第506回:おもしろうてやがて悲しきビンテージスクーター
2017.06.16 マッキナ あらモーダ!二輪車部門もあります
「ヴィラ・デステのコンクール・デレガンス」こと「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ」は、現存する最古の自動車コンクールとして知られている。
イタリア・コモ湖畔を舞台とするこの伝統的イベント、2017年は5月26~28日に開催され、8クラスに分けられた計51台が審査の対象となった。
審査員が選ぶ「ベスト・オブ・ショー」および一般来場者人気投票による「BMWトロフィー」には、伝説の鬼才フランコ・スカリオーネがデザインした1957年「アルファ・ロメオ・ジュリエッタSSプロトーティポ(プロトタイプ)」が選ばれた。
このヴィラ・デステ、実は四輪車とは別にモーターサイクル、つまり二輪車部門も2011年から存在する。ヴィラ・デステに隣接し、四輪車の一般公開会場としても用いられるヴィラ・エルバが会場に充てられている。
2017年のリストに並んだ二輪車は40台で、4つのカテゴリーに分けられた。最古は「夢と冒険―― 1920~30年代 グレートな旅のモーターサイクル」のカテゴリーに出展された、フランスの1926年製「ジレ・トゥール・ドュ・モンド」347ccだ。一方、最も新しいモデルは「ヨーロッパ製フレーム―― 新しい衣装をまとった日本の4気筒」カテゴリーにエントリーした1979年製「ビッザリーニ・カワサキZ900」であった。そして最終日のベスト・オブ・ショーは、ジレと同じ部門に参加した1933年ドイツ生まれの「プフ250インディアン ライゼ」に贈られた。
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大矢 アキオ
コラムニスト/イタリア文化コメンテーター。音大でヴァイオリンを専攻、大学院で芸術学を修める。1996年からシエナ在住。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとして語学テキストやデザイン誌等に執筆活動を展開。20年にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストなど、ラジオでも怪気炎をあげている。『Hotするイタリア』、『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、『メトロとトランでパリめぐり】(コスミック出版)など著書・訳書多数。YouTube『大矢アキオのイタリアチャンネル』ではイタリアならではの面白ご当地産品を紹介中。
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