第148回:2029年、ミュータントは内燃機関のSUVに乗る
『LOGAN/ローガン』
2017.05.31
読んでますカー、観てますカー
老ウルヴァリンがリムジンの運転手に?
リムジンの中で老人が寝ている。疲れ切った表情から、人生の終盤に差し掛かっていることがわかる。無人のクルマだと思い込んだチンピラどもが寄ってきて何やら作業を始めた。ホイールを盗もうというのだ。目を覚ました老人が反撃するが、相手は若くて人数も多いから防戦一方だ。ピストルをぶっぱなすチンピラに対して、老人は驚きの行動に出る。弾がクルマに当たらないように、自分の体を盾にして守ったのだ。
弱々しい老人は、ウルヴァリンだった。自在に出し入れできるアダマンチウム合金製の爪を持ち、どんなけがをしても即座に回復する能力を持つミュータントである。本名ジェームズ・ハウレット、またの名をローガン。最強の戦士だったはずだが、加齢には逆らえなかったようだ。顔には深いシワが刻まれ、俊敏な動きは失われている。老眼になっているようだが、これで笑えるのは日本人だけだ。治癒能力も衰え、傷だらけの体から血を流している。
時は2029年。アメコミの設定は複雑怪奇に入り組んでいて素人にはよくわからないのだが、ミュータントはほとんど死滅してすでにX-メンは機能していないのだろう。ウルヴァリンも生活するために必死で働かなくてはならない状況だ。彼はリムジンの雇われ運転手なのである。頭スカスカなパリピを乗せて日銭を稼いでいる。砂漠の中にあるアジトには老いさらばえたテレパスのエグゼビアが隠れ住んでおり、彼の面倒も見なくてはならない。

鈴木 真人
名古屋出身。女性誌編集者、自動車雑誌『NAVI』の編集長を経て、現在はフリーライターとして活躍中。初めて買ったクルマが「アルファ・ロメオ1600ジュニア」で、以後「ホンダS600」、「ダフ44」などを乗り継ぎ、新車購入経験はなし。好きな小説家は、ドストエフスキー、埴谷雄高。好きな映画監督は、タルコフスキー、小津安二郎。
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