第74回:スバリスト、吼える!
2018.01.23 カーマニア人間国宝への道スバルってそんなにいいの!?
輸入中古車愛好家の伊達軍曹が「スバルXV」の新車を買い、マリオ二等兵の仲間(スバリスト)になった!? という話の2回目。これまでほぼ国産車を買ったことのなかった伊達軍曹が、生涯初の新車としてスバルXVを購入とはこれいかに。
MJ参謀長(以下 M):アクセル全開にする機会なんかほとんどないんだから、深く踏むと空回り感のあるCVTだってなんの問題もない、ということはわかった。でも、XVの2.0NAエンジンも物足りなくない?
伊達軍曹(以下 伊):確かにきつい上り坂ではそういう面もありますが、大した問題ではないです。
M:パワー的に物足りないっていうより、カーマニアとして味わいが薄いんじゃないか。昔みたいなドコドコ音はしないし、燃費もいま一つだし。
マリオ二等兵(以下 マ):ドコドコ音の消滅は、守旧派スバリストも大いに惜しがりましたが、現在は「これも進歩である」と受け入れております。燃費に関しては、水平対向である限り、限界はあるものと思われます。それでも水平対向にこだわるのがスバルであり、スバリストであります!
伊:いや、XVには、エンジンやトランスミッションの若干の物足りなさを補って余りあるシャシーの良さがあるんです。これはスバルグローバルプラットフォーム(SGP)限定で、他のスバル車にはありません! 現行「インプレッサ」とXVのみ、群馬アウディの面目躍如なのです。
M:そんなにいい~?
伊:日本のスピードレンジなら、「ゴルフ」や「ボルボV40」とは同等レベルと断言します。
M:そうかなぁ。ゴルフやV40あたりって、やっぱ滑るように気持ちよく走るじゃない。XVにそういう感じ、ある?
伊:あります。SGPなので。
Q3よりXV
M:俺はまだ差があると思うけど。それにさ、国産車って最近、結構高いじゃない。軍曹のXV、結局いくらだった?
伊:オプションや諸経費モロモロで約340万円のところ、複雑怪奇なサービスがあり、ざっくり300万円ちょいでした。
M:支払総額300万円かぁ。俺が買った3年落ち「BMW 320d」はコミコミで255万円。自動ブレーキやACCの性能は最新のアイサイトに負けるけど、XVの新車より断然コスパ高いと思うんだよね。
伊:客観的にはそういうことになるもしれませんが、私としてはもう輸入中古車を買うのは飽きたという面があったので。
M:なるほど!
伊:国産車のしかも新車。どちらも未知の世界で、ワクワクしたのです。
M:国産の新車買うのって、ものすごく手堅い道だけど、軍曹にとってはまったく新しい挑戦だったんだね。
伊:さいですね。それに、XVの300万円は決して高くはないです。新車ですから! 「アウディQ3クワトロ」の新車を買ったら、モロモロ600万円近くになるでしょう。
M:いや~、Q3クワトロは同じ2リッターでもターボ付いてるし、値引きもありそうだし……。マリオインプはいくらだった?
マ:コミコミ171万円であります。納車後にオーディオ&ナビを付けたので、合計で190万円弱くらいでした。
M:あの入間の高齢者っぽいクルマが約200万円って聞くと、やっぱり高く感じるな。アイサイトも付いてないし、スバルの1.6NAって、パワーもトルクも味わいも薄くないか? 癒やし感はあったけど、乗り味もそれなりだし。
されど拭えぬ群馬感
マ:いえ、自分のインプでも、「カローラ」や「シルフィ」から乗り換えると、「うおお、ビーエムか!?」と思うであります!
M:はぁ!?
マ:実際にシルフィに乗った直後に自分のインプに乗る機会があったのですが、本気でそう思いました。
M:わかった! スバル車は買ってみなきゃわからない魅力があるってことにしておこう! じゃ最後に、今のスバル車への不満を。
伊:私のXVでも、まだ内装の一部に群馬感があることですね。XV以外のスバル車はエクステリアも落第です。
M:厳しいな~。「レヴォーグ」も「レガシィ」も「フォレスター」も良くなってると思うけど。
伊:XV以外は眼中にありません。
M:やっぱ軍曹はスバリストじゃないね~。マリオは?
マ:やはり、MT車の設定が風前の灯(ともしび)である点です。
M:それはあるね。考えてみたら今って、ちょっとしたMT車ブームじゃない! 「シビック タイプR」とか「スイフト スポーツ」とかが、結構な納車待ちを抱えてて。なのにスバルがそれに背を向けてどうする、って感じはするね。
伊:MT車に関しては同感です。私はいまさらMTのスバル車を欲しいとは思いませんが、断固MT車を守るという姿勢や気概は欲しいところです。その点マツダは頑張ってます。
M:確かに。マツダはデザインも内装もMTも頑張ってる。それが結論か(笑)?
(語り=清水草一、伊達軍曹、マリオ二等兵/まとめ=清水草一/写真=清水草一/編集=大沢 遼)

清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
-
第346回:EVかいわいで辰巳かいわいへ 2026.10.12 清水草一の話題の連載。日産の「サクラ」と「アリア」、そしてホンダの「スーパーONE」と、国内メーカーがリリースする3台のEVに立て続けに試乗した。三者三様の走りを味わい、リアルに感じたことをカーマニア目線で報告する。
-
第345回:10秒ごとの快感 2026.9.28 清水草一の話題の連載。実に16年ぶりのフルモデルチェンジとなった日産の新型「エルグランド」が狙うのは、圧倒的な強さを誇るトヨタのミニバン「アルファード」と「ヴェルファイア」の牙城だ。早速、首都高でエルグランドの走りを確かめた。
-
第344回:アンパンマンよりばいきんまん 2026.9.14 清水草一の話題の連載。メルセデス・ベンツの新型「CLAシューティングブレーク」が気になってしかたがない。理由はその特徴的なフロントフェイス。左右の目玉(ヘッドランプ)がつながったデザインがたまらない。果たして実車の印象は?
-
第343回:おやじ、涅槃で待つ 2026.8.31 清水草一の話題の連載。ちまたでの評判がよく、売れ行き好調の新型「日産キックス」に試乗した。その出来はカーマニアをも満足させる評判どおりのもので、新車購入のきっかけにもなった。え? 購入したのはキックスではない?
-
第342回:どうしてこんなに高いんですか 2026.8.17 清水草一の話題の連載。BYDが日本の軽自動車市場に向けて独自開発した電気自動車「ラッコ」が上陸した。早速、愛車「ダイハツ・タント」の後継として検討すべく、近所のディーラーで試乗することに。果たしてその印象は?
-
NEW
日産キックスX e-4ORCE(前編)
2026.10.18思考するドライバー 山野哲也の“目”レーシングドライバー山野哲也が新型「日産キックス」に試乗。デザインが新しいのはもちろんのこと、まさに下ろしたての最新のパワートレインを搭載。日産の大きな期待を背負ったコンパクトSUVである。箱根のワインディングロードでの印象を聞いた。 -
三菱eKクロスEV P(FWD)【試乗記】
2026.10.17試乗記三菱の軽乗用電気自動車(EV)「eKクロスEV」が、一部改良でデザインを刷新! 2022年発売の古参の一台は、台頭するライバルをどう迎え撃つのか? 最新モデルと比べても、キラリと光る魅力はあるのか? 軽EVのパイオニアが擁する一台の実力を確かめた。 -
写真で解説する「フィアット・グランデパンダ」
2026.10.16画像・写真ステランティスが「フィアットブランドの大きな柱のひとつとなる重要なモデル」と位置づける「グランデパンダ」が日本上陸。その具体的な見どころを、写真とともに解説する。 -
フィアット・グランデパンダ ハイブリッド ラプリマ(FF/6AT)【試乗記】
2026.10.16試乗記欧州を代表するコンパクトカーの一台である「フィアット・パンダ」が第4世代に進化。新たに「グランデパンダ」を名乗り、日本にやってきた。ずばり新型の見どころは車両の随所にちりばめられた初代モデルへのオマージュである。上位グレード「ラプリマ」の仕上がりをリポートする。 -
スズキの未来を徹底検証! 技術戦略説明会から“10年先のスズキの姿”を夢想する
2026.10.16デイリーコラム年間生産500万台で、Dセグメントまでカバーする巨大メーカーに!? スズキが発表した「10年先を見据えた技術戦略2026」を徹底検証。技術開発に製品開発、インドを核としたグローバル戦略などの中身を通して、「10年先のスズキの姿」を予想した。 -
賢い選択 ――キャデラック「LYRIQ」フラットプランのすゝめ――
2026.10.15投資家も太鼓判! 「キャデラック・リリック」×フラットプランという最適解<AD>クルマが変わり、時代も変われば“持ち方”だって変化する? お金のプロである投資家が、「キャデラック・リリック」の残価保証型リースを勧める理由とは? 夢の「2台持ち」をかなえる、最新電気自動車の賢い選び方を考えた。










