところは周りとどう違うのか……そうしたことが、シートやステアリングホイールを介して、不思議なほどよくわかる。
ドライバーが心地よくあるためには、体が安らかなだけでは不十分。こうした安心感があってこそ、気持ちよく、積極的にクルマを運転できるのだ。そんなことを、いまさらながら考えさせられた。
ただソフトなだけじゃない。「ダイナミック・ラグジュアリー・サルーン」というXFのキャッチフレーズ、言い得て妙ではなかろうか。
(webCG 関)

webCG 編集部
1962年創刊の自動車専門誌『CAR GRAPHIC』のインターネットサイトとして、1998年6月にオープンした『webCG』。ニューモデル情報はもちろん、プロフェッショナルによる試乗記やクルマにまつわる読み物など、クルマ好きに向けて日々情報を発信中です。
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