第5回:ジャガーXFの実用燃費報告
約2000km走って8.8km/リッターを記録
2016.08.03
ジャガーXF長期試乗リポート
拡大 |
「ジャガーXF」がwebCG編集部にやって来たのが6月半ばのこと。以来、1カ月半で約2000kmを走行した。これくらい走れば、燃費データもだいぶ安定してくる。今回は2リッター直4ターボエンジン(240ps)を搭載する「25tプレステージ」グレードの燃費と、ハンドリングについて報告する。
拡大 |
拡大 |
拡大 |
拡大 |
目指せ9km/リッター台!
先日、関東甲信地方の梅雨明けが発表された。昨年よりも18日、平年よりも7日遅い梅雨明けだそうだ。淡いライトオイスターの内装が涼しげなwebCG XFではあるが、エアコンは毎日フル稼働。燃費には厳しい季節である。
さて、6月の半ば(18日)に燃費計測を開始して、7月末までの44日間走った結果、webCG XFは8.8km/リッターという燃費を記録した。この値はいわゆる“満タン法”計測であり、走行距離(2031km)を消費したハイオクガソリンの量(230.4リッター)で単純に割って算出したものである。実際に走行した距離とメーターが表示する走行距離の誤差の修正(距離計誤差修正)を行えば、もう少し“締まった”値になってくるとは思うが、webCGは伝統的に誤差修正は行わず、燃費をあくまで「参考燃費」として表記してきた経緯がある。なので今回もそれに従っている。
webCG XFの走行パターンは、ざっと都内とその近郊の一般道が7割で、高速道路を使った遠乗りが3割といったところ。ドライブコンピューターの平均速度は、だいたい30km/h台の前半を示している。そういった条件で、この8.8km/リッターという値は優秀か、それとも平凡か? 筆者は、全長約5mで車重が1.7tを超えるラグジュアリーサルーンで、0-100km/h加速が7.0秒、最高速が248km/h(欧州仕様の参考値)という優れた動力性能を備えているクルマであることを考えれば、十分に優秀ではないかと思っている。
ちなみに、カタログに記された25tプレステージのJC08モード値は11.4km/リッターである。これまでいろいろなクルマを試乗して、燃費データをとってきた経験からすると、実燃費はJC08モード値の7割程度に落ち着くケースが多かった。11.4km/リッターの7割なら8.0km/リッター。まあ、だいたいこの辺りで安定してくるのだろうという読みは、リポート開始当初からあった。
小さな違いは大きな違い
もっとも、とにかく燃費の良さを望むというのなら、XFにはディーゼルという選択肢だってあるわけだ。以前、2リッターの“インジニウム”ディーゼルエンジンを搭載する「20dプレステージ」グレード(JC08モード値は16.7km/リッター)で、一般道に高速道路、それに山道を少々といった約300kmを走って、12.5km/リッターという値を得たことがある。ここまで違うと、もはや勝負を挑もうという気にすらならないが、それでもわが25tグレードを推すポイントを探すとすれば、それはハンドリングだろう。
この25t、とにかく足取りが軽い。クイックなギア比を持つステアリングとグリップ力の高いタイヤで、右へ左へと半ば強引に向きを変えていくような走りではなく、いかにも前軸と後軸の重量バランスの良さと、それを支えるしっかりとした骨格あっての構造的な軽さ、という感じだ。実際、25tの前後の重量バランスはほぼ50:50である。
このフットワークの軽やかさは、なにも山道に行かなくたって、町中の交差点でだって十分に体感できる。ステアリングホイールを一切りすれば、ノーズがすっとごく自然、かつ気持ちよく向きを変えることに、誰もがきっと軽い感動を覚えるはずだ。ディーゼルの20dだって車格を考えれば軽い手応えを持つが、25tほど軽やかではない。ロール方向の姿勢変化が若干大きく、わずかだがしっとりとした感触が伴う。
決して誇張表現ではなく、25tは全長5m級のサルーンであることをついつい忘れてしまいそうな、軽快感に満ちたクルマなのだ。日常を共にするとなると、このちょっとした違いが心理的には大きく効いてくる。1カ月半を共にしてみて、今そんなことをつくづく感じているところである。
(webCG 竹下)

webCG 編集部
1962年創刊の自動車専門誌『CAR GRAPHIC』のインターネットサイトとして、1998年6月にオープンした『webCG』。ニューモデル情報はもちろん、プロフェッショナルによる試乗記やクルマにまつわる読み物など、クルマ好きに向けて日々情報を発信中です。
-
第8回:XFは生粋のドライバーズカーである(最終回)
2カ月間で3000kmを後にして思ったこと 2016.8.24 2カ月にわたってリポートしてきた「ジャガーXF」の長期試乗記も、今回でいよいよ最終回。3000kmあまりを後にして、われわれの手元に残ったXFの手応えは……。まずは燃費の報告から。総平均は9.2km/リッターまで上昇した。 -
第7回:練習のお供にもピッタリ
webCG随一の自転車ユーザーがXFを斬る! 2016.8.17 世の中にはジドーシャに情熱をそそぐクルマ好きと同じように、自転車に愛をささげる猛者たちがいる……。今回はwebCG編集部きっての“ローディー”が、自転車愛好家の視点から「ジャガーXF」の荷室を、装備を、大マジメに語ります。 -
第6回:ジャガーXFの“隠れた”魅力
先進装備でらくらくドライブ 2016.8.10 ここ数年で、マイカー購入における“重要検討項目”と捉えられるようになったのが、自動緊急ブレーキや自動クルコンといった運転支援システムの充実度。先進装備が特に強くはアピールされていない「ジャガーXF」だが、実は結構な実力の持ち主だった。 -
第4回:ファミリーカーとしての実力は?
「ジャガーXF」の“休日の実力”を考える 2016.7.27 新型「ジャガーXF」の魅力と実力を掘り下げる長期試乗リポート。今回のテーマは「家族とXF」である。webCGスタッフ・SAG氏の休日の足としてXFが活躍! さて、XFに対するファミリーの反応は……? -
第3回:「前」と「後ろ」で違った魅力
「ジャガーXF」の乗り心地をチェック 2016.7.20 スタイリッシュなデザインやアルミを多用した軽量ボディーで話題の4ドアサルーン「ジャガーXF」は、どんな乗り心地なのだろうか? 初めてステアリングを握ったwebCGスタッフが、その印象を報告する。
-
NEW
クルマの乗り味の“味”って何だ?
2026.1.20あの多田哲哉のクルマQ&A「乗り味」という言葉があるように、クルマの運転感覚は“味”で表現されることがある。では、車両開発者はその味をどう解釈して、どんなプロセスで理想を実現しているのか? 元トヨタのエンジニア、多田哲哉さんに聞いた。 -
NEW
プジョー208 GTハイブリッド(FF/6AT)【試乗記】
2026.1.20試乗記「プジョー208」にマイルドハイブリッド車の「GTハイブリッド」が登場。仕組みとしては先に上陸を果たしたステランティス グループの各車と同じだが、小さなボディーに合わせてパワーが絞られているのが興味深いところだ。果たしてその乗り味は? -
ベントレー・コンチネンタルGTアズール(4WD/8AT)【試乗記】
2026.1.19試乗記ベントレーのラグジュアリークーペ「コンチネンタルGT」のなかでも、ウェルビーイングにこだわったという「アズール」に試乗。控えめ(?)な680PSのハイブリッドがかなえる走りは、快適で満ち足りていて、ラグジュアリーカーの本分を感じさせるものだった。 -
第327回:髪もクルマもナイスファイト!
2026.1.19カーマニア人間国宝への道清水草一の話題の連載。日産の新型「ルークス」で夜の首都高に出撃した。しっかりしたシャシーとターボエンジンのパワフルな走りに感心していると、前方にスーパーカーの姿を発見。今夜の獲物は「フェラーリ・ローマ」だ! -
日本で売れるクルマはあるのか!? 最新の“アメリカ産ニホンシャ”を清水草一が検証する!
2026.1.19デイリーコラムアメリカからの外圧による制度変更で、北米生産モデルの国内導入を決めたトヨタ。同様に、今後日本での販売が期待できる「海外生産の日本車」には、どんなものがあるだろうか? 清水草一が検証してみた。 -
フェラーリ12チリンドリ(後編)
2026.1.18思考するドライバー 山野哲也の“目”レーシングドライバー山野哲也が「フェラーリ12チリンドリ」に試乗。前編では伝家の宝刀であるV12エンジンを絶賛した山野。後編ではコンビを組むシャシーの印象を余すところなく聞いてみた。






























