ルノー・ルーテシア インテンス(FF/6AT)
ベストセラーの理由 2017.02.09 試乗記 マイナーチェンジを受けた「ルノー・ルーテシア」に試乗。弟分「トゥインゴ」の、日本での人気の高まりもどこ吹く風で、本国フランスでは2016年ベストセラーカーの座を射止めたその実力とは? 愛される理由はどこにある?フランスで一番売れてる乗用車
いま日本で最も注目されているルノーといえば、たぶんトゥインゴだろう。昨2016年7月に上陸した現行トゥインゴは、輸入車としてはお手ごろな200万円を切る価格と、日本の道でも取り回しがしやすい5ナンバーサイズボディーながら、ルノーとしては久々のRR(リアエンジン・リアドライブ)方式を採用することで、多くのクルマ好きの注目を集めている。
さらに今年1月には、従来販売していた「インテンス」の下に位置するベースグレード「ゼン」を追加。インテンスと同じEDC(エフィシエントデュアルクラッチ)トランスミッションだけでなく、3ペダルMTまで用意して、マニア心をもつかむラインナップを構築しつつある。
日本でこうなのだから、生まれ故郷のフランスではさぞヒットしているのだろう。そういう気持ちを抱く人がいるかもしれないが、ルノー・ジャポンのウェブサイトを見ると、昨年母国で最も売れたのは、同じルノーのルーテシアだったという。
昨年に限った話ではない。人より少しだけフランス車の知識を無駄に持っている自分の記憶によれば、フランスのベストセラーカーの座は1970年代以降、ルノーとプジョーのBセグメントを軸にした戦いになっている。
「トヨタ・プリウス」がわが国の新車販売台数ランキングのトップに君臨していてつまらないと思っている人がこの状況を知ったら、「フランスはもっとつまらなかったんだ」と、逆に日本の状況に感心するかもしれない。
なんだかんだいってヨーロッパは保守的であり、それは革新を愛するフランスとて例外ではないことを、このマーケットは証明しているかもしれない。
では、なぜフランスでルーテシアは売れているのか。2月にマイナーチェンジを受けたばかりの最新型に乗って、秘密を探ってみた。